原発40年運転制限、変更の可能性を示唆 国策民営見直しは否定的=経産相
今回の選挙では、自民党が圧勝という形になったわけですが、全国の比例得票数を見てみれば…自民党は1662万票で、05年の2588万票を大きく下回り、09年の1881万票にも及ばなかったわけです。しかも得票率も27.6%で09年の26.7%とほぼ変わっていません。投票率が09年より約10ポイント低かったことも影響しているのでしょうが、全国的に自民党支持が広がったとは言い難い状況なわけです。
そして、依然国民の7割以上は「脱原発」を支持しているのですから、民主党政権で決まった「原発ゼロ政策」を覆していいというお墨付きが、自民党に与えられたわけではありません。
そのような中で、新しい経産相が早くも「原発40年運転制限、変更の可能性を示唆」だそうです。
以下は、ロイターより転載です。
【原発40年運転制限、変更の可能性を示唆 国策民営見直しは否定的=経産相】
ロイター 2012年 12月 28日
茂木敏充経済産業相は28日、ロイターなどのインタビューで、原発の運転期間を40年間に厳格に制限するという民主党前政権の方針について、変更の可能性を示唆した。前政権のもとで進めた小売りの完全自由化などの電力改革については「方向性は明確」と述べ、方針の継承は可能とする一方で、原発の国策民営の見直しについては否定的な見解を示した。
茂木経産相は同日午前の閣議後会見で、今年9月に前政権が掲げた「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう政策資源を総動員する」との脱原発方針について、「2030年代に原発ゼロという決めつけはしない」と見直しの意向を表明。原発稼働ゼロは、(1)40年運転制限を厳格適用する、(2)原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼働する、(3)原発の新増設は行わない、という3つの基本方針で構成していたが、同相は27日未明の就任会見で、新増設について「現時点でイエス、ノーを決めるのではなくて、専門的知見を十分に蓄積した上で今後の大きな政治判断になっていく」と、前政権からの方針転換に含みを残した。
経産相はインタビューで、脱原発へのもう一つの柱となる40年運転制限の扱いについて、「新政権が出来たわけだから、根底から全て(の見直し)はやらないが、検証が必要な問題はきちんと検証した上で今後の進め方を決めたい」と指摘し、この点についても変更の可能性をにじませた。40年運転制は、今年改定された原子炉等規制法でも規定されているが、「20年を超えない範囲で1回に限り」延長可能。また、今年6月にまとまった、同法改正に向けた当時の与野党協議で、自民党側の主張により「必要があるときは見直す」との条項が付き、変更の余地を残している。
<国策民営は維持の方向か>
民主党の枝野幸男・前経産相は、電力小売りの全面自由化や発送電分離などの電力改革を進めた。電力システム改革の今後の扱いについて茂木経産相は、「送配電部門の中立性を高めること、広域系統運用の拡大については方向性は明確」と指摘し、改革路線を受け継ぐことは否定しなかった。
自由化拡大で競争が激化すると、電力会社にはコスト削減圧力が強まるが、原発の安全対策費は今後増える見込みで、国策民営を維持したままでは、完全自由化などの電力改革で実効を上げるのは困難との見方もある。枝野氏は、大惨事となった福島第1原発事故を起こした東京電力が法的に破綻処理されずに政府から巨額の資金支援を受けたことを踏まえ、「原発は事実上、国が運営する以外にはない」と、民営方式の見直しを主張している。
「電力自由化と原発の国策民営は相性が良くないのでは」との質問に対し茂木経産相は、「その印象と私が具体的に進めていくことは必ずしも一致しない。原子力については安全性を第一に考える。その観点からどういう組織、経営形態がいいのかということを判断していきたい」と語った。
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そして、依然国民の7割以上は「脱原発」を支持しているのですから、民主党政権で決まった「原発ゼロ政策」を覆していいというお墨付きが、自民党に与えられたわけではありません。
そのような中で、新しい経産相が早くも「原発40年運転制限、変更の可能性を示唆」だそうです。
以下は、ロイターより転載です。
【原発40年運転制限、変更の可能性を示唆 国策民営見直しは否定的=経産相】
ロイター 2012年 12月 28日
茂木敏充経済産業相は28日、ロイターなどのインタビューで、原発の運転期間を40年間に厳格に制限するという民主党前政権の方針について、変更の可能性を示唆した。前政権のもとで進めた小売りの完全自由化などの電力改革については「方向性は明確」と述べ、方針の継承は可能とする一方で、原発の国策民営の見直しについては否定的な見解を示した。
茂木経産相は同日午前の閣議後会見で、今年9月に前政権が掲げた「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう政策資源を総動員する」との脱原発方針について、「2030年代に原発ゼロという決めつけはしない」と見直しの意向を表明。原発稼働ゼロは、(1)40年運転制限を厳格適用する、(2)原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼働する、(3)原発の新増設は行わない、という3つの基本方針で構成していたが、同相は27日未明の就任会見で、新増設について「現時点でイエス、ノーを決めるのではなくて、専門的知見を十分に蓄積した上で今後の大きな政治判断になっていく」と、前政権からの方針転換に含みを残した。
経産相はインタビューで、脱原発へのもう一つの柱となる40年運転制限の扱いについて、「新政権が出来たわけだから、根底から全て(の見直し)はやらないが、検証が必要な問題はきちんと検証した上で今後の進め方を決めたい」と指摘し、この点についても変更の可能性をにじませた。40年運転制は、今年改定された原子炉等規制法でも規定されているが、「20年を超えない範囲で1回に限り」延長可能。また、今年6月にまとまった、同法改正に向けた当時の与野党協議で、自民党側の主張により「必要があるときは見直す」との条項が付き、変更の余地を残している。
<国策民営は維持の方向か>
民主党の枝野幸男・前経産相は、電力小売りの全面自由化や発送電分離などの電力改革を進めた。電力システム改革の今後の扱いについて茂木経産相は、「送配電部門の中立性を高めること、広域系統運用の拡大については方向性は明確」と指摘し、改革路線を受け継ぐことは否定しなかった。
自由化拡大で競争が激化すると、電力会社にはコスト削減圧力が強まるが、原発の安全対策費は今後増える見込みで、国策民営を維持したままでは、完全自由化などの電力改革で実効を上げるのは困難との見方もある。枝野氏は、大惨事となった福島第1原発事故を起こした東京電力が法的に破綻処理されずに政府から巨額の資金支援を受けたことを踏まえ、「原発は事実上、国が運営する以外にはない」と、民営方式の見直しを主張している。
「電力自由化と原発の国策民営は相性が良くないのでは」との質問に対し茂木経産相は、「その印象と私が具体的に進めていくことは必ずしも一致しない。原子力については安全性を第一に考える。その観点からどういう組織、経営形態がいいのかということを判断していきたい」と語った。
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