原発のない社会をめざして

やっぱり危ない伊方原発 発電初日の地震直撃に専門家警鐘

【やっぱり危ない伊方原発 発電初日の地震直撃に専門家警鐘】
日刊ゲンダイ 2016年8月17日

発電初日、襲われた。15日山口県で起きた震度3の地震。伊方原発3号機がある愛媛県伊方町でも震度2を観測した。四国電力では12日に原発を再稼働し、15日から発電と送電を始めたばかり。いきなり地震に“直撃”され、周辺住民は「やっぱり伊方原発は危険だ」と不安を強めている。

伊方原発は以前から、その“危険性”が指摘されてきた。わずか8キロ先に国内最大の活断層「中央構造線断層帯」があるからだ。4月の熊本地震はその延長線上の「布田川・日奈久断層帯」が動いて起きた。愛媛県の中村時広知事は「(伊方原発で)福島と同じことが起こることはない」と断言しているが、何を根拠に言っているのか。武蔵野学院大の島村英紀特任教授(地震学)がこう言う。

「熊本地震以降、震源地は周辺地域に広がってきています。今回の震源地の伊予灘は伊方原発のすぐ隣にある。非常に怖い場所で起こったといっていい。中央構造線断層帯沿いは、これまで地震が繰り返され、地震に弱い岩盤が広がっていて、不安要素は多いんです。しかも、福島第1原発事故の本当の原因は、まだ地震か津波か、はっきりしていない。そうした段階で、伊方原発を『安全』と言い切るのは早すぎるでしょう」

■電力十分に原油安で再稼働必要なし

そもそも、いま危険な「伊方原発」を再稼働させる理由はほとんどない。電力業界は「電力の安定供給に原発は欠かせない」と説明するが、原発稼働がゼロでも、電力は十分足りている。しかも、原油安の影響で火力発電の燃料費も安く済んでいる。「原発のほうがコストは安い」という言い分も、事故対応や廃炉への費用を考えると、正しい見方とはいえない。

ジャーナリスト・横田一氏はこう言う。

「電力会社が再稼働を急ぐのは、すでに燃料も買って施設もあるからです。初期投資が大きい原発では、なるべく長期で使用したほうが、経営上はプラスになる。政治家側も、現在は電力会社から直接の政治献金はありませんが、選挙時に運動員を出すという人件費の無償提供を受けている。『脱原発』という候補には、『応援しないぞ』と脅しをかけるケースも多い。選挙を“人質”に取られ、原発推進にならざるを得ないんです」

国民の安全よりも、大切なのはカネと選挙ということだ。発電初日に伊方原発を揺らした地震は、天の啓示ではないか。

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民進党職員は甲状腺がん 原発事故「被曝健康被害」が次々

【民進党職員は甲状腺がん 原発事故「被曝健康被害」が次々】
日刊ゲンダイ 2016年8月9日

民主党政権時代、福島復興を担当していた民進党の男性職員が甲状腺がん(乳頭がん)を発症、手術を受けたことが分かり、関係者に衝撃を与えている。A氏は、原発事故直後から、被災状況の把握、除染現場の視察など、福島県をたびたび訪れていた。

「福島への訪問回数は、確実に10回を超えます。原発事故と私の甲状腺がんとの因果関係は証明されたわけではありませんが、原因となった可能性は高いと思っています。そもそも甲状腺がんは男性には珍しい。診断した医師は『甲状腺がんの約8割は女性です』と言っていました」(A氏)

A氏は、親戚縁者に「甲状腺がんになった人はいるか」と聞いて回ったが、誰もいなかったという。

「だから遺伝的要因は考えられません。関東地方には放射能汚染が高いホットスポットがあり、自宅付近がホットスポットだった可能性もありますが、福島訪問の際の被曝が原因ではないかと私自身は考えています」(A氏)

A氏が甲状腺がんを名乗り出たのは、放射能汚染の影響が忘れ去られようとしている現状に警鐘を鳴らしたかったからだ。

「提案したいのは、関東地方を含めた汚染状況の徹底調査(ホットスポットの特定など)と、被曝リスクが高い人たちへのがん検診の体制強化です。福島を訪問して感じたのは、医師たちが原発事故と甲状腺がんを関連づけることに神経質になっていることです。箝口令が敷かれていると感じたほどです。『リスクがどれぐらいあるのか』『地域によってどの程度、汚染に違いがあるのか』といった重要な情報が十分に知らされていない」(A氏)

■米軍「トモダチ作戦」では400人が…

実は、被災者を救援した「トモダチ作戦」に参加した米軍兵士の間にも、健康被害が増えている。5月に訪米し、兵士10人から聞き取りをした小泉純一郎元首相はこう話す。

「頑健な兵士が帰国後、原因不明の体調不良に襲われていました。鼻血が出てきたり、下血したり、腫瘍が出来てきたりした。トモダチ作戦に参加した海兵隊員は、米軍の中でも一番厳しい訓練をすることで有名。そうした頑強な20代、30代の兵士が体調不良に襲われ、兵士としての正常な活動ができなくなってきている。放射能被曝と健康被害の間には因果関係があるとしか考えられないのです。しかし、兵士は『米政府を訴えない』という誓約書を書いているので、東電とGEを提訴して損害賠償を求めています。当初8人だった原告は400人を超え、病状も悪化しています」

安倍政権は、徹底調査し、救済にも乗り出すべきではないか。

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全国の脱原発の仲間に鳥越発言の拡散の呼びかけ

【全国の脱原発の仲間に鳥越発言の拡散の呼びかけ】
BLOGOS 2016年7月26日

昨日の亀戸での個人演説会で、鳥越さんは都知事に当選したら東京から250キロ圏の原発を廃炉するように電力会社に申し入れると明言した。この発言、マスコミではほとんど報道されていない。私が見たのはニュース23だけだ。この発言動画を全国的に拡散し、全国から鳥越さん応援の声を東京の知人友人に伝えることが重要だ。グーグルでも動画を見ることができる。全国の脱原発運動にかかわっている人の協力をお願いしたい。

脱原発実現にとって知事の役割は極めて重要。原発立地県の知事が同意しなければ再稼働はできない。鹿児島県知事に当選した三反園さんは熊本地震の影響が心配される川内原発を点検のために停止するよう、近日中に九電に申し入れると表明。新潟の泉田知事も東電福島原発事故の検証が不十分な状態では東電の柏崎刈羽原発の再稼働は議論できないという姿勢。

神奈川県知事の黒岩さんも再エネへの転換を進めており、静岡県の川勝知事も浜岡原発再稼働には慎重な姿勢。これらの知事に加えて、福島原発からの最大の電力供給を受けていた東京の知事が250キロ圏内の原発の廃炉を要請する意味は極めて大きい。

東京は原発立地県ではないが、福島原発事故ではあとわずかで全都民の避難が必要となる瀬戸際であった。全都民が何十年も避難することになっていれば、日本は壊滅の危機を迎えていた。住民避難の責任は電力会社にはない。自治体と国の責任だ。最近関東で地震が頻発している。巨大地震に備えるには原発を止め、燃料棒を原子炉から取り出し、廃炉にしていくことが、最良の備えだ。

都民の安全に責任を持つ都知事が250キロ圏内の原発廃炉を求めるのはもっともなことだ。250キロの根拠は一つには裁判所が原発訴訟で原告になる資格を認めた居住地の範囲であること。また福島原発事故当時、原子力委員会の近藤委員長が最悪の場合250キロ圏からの避難が必要になると政府に伝えたことも根拠となっている。 

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参院選えらぼーと

いよいよ日曜日は参院選選挙ですね。もし自民党・公明党・おおさか維新あたりで全体の3分の2の議席をとってしまったら、秋頃には憲法を変えるための発議がされる可能性が高いです。投票に行きましょう。

この「参院選えらぼーと」というサイトで勉強して、どこの政党の政策が自分の主張に近いかよく勉強をしてみるといいと思います。
繰り返します。投票に行きましょう。合掌

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三宅洋平 選挙演説 2016年6月28日 新宿駅東南口

東京選挙区 無所属 三宅洋平氏の演説です。素晴らしいです。こういう若者の力を何とか国会に届けたいものです。合掌




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憲法改正誓いの儀式

こういう動画が出回っているのをご存じでしょうか?
アベ総理を始め、自民党の中枢を牛耳るセンセイ達が揃っている式典の様子です。ぜひご覧いただきたいと思います。合掌






内閣総理大臣補佐官 衛藤 晟一
いよいよ、ほんとに憲法を変えられる時がきた。これ以上延ばすことはできない。

【元法務大臣 長勢甚遠】
憲法草案というものが発表されました。正直言って不満があります。一番最初にどう言ってるかというとですね。国民主権。基本的人権。平和主義。これは堅持するって言ってるんですよ。この3つを無くさなければですね。ほんとの自主憲法にはならないんですよ。たとえば人権がどうだとか言われたりすると、平和がどうだとか言われたりするとおじけづくじゃないですか。それは我々が小学校からずっとずっと教えこまれてきたからですよ。

【外務副大臣 城内実】
日本にとって一番大事なのは何かと言うと、私は皇室であり国体であると常々思っております。

【自民党政務調査会長 稲田朋美】
国防軍を創設する、そんな憲法草案を提出致しました。

【元総務大臣 新藤義孝】
いま必要なのは行動すること。実現させることだと思います。皆さん、憲法改正しましょうよ。奪われている領土、取り戻しましょうよ。北方領土、竹島、主張するだけじゃなくて行動しなければいけないと思います。さらには尖閣、使っていきましょうよ。軍事利用しましょう。

※最後の新藤氏の「軍事利用しましょう」という一節は、軍事ではなく有人利用と言っているというご指摘をいただきました。私にもどうもそういう風に聞こえるので、いちおう訂正しておきます。合掌

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改憲勢力3分の2阻止へ 参院選“自民党大苦戦”の18選挙区

【改憲勢力3分の2阻止へ 参院選“自民党大苦戦”の18選挙区】
日刊ゲンダイ 2016年6月23日

参院選が22日公示された。安倍首相が設定した勝敗ラインは「自公で改選議席の過半数(61議席)」だが、「改憲勢力で3分の2(78議席)」が念頭にあるのは間違いない。ただ、ここへきて、内閣支持率は下落傾向だ。「次期国会で改憲を議論したい」という安倍首相の野望も剥き出しになってきただけに、有権者は自公に厳しい視線を向け始めている。

内閣支持率をめぐっては、こんな驚くべき情報がある。永田町のベテラン記者が言う。

「この週末(18、19日)に行われた政党の情勢調査で、東京で内閣支持率と不支持率が逆転したそうです。舛添問題が直撃したのだと思われます」

報道各社の最新の世論調査でも支持率は軒並み下落。参院選の論戦で、これからますます安倍政権のバケの皮が剥がれる。逆転現象が東京以外の地域に広がってもおかしくない。

現段階で自民が苦戦しているのは別表の18選挙区だ。1人区が東北や信越など14選挙区。複数区が候補を2人擁立している北海道、千葉、東京、神奈川の4選挙区で、2人目が当落線上だ。

「もともと1人区は18勝14敗もあり得るという話でした。現状、岩手、宮城、山形、長野、福島、沖縄の6つは苦しい。新潟、山梨、三重、愛媛の4つが危ない。青森、岐阜、滋賀、大分は今のところ若干優勢ですが、最後までどうなるかわかりません。痛いのは、確実に勝てるといわれていた『岐阜』でどんどん差を詰められてきていることです」(自民党関係者)

自公で改選過半数(61議席)を取るためには、公明が13議席前後とすると、自民は48議席前後を取らなければならない。3分の2(78議席)に到達するためには、おおさか維新や新党改革が最大で合計8議席程度取るとすると、自公で70議席前後、つまり自民は単独過半数でもある57議席前後が必要だ。

有権者は、自民の苦戦選挙区と改憲防衛ラインを頭に入れておきたい。

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甲状腺がん多発原因は、被ばくしかない

【甲状腺がん多発原因は、被ばくしかない】
女性自身 2016年04月24日

福島県で多発している小児甲状腺がん。依然、「被ばくによる多発だとは考えにくい」という見解を示している県の検討委員会だが、疫学者の津田敏秀氏は、「甲状腺がん(おもに乳頭がん)の外的要因は、放射線被ばくであることは、国際的にも認められており、他の原因が説明できない現状において、甲状腺がん多発の原因は、被ばくしかない」と断言する。

津田氏が、被ばくの影響を裏付けるデータとして挙げているのが、チェルノブイリ原発事故の影響を受けたベラルーシで、〈被ばくの影響を受けていない14歳以下の子ども4万7203人を対象に行った甲状腺エコー検査〉の結果だ。

「被ばくしていない地域の子どもたちには、一例も甲状腺がんが見つかっていません。チェルノブイリでも、原発事故後、今の日本と同じように10年以上にわたって、甲状腺がんの多発は、『スクリニーング効果だ、過剰診断だ』と論争が続いていました。でも、このデータが、論争に終止符を打ったんです。やっぱり被ばくの影響だ、という確証になりました」(津田氏)

また、「チェルノブイリで甲状腺がんが増えたのは、原発事故後5年目から。福島は早すぎるので被ばくの影響とは考えにくい」とする検討委員会の意見に対しても、「チェルノブイリでは、爆発的に甲状腺がんが増加したのが事故後5年目以降であって、事故の翌年からはっきりとした甲状腺がんの多発が始まっていました」と反論する。

「ぜひ、みなさんには、こうしたデータをしっかりご覧になったうえで検証してほしい」と話す。

また、津田氏は、チェルノブイリ原発事故のあと、小児甲状腺がん以上に、大人の甲状腺がんが増えたことや、その他の疾病も増えたことなどを例にあげ、「今後、どんな疾病が増えていくのか、しっかり症例を把握していく必要がある」と警鐘を鳴らしている。

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「想定外に備え、川内原発は一時稼働停止を」 30キロ圏住民調査を行った広瀬弘忠氏に聞く

【「想定外に備え、川内原発は一時稼働停止を」 30キロ圏住民調査を行った広瀬弘忠氏に聞く】
東洋経済ONLINE 2016年04月26日

「原発事故が起きると安全に避難できない」。川内原発周辺の多くの住民がそう考えていることが、広瀬弘忠氏が代表取締役を務める「安全・安心研究センター」によるアンケート調査で判明している。余震が続くなど、「赤信号が点滅している状態だけに川内原発はすみやかに一時稼働停止を」と訴える。

――熊本地震では、九州電力・川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)をはじめとした西日本各地の原発の安全性が懸念されています。

九電は万一の場合を想定して、いったん川内原発の稼働を停止すべきだ。4月14日午後9時26分に熊本県内を震源域とするマグニチュード6.5、震度7の地震が起き、その28時間後の16日午前1時25分にはさらに大きいマグニチュード7.3、震度7が発生している。さらに19日午後5時52分には川内原発により近い八代市内を震源域にマグニチュード5.5、震度5強を観測している。その後も頻繁に余震が続いている。八代市から川内原発まで約80キロメートル。震源域がさらに近づけば危険性が増してくる。

――原子力規制委員会によれば、最初の地震で観測された川内原発での地震加速度の最大値は8.6ガル。これは原子炉自動停止の設定値である水平加速度160ガル、鉛直加速度80ガルをともに大幅に下回っているとのことです。こうしたことから規制委の田中俊一委員長は「安全上の問題はない」としています。

大規模な地震が相次いでいることから、現在は赤信号が点滅している状態だ。火山の噴火が差し迫っていることが察知できた場合にはいち早く原子炉を止め、使用済み燃料をプールから取り出して安全な場所に移送する手はずになっている。それができるとは思えないが、似た状況が地震によって起きる可能性があるのだから、あえて止めない判断をする理由はない。

今回、気象庁は最初の地震をいったん本震とみなしたものの、後にさらに大きな地震が発生したことからもわかるように、想定外はいつでも起こりうる。ステレオタイプな発想をしていると、想定外の事象に巻き込まれてしまう危険性がある。シナリオが外れた場合のリスクを考えたうえであらかじめ危険を取り除くべきだ。

――東日本大震災が2011年3月に起き、2011年5月に中部電力は当時の菅直人首相の要請を受け入れる形で浜岡原発の稼働を停止しました。その際、住民や株主などさまざまなステークホルダーの利益に配慮したうえで判断したといいます。

今回、株主の利益に照らすと二つの考え方があるだろう。一つは事故が起きた時の影響の大きさを考えて止めるという考え方だ。東京電力・福島第一原発事故をきっかけに東電が事実上経営破綻して国有化されたように、原発事故による被害は計り知れない。

もう一つは運転を一時的に停止した場合にどれだけの損失を被るかということだ。期間にもよるが、許容範囲ではないか。少なくとも電力不足に陥ることはないだろう。万一を考えて止めておくという判断は九電の社会的評価の向上にもつながると思う。

■避難シミュレーションは机上の空論

――広瀬さんが代表取締役を務める「安全・安心研究センター」は、川内原発の再稼働を前にした2014年11月21日から12月14日に、原発が立地する薩摩川内市およびいちき串木野市など原発から30キロ圏内の5市町村で暮らす360人を対象にアンケート調査を実施しました(アンケート調査結果は岩波書店『科学15年3月号』に掲載)。それによれば、「おそらく安全に避難できない」と「安全に避難できない」を合わせた住民が、薩摩川内市で69.5%、それ以外の30キロ圏で61.7%にのぼっています。「安全に避難できる」と「おそらく安全に避難できる」の合計はそれぞれ30.0%、38.4%にとどまりました。

逃げられないと思っている人が実際に多いことがわかった。鹿児島県は川内原発で重大事故が発生した際の避難計画を策定しているが、そのシミュレーション結果には現実味がない。

重大事故が起きた場合に避難指示が出されてまず5キロ圏内の住民が避難を開始し、その9割が30キロメートル圏外に避難できたことを確認してから、5~30キロ圏の住民が避難し始めるという「2段階避難」をシミュレーションの前提としている。

30キロ圏内の住民のうち9割が避難を終えるまでに「国道270号線が通行できない場合」で22時間30分、「南九州西回り自動車道が通行できない場合」で28時間45分と試算されているが、20万人近い住民の避難がこの程度の時間で済むはずがない。

まず第一に、2段階避難という想定が非現実的だ。多くの人は避難指示が出ていなくても、原子力災害対策特別措置法に基づく通報などで原発に異常事態が起きていると認識すれば、われ先にと避難を始めるだろう。そうすると渋滞が起こり、避難に必要な時間はさらに長くなる可能性がある。

また、鹿児島県のシミュレーションでは、南九州自動車道が通行止めになった場合でも、代替避難経路としての国道3号線や270号線、県道42号線などにより避難できると想定されている。しかしそれらの道路が通行可能である保証はない。その意味でも「最悪シナリオ」は想定されていない。

■伊方原発の事故でも避難困難

――緊急時には自動車での避難が前提とされています。支援が必要な高齢者や障害者については、バスによる避難が計画されています。

バスによる避難が現実的に機能するのか疑問がある。高齢者はバスが来る場所までたどり着かなければならない。崖崩れで道が通れなかったり、放射線量が上昇しているときに被ばく覚悟でバスを運行できるのか。自然災害が原発事故と連動すると、避難もできずに孤立無援状態に陥る。

前出の私どものアンケート結果を見ても、住民がそう認識していることがわかる。避難計画を作っても、いざというときには機能しないのが原発災害を伴う複合災害だ。

――四国電力の伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)はどうでしょうか。伊方原発は佐田岬半島の付け根にあります。原発から西側は「予防避難エリア」とされ、そこに住む約4900人の住民は海路による避難が想定されています。

私も佐田岬半島の先端部にある三崎港から対岸の大分県にフェリーで渡ったことがあるが、九州と四国を結ぶ豊予海峡は流れが速い。津波警報が出ていると避難自体が無理だ。港にたどり着くのも容易ではない。伊方町役場は原発から非常に近い距離にあるため、住民の避難誘導は困難だ。

――要するに、原発事故は起きてしまうと対応不能になるということですね。

その通りだ。だからこそ赤信号が点滅している状態では、電力会社は想定外の事象を防ぐためにいったん立ち止まるべきだ。それが原発の一時稼働停止だ。もう一度重大事故が起きたら日本の原子力発電はおしまいになる。目先の利益にとらわれずに判断すべきだ。

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