原発のない社会をめざして 2015年03月

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原発ゼロ その日まで 官邸前3年

【原発ゼロ その日まで 官邸前3年】
しんぶん赤旗 2015年3月28日

27日に3年を迎えた首都圏反原発連合(反原連)の首相官邸前抗議行動。毎週金曜日の夜、雨の日も雪の日も、「原発いらない」「再稼働反対」と訴え続けてきた人たちの思いは―。

東京都清瀬市の女性(56)
原発事故が起きたときに感じた「なんで何もしてこなかったのか」という後悔が、官邸前に足を向けさせています。原発は制御できないとわかった今、原発をとめるのは、つくった者の責任です。安倍政権の思い通りにさせてはいけない。

埼玉県富士見市の女性(46)
福島第1原発事故が起きた時の、声をあげずにはいられなかった怒りと悲しみの気持ちを今でも覚えています。官邸前で抗議行動が続いていることは、すごく大事なことです。これからも自分のペースで、しぶとく参加し続けていきたい。

横浜市の男性(44)
再稼働は正気のさたとは思えません。地震やテロが起こったら、福島の原発事故と同じようなことが起こる。原発を動かせば、放射性廃棄物が増え、これからの世代の負担がどんどん重くなる。微力でも声をあげていくことが大事です。

札幌市の男性(69)
とにかく、原発反対の行動を続けていかないとだめです。官邸前行動には、10回参加しています。マラソンが趣味で、大会に出るために東京にきたときに必ず参加しています。走るときは「脱原発」のゼッケンをつけてアピールしています。

神奈川県大和市の男性(74)
2年以上、官邸前行動に参加しています。官邸前では、寒いときも、暑いときも、若い人が毎週、がんばっている。私たちが声をあげなくなったら、政府は何をするかわからない。これからも参加し、訴え続けたい。

■声は確実に広がっている

反原連の音響担当 若林一彦さん(62)
福島第1原発事故から4年がたちましたが、放射能汚染水や核廃棄物など、未解決の問題が山積みです。そのような中で原発再稼働を狙う政府の姿勢は、決して容認できません。

安倍政権は原発推進だけでなく、どの問題でも、独善的な施策を進めています。これをいかに崩していくか。なによりも、「原発は重要なベースロード電源」だとするエネルギー基本計画は、何としても撤回させないといけないと思います。

デモ行進すると、街の反応がとても好意的に感じます。表だって声を出していない人たちにも、「原発はいらない」という世論は確実に広がっているのではないでしょうか。

約1年半もの間、稼働原発ゼロの状況が続いており、原発がなくても電気は足りているんだということを、もっと多くの人たちに知らせていきたい。

1986年に起きたチェルノブイリ事故が、原発に反対する運動を始めたきっかけです。生きとし生けるものの命を脅かし続ける原発はどこにも必要ありません。

自分は官邸前で音響を担当しています。参加者から「スピーチがよく聞こえる」と言われるのが、励みになっています。原発ゼロの社会を目指して、これからも頑張っていきましょう。

■世論と運動が追い詰める

首相官邸抗議行動は、だれでも自由に参加できる定例行動として、原発に反対する国民世論を目に見える形で示してきました。

首都圏反原発連合(反原連)が官邸前行動を始めた3年前は、野田民主党政権でした。この年の夏には、関西電力大飯原発(福井県)に反対して、参加者は20万人という空前の規模になりました。こうした運動の広がりのなか、民主党政権は「2030年代に原発稼働ゼロ」を掲げざるをえなくなりました。

2012年12月に誕生した安倍自民・公明政権は、エネルギー基本計画で、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、原発推進に逆戻りし、九州電力川内原発(鹿児島県)、関西電力高浜原発(福井県)を突破口に再稼働に突き進んでいます。

しかし、どの世論調査でも、再稼働反対が5~6割を占め、本紙の調べで、原発反対の定例行動は46都道府県279カ所にのぼります。反原連は、原発をなくす全国連絡会、さようなら原発1000万人アクションとともに、「反原発統一行動」を5回行い、共同を広げています。

稼働原発ゼロの状況が1年半、続いています。「この状況をつくりだしているのは、3年間にわたって毎週金曜日に首相官邸前行動を続けてきた首都圏反原発連合のみなさんをはじめとする国民の世論と運動の力です」。日本共産党の志位和夫委員長は、8日の「反原発統一行動」でこう語りました。世論と結んだ粘り強い運動が安倍政権を追い詰めています。

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敦賀原発 真下の断層「将来動く可能性」

【敦賀原発 真下の断層「将来動く可能性」】
NHK NEWS 2015年3月25日

福井県にある敦賀原子力発電所2号機の真下を通る断層について、原子力規制委員会の専門家会合は2年前に出した結論をほぼ変えず、「将来動く可能性がある」とする評価書を規制委員会に報告しました。新しい規制基準では、将来動く可能性のある断層の上に重要な施設を設置することを認めていないため、敦賀原発2号機は廃炉になる可能性がありますが、事業者の日本原子力発電は結論に反論し、今後、再稼働に必要な審査を申請する方針です。

敦賀原発2号機の真下を通る断層を巡っては「活動性はない」と日本原子力発電が主張しているのに対し、原子力規制委員会の専門家会合はおととしに続き、追加調査を行ったあとの去年11月にも「将来動く可能性がある」とする評価書の案をまとめています。

その後、今回の議論に参加していない別の専門家からの指摘を受けて、地層の評価の説明など一部を修正したものの結論はほぼ変えず、2号機の真下を通る断層が「将来動く可能性がある」とする評価書をまとめ、25日、規制委員会に報告しました。

これで、3年前から始まった専門家会合での議論が終わり、1つの区切りを迎えたことになります。原発の新しい規制基準では、将来、動く可能性のある断層の上に原子炉建屋など重要な施設を設置することを認めておらず、敦賀原発2号機は、再稼働できずに廃炉になる可能性があります。

これに対し、日本原電は結論に反論し、今後、再稼働に必要な審査の申請をする方針です。この断層の問題について規制委員会の田中俊一委員長は「申請があれば今後の審査会合で判断する」と述べ、その際には、専門家会合の見解を重視する考えを示しました。
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■石渡座長「前回を踏襲」

専門家会合で座長を務めた原子力規制委員会の石渡明委員は会合のあと記者会見し、敦賀原発2号機の真下を通る断層についての今回の評価書について、「日本原子力発電の追加調査を受けて再検討してきたが、おととしの評価書と決定的に違う事実はなく、基本的に前回の結果を踏襲するものになった」と述べました。

そのうえで、今後、日本原電から再稼働に必要な審査の申請が出された場合の対応について、「具体的に評価書をどこまで重視するかは、まだ事業者から申請が出ていない段階なので、今述べるのは適当ではない」として明言を避けました。

■日本原電「不正かつ無効な行為だ」

原子力規制委員会の専門家会合が、敦賀原発2号機の真下を通る断層についての評価書を報告したことについて、日本原子力発電は、「原子力規制委員会に対し、規制当局として取るべき適正手続きを全く欠いた、不正かつ無効な行為であると強く申し入れたところです。重大かつ明白に信義則や適正手続きに反するものと認識していて、当然無効であると考えています」というコメントを発表しました。

■敦賀原発断層の論点

敦賀原発の敷地の地下にある複数の断層や亀裂は、同じ敷地内にある浦底断層という活断層と連動して動く可能性が指摘されていますが、2号機の真下を走る「Dー1」と呼ばれる断層は、さらに別の断層の調査結果から「将来動く可能性がある」とされました。「将来動く可能性のある断層」の定義は、12万年前から13万年前の後期更新世という年代以降の活動が否定できないものとされています。

調査の中で、「D-1」の延長線上浦底断層に近づく辺りで別の「K断層」が見つかり、注目されました。日本原子力発電は、K断層の上の地層に含まれる火山灰の年代がおよそ12万7000年前であり、その下にあるK断層の活動時期は後期更新世より古く、D-1とのつながりも確認できなかったと主張しました。

これに対し、規制委員会の専門家会合は、12万7000年前とされる火山灰の堆積は部分的で、その年代以降にK断層が活動していないとは判断できず、K断層はD-1などの2号機の真下を走る断層と一連である可能性が否定できないとして、「将来動く可能性がある」としました。

去年12月、別の専門家たちが客観的な立場で検討する会議では、「専門家会合の事実認識に誤りはなく結論は適切だ」という意見の一方で、「K断層の上にある地層の日本原電の評価は自然で十分信頼できる」とか、「断層の傾きなどがD-1とK断層は全く異なる」などと、原電の見解を支持する意見も出されました。

新しい規制基準は、断層の活動性の評価が難しい場合、安全側に判断することを求めていますが、今回の評価書は専門家の間でも意見が分かれる部分があり、今後、審査会合に議論の場が移された後も論争が続くとみられます。

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透視調査で「原子炉に核燃料なし」 福島第一原発

【透視調査で「原子炉に核燃料なし」 福島第一原発】
NHK NEWS 2015年3月19日

東京電力福島第一原子力発電所で行われている、レントゲン写真のように建屋を透視して溶け落ちた核燃料を捜す調査で、1号機では原子炉の中に核燃料が見当たらないことが分かりました。ほとんどの核燃料が原子炉の底を突き抜け、格納容器に溶け落ちている可能性が強まり、廃炉の厳しい現実を改めて示す形となっています。

福島第一原発の事故では、3つの原子炉で核燃料が溶け落ちましたが、極めて高い放射線量に阻まれ、4年たった今も溶け落ちた核燃料がどこにあるのか分かっていません。このため、高エネルギー加速器研究機構などのグループは、先月から、さまざまな物質を通り抜ける性質がある「ミューオン」と呼ばれる素粒子を捉える特殊な装置で、レントゲン写真のように原子炉建屋を透視し、核燃料のありかを突き止めようという調査を進めてきました。

その結果、1号機では、使用済み燃料プールにある核燃料は確認できましたが、原子炉の中には核燃料が見当たらないことが分かりました。1号機ではこれまで、コンピューターによるシミュレーションでも、ほとんどの核燃料が原子炉の底を突き抜け、その外側にある格納容器に溶け落ちている可能性が高いとみられてきました。今回の調査結果はこうした推定を裏付けていますが、原子炉から溶け落ちた核燃料が多いほど取り出しが難しくなるだけに、廃炉の厳しい現実を改めて示す形となっています。
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■専門家「原子炉突き抜けたか」

今回の調査を行った高エネルギー加速器研究機構の高崎史彦名誉教授は「原子炉の中で核燃料があるべきところに何も確認できなかったので、おそらく1号機は核燃料がすべて溶け落ちたのではないか。原子炉の底にも燃料の塊らしい形が見られないので、原子炉を突き抜けて格納容器の底に落ちてたまっているのではないか」と話しています。

そのうえで、「今回の調査で、格納容器や原子炉、使用済み燃料プールなど、原子炉建屋の内部が外から透視できたことは大きな意味がある。今後、調査の範囲を広げて核燃料がある場所を特定できれば、福島第一原発の廃炉にさらに貢献できると考えている」と話しています。

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電気を使わない自動ドア

こんな節電の技術も開発されていたと知ってビックリです。ずいぶんと古いニュースで恐縮なのですが、この「電気を使わない自動ドア」という動画をぜひご覧ください。動画が削除された時のために…いちおう内容を下に書き起こししておきます。


電気を使わない自動ドア(NHKニュース おはよう日本 2011年8月12日放送)


社員わずかに4人。この小さなメーカーが県内の住宅関連会社と共同で開発したのが、電気を使わない自動ドアです。開きにくくなった自宅の網戸がヒントになりました。

中野社長「昔から開けにくい時は持ち上げながら開ける。無意識のうちにあやっていること。なぜ持ち上げたら開くのかがポイントだった」

そこで、テコの原理を使ってドアを持ち上げ開く方法を思いつきました。(ローラーが)体重をかけるとテコの原理で持ち上がります。ローラーが上がると黒いレールと接して回転します。するとレールが転がり落ちてドアが開くという仕組みです。レールの傾斜角度もポイントです。はじめは傾斜がきつくなっていて勢いよく開きます。途中からはなだらかになっていて動きがゆっくりになります。こうしてスムーズな開閉を実現しました。2年前に特許を取得し、福島県発明展では県知事賞を受賞。これまで福祉施設などを中心に導入が進んでいます。

中野社長「現在は電気釜の保温まで抑えるという節電が叫ばれているような時代ですので、わずかな電力でも使わないという部分で役に立つと思います」

この自動ドア。価格は30万円~45万円と、電動に比べると割高なんですが、電気代がかからないことや、停電しても動くことから、震災以降特に注目されるようになりました。

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電力4社 原発5基の廃炉を正式決定へ

【電力4社 原発5基の廃炉を正式決定へ】
NHK NEWS 2015年3月17日

関西電力と日本原子力発電、それに九州電力と中国電力は運転開始から、おおむね40年たつ老朽化した原発5基の廃炉を17日と18日の取締役会で正式に決定することにしています。原発事故後に福島第一原子力発電所以外で原発の廃炉が決まるのは、これが初めてとなります。

関西電力は福井県にある美浜原発1号機と2号機を、日本原子力発電も同じく福井県にある敦賀原発1号機の廃炉を17日の取締役会で正式に決定し、地元の自治体に伝えることにしています。また、中国電力は島根原発1号機を、九州電力も玄海原発1号機を廃炉にすることを18日開く取締役会で、それぞれ決めることにしています。

原発を再稼働させる場合には、電力会社はおととし7月に施行された国の新しい規制基準に適合させる必要があり、そのための安全対策に多額の費用がかかります。また、併せて導入された制度によって運転期間は原則40年とされ、例外的に延長する場合には特別の点検を実施することが義務づけられ、さらなるコスト負担が見込まれています。

各社が廃炉を決定する5基の原発は発電の規模が比較的、小さいことから安全対策に多額の費用をかけて運転を継続しても経営上の利点は少ないと考えているものとみられます。4年前に起きた原発事故後に福島第一原発以外で原発の廃炉が決まるのは、これが初めてとなります。
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【廃炉の進め方はと課題】

原子力発電所の廃炉には数十年かかりますが、原子炉を解体した後の廃棄物や使用済みの核燃料を、どのように処分するかなど課題は山積しています。

東京電力福島第一原子力発電所を除き、日本で廃炉が進められている商業用の原発は茨城県にある日本原子力発電の東海原発と、静岡県にある中部電力浜岡原発の1号機と2号機があります。このうち、今回の5基と同じ軽水炉と呼ばれるタイプの浜岡原発では6年前に廃炉作業が始まり、完了までに28年かかると見込んでいます。

現在は第一段階で、まず、使われなくなった核燃料を取り出しました。さらに作業員の被ばくをできるだけ抑えるため、放射性物質を取り除く除染作業が行われています。来年度からは原子炉周辺の設備の解体へと進みます。その後、原子炉などの主要な設備が解体され、最後に建屋などが撤去されることになります。

廃炉を進めるうえで課題になるのが、解体によって出た廃棄物の処分です。電気事業連合会のおおまかな試算によりますと、すでに廃炉中のものも含めた全国57基の原発を廃炉にするとおよそ45万トンの低レベル放射性廃棄物が発生する見込みですが、現在、国内にはこうした廃棄物を受け入れる処分場はありません。

特に原子炉など放射能レベルが比較的高いものは地下50メートルから100メートル程度に作られた施設に処分するとされていますが、処分場を確保するめどは立っていません。このため、中部電力は16日、放射能レベルの極めて低い廃棄物については原発の敷地内に仮置きする計画をまとめ、国に申請しました。地元の静岡県は「仮置きは容認するが、ずっと廃棄物を置くことを認めたわけではない」として対応を求めています。

さらに使用済み核燃料を再処理した後に出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のゴミを処分する国の計画は全く進んでいません。廃棄物の問題を抱えたまま、今後本格化する廃炉が順調に進むかどうかは予断を許さない状況です。

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「政府はあきれる」「脱原発でいい社会を」 3.11小泉元首相の講演から(動画)

【「政府はあきれる」「脱原発でいい社会を」 3.11小泉元首相の講演から(動画)】
BLOGOS 2015年3月12日

3月11日、福島県喜多方市で行なわれた小泉純一郎元総理の講演会を聞いてきた。福島原発事故が起き、自分で調べてみると、専門家が言ってきたことはウソだと分かった。いまだに政府が専門家の言うとおりになのには、あきれていると現政府を批判していた。

講演のタイトルは、「日本の歩むべき道」。

原発を再稼動するというが安全は保障されていない。世界厳しいというが、どこが世界一なのか説明されていない。世界中の人がいっているのは、テロに弱いということだ。

コストも安くはない。フィンランドのオンカロにある最終処分場を見てきたが、原発2機分でしかなく、まだ10万年大丈夫かを検討している。何よりも危険であることを10万年先まで伝えられるのか。30年で言葉の意味が現実に変わってしまっている。

国内で政府が最終処分場を決めると言ったがいまだに決められていない。選挙があるのだから、政府が決めたからと言って従うような国民ではない。

日本はこれまでに、オイルショックで環境先進国になったように、何度ものピンチをチャンスに変えてきた。原発ゼロで一年半、停電もなくやっていけているのは日本だけ。原発ゼロで今より必ずいい社会になる原発ゼロは、政治が決断すれば必ずできると力説していた。

内容的には目新しくはないが、小泉さんが言うと迫力があり、聞き入ってしまうのはなぜだろうと思ってしまった。菅直人さんも同じだが、総理として原発を推進してきた人が、福島原発の事故を体験し、それまでのことが違っていたと反省、脱原発へ方向転換したことに、重みがあり、真実があるのだろうと思ってしまう。

この私にさえプレッシャーがあるのだから、元首相となればマスコミだけではなく、さまざまな批判や抵抗があるのだろう。やはり、政治が決断することが必要なのだ。そして、決断できる政治家を誰が生み出すのか。それも、反対だけで言うのでなく現実を考え動きを作っていく政治家を、とも思った。ここから脱原発が現実になっていくとも思った講演だった。

会場となった喜多方プラザ文化センターは、大雪で電車が送れ、高速が通行止めになるほどの悪天候だったがほぼ一杯になるほどだった。脱原発への熱気が冷めているように感じることもあるが、まだまだ冷めていないと感じた一日だった。

下記は約1時間20分の講演のダイジェスト版で約16分。ご覧ください。



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倉本聰が安倍首相を「福島を見捨て東京五輪を優先させた」と怒りの告発!

【倉本聰が安倍首相を「福島を見捨て東京五輪を優先させた」と怒りの告発!】
LITERA 2015年3月7日

原発再稼働、憲法改正、自衛隊法改正などと安倍政権のきな臭い政策ゴリ押しが続いているが、著名人たちがこれらに反対する動きも出てきている。宮崎駿、吉永小百合、黒柳徹子──。もともと護憲派の著名人たちでなく福島出身の西田敏行や保守派と思われてきた海老名香葉子、笑福亭鶴瓶なども憲法改正や原発再稼働に反対、安倍政権の政策を批判しているほどだ。

そんな中、福島原発事故4年を目前にある著名人が安倍政権の原発政策に対して吠えた。

「安倍さんは福島より五輪。冗談じゃない!」

これは「女性自身」(光文社)3月10日号に掲載された脚本家・倉本聰のインタビュー記事のタイトルだ。東京出身で北海道富良野に生活の拠点を置く倉本だが、原発事故、そして事故が既に風化し無関心となりつつある日本の現状に対して我慢ならないらしい。

「わずか4年前の、世界を震撼させたあの原発事故。悲劇の記憶が、こんなにも早く、こんなにも脆く風化してしまうのかと。僕は激しい怒りと憤りと悲しみを感じたんです」

その怒りの矛先は、原発再稼働を、そして「アンダーコントロール発言」で東京五輪誘致を推し進めた安倍首相に向いていく。

「原発では労働力が足らないのに、国は'20年の東京オリンピック成功を優先し、その工事にどんどん労働力を投入している。ひどいですよ」
「(安倍首相のアンダーコントロール発言に)耳を疑いました。混沌とした、まだ処理中の『アンダーコンストラクション』のいい間違いではないかと思いました。冗談じゃない。何を考えているのかと」 


実際、倉本がいう“原発収束より東京五輪に労働力を投入”という事態は現在でも進行、加速しているといっていいだろう。いや、原発労働だけではない。東京五輪は、被災地の復興にも大きな影を落としているのだ。

被災地を取材してきたジャーナリストはその実態をこう証言する。

「原発労働者はもちろんですが、岩手や宮城の被災地の復興にも東京五輪は大きな影響を与えています。各地とも大規模な工事が必要だったため、人手不足はありました。そこにアベノミクス、東京五輪特需で、人手不足は一気に加速した。しかも、資材等も不足して価格もどんどん高騰し、復興事業を遅らせる最大の要因になっている。地元の人たちの間ではこっちは住むところもなくて困ってるのに、なんでそれをほったらかしにして五輪なんだ、という声はけっこうある」

さらに、地元の怒りは2019年ラグビーワールドカップにも向いているという。森喜朗元首相が中心になって誘致されたこの大会だが、開催都市のひとつが被災地である岩手県釜石市に決定。そこでクローズアップされているのが釜石鵜住居復興スタジアムというハコモノの建築だ。

「このスタジアムは大会が開催されるスタジアムの中でも唯一の新設されるものです。概算工事費は約27億円と試算されています。今後はワールドカップ仕様に合わせさらに増えることも予想されますし、地元の労働力もかなり流入すると言われています」(同前・ジャーナリスト)

釜石市は新日鉄釜石ラグビー部という名門実業団があったことから、市民も誘致に賛成の声がある一方、いまだ仮設住宅で生活を余儀なくされている被災者も多いことから、ハコモノやイベント優先に違和感を抱く被災者も少なくないという。

さらに2016年に日本で開催される主要国首脳会議(サミット)の誘致もまた被災地に影を落としている。現在、国内の8都市が候補地として挙げられているが、その本命とされるのがやはり被災地の宮城県仙台市だ。サミットが開催されれば300億円といわれる資金流入が予想されている。この誘致に積極的な仙台市はサミット開催に向け、仙台国際センターの増設工事を決定、25億円もの税金を投入する予定だ。またJR仙台駅と仙台国際センターをつなぐ地下鉄も開通予定なのだ。

明らかに世界に向け安倍首相が宣言した「アンダーコントロール」をアピールする狙いがミエミエの世界的イベントの開催だが、しかし、福島原発からは事故直後より高濃度の汚染水が漏れ続け、周辺の放射線量も高い数値をたたき出している。帰宅困難区域、避難区域の住民たちの現状は深刻さを増している。原発事故や周囲の状況はコントロールからはほど遠く、収束もまったく見えていない。そんななか、国や行政は被災者そっちのけで“見せかけの復興”に邁進している。 
こうした現状には倉本でなくても怒りと憤りがわきあがってくるが、倉本は脚本家としてこの状況に抗しようとしている。震災の数年前から「テレビに絶望した」と脚本家としての仕事をセーブ、一時は引退説まで囁かれていたが、この惨状を見て原発事故をテーマにした舞台「ノクターン──夜想曲」を上演、現在も全国で巡演する予定だ。


舞台は東日本大震災から数年後の福島。津波で娘を亡くした原発作業員など近親者を失った男女が、震災のときの後悔や故郷を奪われた悲しみを表現し、原発事故の理不尽さを浮かび上がらせるものだ。

倉本は、東北地方のブロック紙「河北新報」(2月19日付)にも登場し、原発に対してこう憤っている。

「想像してみてほしい。ささいな私欲。倫理を忘れた成功の快感。わずかな金銭につながる欲望。それらが福島の原発施設から小さなセシウムの粒となって飛び出し、日本や世界を脅かしていることを」

原発事故から4年、原発再稼働や表層的復興アピールのため労働者不足など深刻な問題が山積みの福島第一原発だが、その現状に目を向ける者はどんどん少なくなっている。しかし、福島の問題はけっして、一地域の問題ではない。私たち国民ひとりひとりが、放射能に汚染された福島を、日本の国土をどうしたら取り戻せるのかを考えないと、そのツケは将来、必ず自分たちに返ってくるだろう。

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原発反対を訴え大規模な抗議集会

【原発反対を訴え大規模な抗議集会】
NHK NEWS 2015年3月8日

東京電力福島第一原子力発電所の事故から4年になるのを前に、都内で原発に反対する人たち2万人余りが参加する大規模な抗議集会が開かれ、事故の記憶の風化に警鐘を鳴らすとともに、脱原発の推進や再稼働への反対を訴えました。

この集会は、福島第一原発の事故以降、毎週金曜日に総理大臣官邸前や国会の周辺などで原発に反対する活動を続けている市民グループなどが、毎年3月11日前後に開いています。

東京・千代田区の日比谷公園の会場では、元宇宙飛行士で、福島県で農業を営んでいた秋山豊寛さんが、「私も原発事故で住むところを追われた1人です。この怒りを、デモや集会を通じて国会にぶつけましょう」と訴えたあと、参加者たちが霞が関周辺をデモ行進しました。

主催した団体によりますと、ことしの集会の参加者は2万3000人と、2年続けておよそ1万人ずつ減っているということですが、原発の再稼働に向けた動きもあるなか、粘り強く脱原発を訴え続けたいとしています。千葉県から参加したという69歳の女性は、「都市部を中心に関心が薄まり、風化しているのを感じます。若い世代の参加が少なく、気がかりです」と話していました。

主催したグループのミサオ・レッドウルフさんは、「原発ゼロの政策が見直され、参加者も減るなど活動は転換点を迎えています。原発事故は、今も収束していないことや、救済されていない人が大勢いることを訴え続けていきたい」と話しています。

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放射能は300年消えず。食品汚染の今 原発事故から4年、あの問題は…

【放射能は300年消えず。食品汚染の今 原発事故から4年、あの問題は…】
AERA 2015年3月9日号

危機感が薄まりつつあった中、汚染は終わっていないという事実をまた突きつけられた。私たちは、食品のリスクとどう向き合えばいいのか――。

約900グラムの玄米を、容器に詰め、ベラルーシ製の放射線測定器にセットする。30分後に出た放射性セシウムの判定は、「限界未満」。測定器の検出限界値(1キロ当たり6.62ベクレル)を下回った。この米を持ち込んだ、5歳の長女がいる女性(45)は、判定結果を見て少し表情を和らげた。

「少なくとも自分の目で確かめたので、納得して子どもに食べさせられます」

●広い範囲で基準値超え

玄米は2014年福島県産米で、女性が福島の知人からもらった。2月下旬、東京都西東京市にある市民放射能測定所「にしとうきょう市民放射能測定所あるびれお」に持ち込んだ。

福島県産米は全量全袋検査をし、基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超えたものは市場に流通していない。福島県が2月末までに調べた14年産米の約1090万袋すべてで、基準値超えはなかった。それでも女性は、不安を感じて持ち込んだという。

11年3月。東京電力福島第一原発事故により、84京(けい)ベクレル(京は兆の1万倍)もの放射性物質が大気中に放出された。これはチェルノブイリ原発事故(1986年)による放出量の16%余に当たる。人々の間に食品の放射能汚染への不安が一気に広がり、水や食べ物に対する関心が高まった。

事故から4年経ち、人々の関心は薄まっているように見えていたが、2月下旬、2号機原子炉建屋から、放射性物質を含む雨水が排水路を通じて海に流出していたことが明らかになった。東電は昨年5月頃、排水路での値が他の調査地点より高いことに気付いていながら十分に対策を講じず、公表もしていなかった。これに対し、地元漁業者からは「情報隠しだ」などと批判が相次ぎ、信頼関係を揺るがす事態になった。

いま、食べ物に含まれる放射性物質はどうなっているのだろうか。放射性物質の半減期を踏まえると、この4年間で、空間線量は56%減少した。しかし、いまだに食べ物からは、東日本の広い範囲で基準値を超える値が検出されている。厚生労働省の集計では、昨年4月から今年1月の間に東日本17都県で約27万件を検査。基準値を超えたのは、0.17%の456件だった。
 
左の表は、そのうち東北地方を除いた主な品目を一覧にしたものだ。同じ品目の場合は、最も高い数値を記載した。大半は、ジビエや野生のキノコ、淡水魚だ。東北地方は、スズキやカレイなど海水魚に基準値超えが出ているが、それ以外はほぼ同じ傾向にある。最も高い値は、古くから食用とされるキノコのチャナメツムタケで、基準値の15倍となる1500ベクレルを検出。昨年10月に長野県佐久市の山林で採取された。

●安全・安心への不信感

地域別に見ると、原発に近い栃木県や群馬県がやはり多い。だが、昨年10月には、原発から300キロ以上離れた静岡県富士市で、キノコのハナイグチから360ベクレルの値のセシウムが検出された。今なお、原発から遠く離れた場所でも基準値超えを検出される産品があるのは、なぜなのか。

独立行政法人「森林総合研究所」(茨城県つくば市)のきのこ・微生物研究領域長の根田(ねだ)仁さんは、こう説明する。

「山林の土壌はセシウムを吸着・保持する性質があるため、森林内に分布する放射性セシウムのうち森林外へ流出する量はわずかです。自然の減衰をのぞけば森林内にとどまっている。その上、キノコはセシウムを吸収しやすい性質をもっているためと考えられます」

そして、そのキノコを食べたシカやクマ、イノシシなどが汚染される……。基準値超えの品目は、出荷も販売もされないことになっている。しかし、いくら「安全」と言われても「納得できない」という人は少なくない。特に、行政が発信する「安全・安心」への不信感は根強い。

原発事故直後から、自社で扱う食べ物に含まれる放射能を測定している、宅配食品大手のオイシックス(東京)の品質管理部の冨士聡子部長は言う。

「漠然とした不安を持ったお客さまは今でも少なくありません」

同社はベビー&キッズ商品の検出限界を1キロ当たり5~10ベクレルと低く設定し、放射性物質が全く検出されなかった食べ物だけを宅配している。

自治体による検査体制に問題があると指摘する研究者がいる。原発事故以後、食べ物などに含まれる放射能の測定を継続している東京大学大学院助教の小豆川勝見(しょうずがわかつみ)さん(環境分析化学)だ。

小豆川さんによれば、北関東の「道の駅」や自家野菜直売所などで販売されているキノコ類の放射性セシウムの濃度を検査すると、基準値を超えることは珍しくないという。この点について栃木県は、

「月に一度、市町村ごとに食べ物の放射能検査を実施している。スーパーも道の駅も、体制は一緒です」(林業振興課)

と、検査体制に不備はないと説明する。ではなぜ、基準値超えが検出されるのか。小豆川さんは、検査の「頻度」と「意識」の甘さを指摘する。

「福島以外の自治体は食べ物の放射能検査の測定回数が少なく、基準値超えの食品が出るかもしれないという危機意識も低い」

●2万ベクレル超えも

土壌でも、これと似たような構図がある。小豆川さんによると、例えば、環境省のガイドラインにのっとって市内の空間線量率は基準値以下であることを確認したと、市が公式に発表していたとしても、公園の端っこの吹きだまりなどでは、ゆうに基準値を超える場所があるという。実際、昨年8月、東京23区内のマンションの排水溝にたまった汚泥などを測定したところ、2万ベクレルを超える場所があった。指定廃棄物となる国の基準(1キロ当たり8千ベクレル)をはるかに超える数値だ。だが、関係する役所に通達しても、一切対応はなかったという。

「いくらオフィシャルでは『ちゃんとやっている』といっても、現実には抜け穴だらけ。この点は、放射能問題に関しては強く指摘できます」(小豆川さん)

放射能に汚染された土壌は、雨水で流され、湖沼や河川に入る。実際、栃木県の中禅寺湖では、サケ科のブラウントラウトから260ベクレルが検出された。そして、首都圏であれば多くが東京湾に流れ込むことになる──。そこに暮らす魚介類は安心なのか。

水産庁の14年度のデータでは、東京湾内で採れた魚介類はほとんどが「検出限界未満」。最高値となった旧江戸川河口部で採れたウナギも、基準値を大幅に下回る11ベクレルだった。

一見すると「安全」にも思えるが、水産物の汚染で本当に怖いのは、底土などの汚染が時間の経過によって魚や貝の体内に蓄積することだ。左の地図を見てほしい。

獨協医科大学准教授の木村真三さん(放射線衛生学)が昨年9月に調査した、東京湾に流れ込む主要河川の河口9地点の海底の土の放射性セシウムの濃度と、環境省が昨年7~11月にかけて実施した千葉、埼玉、東京の河川や湖沼の底土の測定結果を組み合わせたものだ。

東京湾の汚染を見ると、木村さんの調査では、最も汚染レベルが高かったのは、千葉県内を流れる花見川の河口で、1キロ当たり1189ベクレル。次いで荒川河口(398ベクレル)、木更津港内(162ベクレル)と続く。

●河口で高い汚染レベル

花見川河口の数値が高かったのは、上流にある印旛沼の影響が大きいと見られる。環境省の調査では、印旛沼の最も高い地点で760ベクレル。その汚染された泥が、河川に流れ込み海に流入したと考えられる。

木村さんが測定した9カ所は、いずれも指定廃棄物となる基準の8千ベクレルは大幅に下回る。だが、木村さんは「漁場となっている河口域は、底土をさらって取り去るのが望ましい」と話す。

「放射性物質の一つであるセシウム137の半減期は30年にわたる。そのセシウムが海水中に溶け出すことで、生物の中に放射性物質が蓄積する生物濃縮が起きていく」

魚や貝に取り込まれた放射性物質は、海水の濃度に比べて体内ではより高濃度になる。それが、「生物濃縮」と呼ばれる現象だ。

海洋学者の故・笠松不二男さんが1999年に発表した論文によれば、海水での放射性セシウムの濃度を「1」とした時、アカガレイ44倍、ヒラメ68倍、カツオとブリは122倍……と魚の種類によって濃縮の度合いはさまざまだが、最大で100倍以上の濃縮が起きている。木村さんは言う。

「危険なものに変わる可能性がある以上、今は海水の濃度が薄まっているから安心だと、果たして言えるかどうか疑問です」

●監視と教育が必要

セシウム137の放射能が1千分の1になるのは約300年後。放射能のリスクにどう向き合えばいいのか。木村さんは、引き続き「監視が必要」と話す。

「ただ、国に対してここまで不信感が強まった以上、利害関係のない第三者機関が行うことが大切。そして、調べた情報をオープンにしていくこと」

前出の小豆川さんは「教育が必要」と説く。例えば、いくら基準値が100ベクレルと規定されていても、仮にスーパーで売っている食品に放射能測定結果として「1ベクレル」と表示されていれば、都内の消費者はまず買わないだろう。「ベクレル」の正確な意味がわからないからだ。だから、教育によって、その1ベクレルがどういうものなのか、きちんと判断できるようにすることが必要。そのためには、小中学校の段階で、放射線について基本的なところから教えることが大切だと訴える。

「事故から4年が経ち、遅きに失した感もあります。しかし、放射能のリスクに対する大きな枠組みを作る、いいタイミングだと思います」(小豆川さん)

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生き物に異変!原発事故の「不都合な真実」

【生き物に異変!原発事故の「不都合な真実」】
東洋経済ONLINE 2015年2月28日

数日前、庭木の枝に小さな鳥の巣を見つけた。お椀型の巣は空っぽで、内側をシュロなどの繊維、外側はコケや地衣類で覆われ、クモの巣で枝に接着されている。「メジロかな?」
かわらしい緑色の小鳥の姿を思い浮かべて笑顔になりかけたとき、不安に襲われた。コケや地衣類は放射能に汚染されやすいと聞くが、それを巣材に使った小鳥は、どうなってしまうのだろう?

■ある写真家がみた原発事故

そんな疑問をもったとき、書店で見かけたのが本書『原発事故で、生きものたちに何がおこったか。』永幡 嘉之である。子ども向けの写真絵本だが、解説もしっかりとしていて、読みごたえがある。著者は山形県在住の写真家で、原発事故で被害を受けた福島県の阿武隈山地にも昆虫調査で足を運んでいた。

本書のタイトルを見てまず想像したのは、「放射線を浴びた生物に奇形や生殖能力への影響が出たことがショッキングな写真でたくさん紹介されている」……というものだったが、違った。

“テレビ局の記者から、「角のまがったカブトムシが見つかっています。これは放射線の影響ですよね」という質問を受けたことがありました。脱皮したばかりの昆虫は体がやわらかく、何かがふれただけで形がゆがんでしまいますから、ふつうにおこることなのですが、事故の直後は、何でも放射線の影響ではないかとうたがう空気がありました。”

あおることなく、淡々と、冷静に、原発事故後に起きた自然環境の変化が写真とともに解説される。

本を開いて最初に目に飛び込んでくるのは、「春うららか」という言葉がぴったりな、里山の写真。新緑のさえずりが聞こえてきそうだ。だが、これが原発事故の被害を受けた地域であることを知れば、受け止め方は一変する。――こんなに美しい場所を、わたしたち人間は汚してしまった。

事故後しばらく、放射線についての情報が正確に伝えられていたとは言い難い。著者も線量計に表示された毎時20マイクロシーベルトという数字の意味もわからないまま、津波跡の海岸の生きものを毎日調べていたという。しかし、事故から半年以上が過ぎて、「日本では毎時0.23マイクロシーベルト以下におさえるという基準が示された」という事実。感じた不安や怒りをあえて書かずに読者の想像に委ねようとする姿勢が、本書では貫かれている。

わたしが最初に想像してしまったように、「放射線の影響=生物の体への直接的な影響」というイメージを持つ人は少なくないと思う。しかし現時点では、人が住まなくなったことによる自然環境の変化が、生物に多くの影響を与えているようだ。

■人間がいないことへの生態系への影響

たとえば、放射線量の高い地域でモンシロチョウが姿を消したことが紹介されている。それはモンシロチョウの幼虫が食べているアブラナ科の植物が、人がいなくなって草刈や畑での耕作をしなくなったために背丈の高い草に覆われてしまったことが原因のひとつだと考えられる。

また、何百年にもわたって守り継がれてきた田畑は、わずか数年で外来の植物に覆いつくされてしまった。こうした「身の回りのあたりまえの自然」は、その価値が見過ごされがちであることを、改めて思い知らされる。

“地域で動植物を調べている人々を動かしている原動力は、慣れ親しんだ土地の自然が大好きで、それが今後も失われずにあってほしい、という愛着です。それだけに、原発事故で野山を歩くこともできなくなり、外来種がはびこり、草が生いしげった田畑や水路を見なければならないのは、非常につらいことだろうと思います。”

里山や田畑、水路、草原などが入り混じった環境は複合生態系と言われ、じつは原生的な自然よりも生物の多様性に富んでいる場合がある。しかしそれは人の手が入って初めて成り立つものであり、田んぼに水がはられないことによって、水を必要とするカエルが減った。カエルが減ることによって、それを餌としていた生物たちも、いずれは姿を消すかもしれない。

本書で唯一、奇形について触れているのは、ヤマトシジミという小型のチョウだ。琉球大学の研究者が原発事故後の5月に、事故現場周辺で100匹以上のヤマトシジミを採集して調べた結果、野外で採集したチョウに、目がくぼんだり脚が変形するなどの異常が見つかった。放射線の影響を受けていない沖縄のヤマトシジミに放射性物質を含んだ餌を与えて飼育したものにも、異常が見つかった。

昆虫と人間とでは、体の大きさも違えば、世代交代のスピードも違う。食べものを選べない野生生物は人間とは異なり、放射性物質に汚染された餌を食べ続けている。昆虫や動物に起きた変化を、短絡的に人間にあてはめることはできない。それでも……。

“大切なのは「大丈夫ですか」とたずねることではなく、自分で考えること。事故がおこってしまった東北地方で、多くの人びとは、これからもくらしてゆくことを、考えぬいた末に選びました。そのためにも、自然界の異変にはしっかりと目を向けてゆかなければなりません。”

行間からにじみ出るような、静かな怒り。事故後、まだ人間が最優先だったときにチョウを採集してまわった研究者を、白い目で見ていた人もいたかもしれない。だが、それは研究者としてするべき使命だった。同じように、これからを生きていかなければならない子どもたちに向けて、「自分で考える」本書を送り出すことも、著者にとっては写真家としての使命だったのだろう。

■春が、永遠に春であるために

農薬汚染を告発したレイチェル・カーソンの名著『沈黙の春』に、こんな記述がある。

“春がきたが、沈黙の春だった。いつもだったらコマドリ、スグロマネシツグミ、ハト、カケス、ミソサザイの鳴き声で春の夜は明ける。そのほかいろんな鳥の鳴き声がひびきわたる。だが、いまはもの音一つしない。草原、森、沼地――みんな黙りこくっている。”

原発事故で汚染された地域には、ずっとにぎやかな春が来てくれるだろうか。そのために、わたしには何ができるのだろう。キーボードを打つ手を止めて、机の上に転がっている小鳥の巣を眺めながら、ふと思い出した言葉がある。

“Today Birds,Tomorrow Men(今日の鳥は、明日の人間)”

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