原発のない社会をめざして 2015年05月

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川内原発の再稼働 避難計画も同意もない暴走

【川内原発の再稼働 避難計画も同意もない暴走】
しんぶん赤旗 2015年5月31日

原子力規制委員会(田中俊一委員長)が鹿児島県の九州電力川内原発1、2号機について、設置変更許可、工事計画認可に続いて運転管理方法を定めた保安規定を認可しました。現在進めている使用前検査に合格すれば、再稼働に進む可能性が高まっています。原子力規制委の審査は原発の安全性を保証するものではなく、事故が起きた場合の避難計画はもともと審査の対象外です。周辺住民は、圧倒的に再稼働に反対しています。再稼働に突き進む安倍晋三政権や九州電力、鹿児島県などの自治体は、事故が起きた場合の責任はどう取るつもりなのか。

■お互いに責任なすりあう

安倍政権は、安全性を保証するわけではないと原子力規制委自体が再三発言しているのに、規制委の審査に合格し、地元の自治体が同意した原発は再稼働させると繰り返してきました。原発再稼働を推進している自らの態度は棚に上げて、万一事故が起きた場合の責任は原子力規制委や自治体に転嫁する無責任な態度です。

原子力規制委の審査は、東京電力福島第1原発事故後作成し直した基準にもとづいて地震や津波の想定を見直し、事故が起きた場合の応急策などを求めたものですが、想定以上の災害が起きないと保証したわけではありません。川内原発に続いて審査に合格した関西電力高浜原発については福井地裁が規制委の審査は甘すぎると再稼働を差し止めています。

川内原発も周辺の火山噴火の影響などが十分反映されていないと専門家から批判されており、規制委の審査で安全が保証されたように取り扱うならばそれは大間違いです。川内原発にも近い口(くちの)永(え)良(ら)部(ぶ)島(じま)で爆発的噴火が起きました。火山対策の不備は致命的です。

しかも規制委の審査は国際的には常識となっている住民の避難計画は対象外です。事故が起きることはありうるとし地元自治体には避難計画をつくるよう指示しながら、国も規制委も避難計画を審査しようともしないのは文字通り無責任のきわみです。これでは住民が安心できるはずがありません。

川内原発の場合、九州電力と鹿児島県、薩摩川内市は再稼働に同意していますが、隣の熊本県内を含め、再稼働に同意していない自治体は少なくありません。地元紙の南日本新聞の鹿児島県内での調査では再稼働「反対」が59・9%にのぼっています。再稼働を強行するのは絶対に許されません。

規制委の審査が終われば再稼働まで残る手続きは国の使用前検査だけですが、国や九州電力が決断すれば、再稼働を中止することは可能です。安倍政権も自治体や電力会社も、住民の意向を尊重するなら再稼働を中止すべきです。

■行き場のない核廃棄物が

原発は再稼働させて運転を始めたとたん、取り返しがつかない事故の危険性が一気に高まります。それだけでなく原発の運転開始とともに危険な使用済み核燃料が増え続けます。政府や原発業界は使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」の実現を掲げてきましたが、いまだに完成しておらず使用済み核燃料や核廃棄物が、原子炉の中にも外にもたまり続けています。文字通り「トイレのないマンション」と呼ばれる事態の進展をくいとめるためにも、再稼働は強行すべきではありません。

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ロイター企業調査:原発比率「20%未満」7割、70年談話に「謝罪」6割

【ロイター企業調査:原発比率「20%未満」7割、70年談話に「謝罪」6割】
ロイター 2015年5月25日

5月ロイター企業調査によると、2030年時点の電源構成で適当と思われる原子力発電比率は20%未満との回答が全体の69%にのぼった。政府案の20─22%よりも低い水準で、原発の廃炉コストの高さや安全性への不安が示されたかたちだ。安倍晋三首相が今夏に発表する戦後70年談話については、謝罪の言葉を盛り込むべきとの回答が6割を占め、日本の国際的信用や事業への影響を懸念する声が聞かれた。

この調査はロイター短観と同じ期間・対象企業で実施。資本金10億円以上の中堅・大企業が対象。5月7日─19日に400社を対象に行い、回答社数は240社程度。

<適当な原発比率は政府案より低め、「10%未満」の声も25%>

2030年時点のエネルギー構成比率について、企業が適当と考える比率は政府案より低くなった。火力や水力、再生可能エネルギーを含めた電源構成のうち、原子力比率は「10%未満」が適当との回答が25%、「10─15%」が17%、「15─20%未満」が27%となった。

理由として目立ったのが「想定外の災害への対応が困難」(電機)など技術的不安と、「廃炉コストまで考慮すると非常に高くつく」(卸売)ことだ。ただ「急激な原発比率低下は難しく、一定量の原発稼働は必要」(多くの企業)と現実的な対応を求める声がある。

他方で政府提案と同じないし高めとなる「20─25%」が適当との回答は23%、「25%以上」が適当との回答も9%あった。「資源国でない日本が競争力を維持する選択を望む」(非鉄金属)、「原発技術進化のためにも一定規模での継続が必要」(電機)との声がある。

電力の小売自由化が2016年から始まるにあたり、新規参入企業からの調達を増やすことを検討している企業は62%に上った。ただ実際に購入するかは「安定的な電力供給と電気料金次第」(輸送用機器)だとして、状況を見て判断する企業が多いとみられる。エネルギーコストが今より安くなると予想する回答は32%にとどまった。

<村山談話踏襲すべきが過半、ビジネスへの懸念は製造業で4割>

安倍晋三首相が8月に公表する予定の戦後70年の談話について、村山談話を踏襲して日本の戦時中の侵略行為への謝罪を盛り込むべきとの回答は、製造業で65%、非製造業で55%と、過半数を超えた。

「盛り込むべき」との回答企業からは数多くのコメントが寄せられた。目立つのは「歴史の誤りはまず謝罪すべき。そうでないと国際社会で容認されない」(建設)、「世界における日本の位置づけを向上させる必要」(機械)など、企業にとって海外ビジネスを展開する上で国際的信認が不可欠との意識がある。

特に、「日中韓関係改善なしにアジアでの発展はない」(多くの企業)との声も多い。「謝罪を盛り込まないことによるメリットは見いだせない」(小売)との指摘もある。

一方、中国や韓国から謝罪や反省が不十分と捉えられた場合のビジネスへの影響については、海外展開企業の多い製造業で40%が懸念を示す結果となった。非製造業は23%にとどまった。

対中関係の悪化が事業に及ぼす影響への懸念は輸送用機器や電機などで強く、「反日感情による自動車販売の減少」、「中国からの観光客の減少」などをあげる声が目立つ。

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廃炉で出る原発のごみ、どう処分 課題抱える関西電力、日本原電

【廃炉で出る原発のごみ、どう処分 課題抱える関西電力、日本原電】
福井新聞 2015年5月19日

廃炉で焦点となっている原発のごみ。福井県内原発では現在、運転中に発生した放射能を含む固体廃棄物を定期的に青森県にある専用の埋設施設に運び出しているものの、敷地内の貯蔵庫は容量の約8割が埋まっている状況だ。過去に交換した使用済みの蒸気発生器や原子炉容器の上ぶたなどの巨大な放射性廃棄物は最長で20年間ほど保管しており、処分方法や処分先が決まっていない。

福井県内原発の各サイトには固体廃棄物貯蔵庫があり、運転や定期検査で発生した放射能を含む金属やコンクリートのごみを200リットルドラム缶などに保管している。

搬出するには、腐食で水素ガスが発生する恐れのあるアルミニウムなどを取り除き、分別した後、ドラム缶の中身をモルタルで固める必要がある。このドラム缶を搬出先の日本原燃の低レベル放射性廃棄物埋設センター(青森県六ケ所村)に専用船で海上輸送し、埋設処分する流れだ。

関西電力美浜、大飯、高浜原発の3サイトの貯蔵庫で保管しているのは2014年度末時点で、固体廃棄物のドラム缶計約10万2千本。貯蔵容量は12万4500本で、約82%を使っていることになる。

日本原電敦賀原発は貯蔵庫の容量8万5千本に対し、約80%の6万7700本を保管している。原電では、貯蔵庫の容量確保のためドラム缶の詰め直し作業も行っているという。

六ケ所村の埋設センターへの搬出実績をみると、関電は14年度に約8千本を運び出しており、これまでの搬出合計は7万5千本。定期的に運び出してはいるものの、専用船は全国の原発の廃棄物をセンターに輸送しており、いつでも自由に運び出せるわけではない。電力各社で毎年度、搬出量を調整している。

   ■  ■  ■

各原発では固体廃棄物貯蔵庫とは別に、これまで原子炉周辺で取り換えた大型の放射性廃棄物も保管している。

関電は1990年代、大飯3、4号機と高浜3、4号機を除く7基で、細管損傷などのトラブルが多かった蒸気発生器を改良型に相次いで交換した。古い蒸気発生器は高さ約21メートル、重さ約300トンもある巨大な廃棄物で、3サイト合わせて21個。それぞれ敷地内に保管庫をつくり管理している。

96年以降は、原子炉容器の上ぶたも応力腐食割れの予防策などのため全11基で取り換え、蒸気発生器と同じ保管庫に入れている。

保管が20年間ほどの長期に至っているものもあるが、関電は「放射能の濃度を低減させるため」と理由を挙げる。ただ、処分方法については「(解体時の)除染や切断方法などを検討中」と答えるにとどまり、処分先や時期も決まっていない。

原電は敦賀1号機の原子炉炉心隔壁(シュラウド)を99~2000年に交換。大部分は放射能濃度が比較的高く、専用容器に入れて貯蔵プールに保管している。07~08年に取り換えた敦賀2号機の原子炉容器の上ぶたは保管庫に入れている。

原電も処分先は未定。放射能濃度が高いシュラウドの大部分は地下50~100メートルに埋める必要があるが、まだ原子力規制委員会が処分に関する基準づくりに取り組んでいる段階だ。

関電と原電は、運転40年を超える美浜1、2号機、敦賀1号機の廃炉を決め、解体廃棄物の処分先が課題となっている。蒸気発生器など大型廃棄物の処分も同様に解決していかなければ、敷地内に抱え続ける懸念がある。

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高放射線量でも住民を1日中放置!? 新「原発事故対策指針」の驚くべき内容

【高放射線量でも住民を1日中放置!? 新「原発事故対策指針」の驚くべき内容】
HARBOR BUSINESS ONLINE 2015年05月16日

原発から5km以遠の地域では、事故が起きて高い放射線量が観測されても住民を丸1日以上放置?国は4月に「原子力災害対策指針」を見直したが、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)を活用せず、放射線量の実測モニタリング結果で住民防護の判断を下す内容に改めた。つまり新たな仕組みでは、住民がいったん被ばくしてからでないと避難や一時退避ができないことになるのだ。

■5km以遠では「屋内退避」が基本

東電原発事故で、SPEEDIの予測データは米軍には2011年3月12日に提供された一方、国民に対しては初めて公開されたのが3月23日だった。福島第一原発周辺の自治体では、原発の風下にいることを知らずに避難し、被ばくした人もいる。

旧指針では、原発事故の際、緊急時モニタリングで得られた放射線量のデータをもとに、SPEEDIも活用して放射性物質の拡散状況を可能な範囲で推定。そして、気象予測や放射性物質の大気中拡散予測結果を、住民が避難する際の参考情報とするよう定めている。

ところが、新たな指針ではSPEEDIの活用に関する記述がことごとく削除された。昨秋、原子力規制委員会がSPEEDIの予測を「不確か」だとして、住民避難の判断には使わない決定をしたためだ。代わって、新たに盛り込まれたのが次の一文だ。

「原子力施設から著しく異常な水準で放射性物質が放出され、又はそのおそれがある場合には、……必要に応じて予防的防護措置を実施した範囲以外においても屋内退避を実施する」

予防的防護措置とは、避難やヨウ素剤の服用など被ばくから住民を守る措置のことだ。原発から5km圏内では、「全面緊急事態」の際にこれらの措置が行われる。つまり5km以遠では、住民防護策として屋内退避が基本となることを意味している。

■屋内被ばくの試算基準は東電原発事故の100分の1以下!?

5km以遠で屋内退避を基本とする根拠として国は、IAEAや米国環境保護庁のデータをもとに「木造家屋では25%、コンクリート構造物では50%被ばく線量を減らせる」との試算を示した。

ところがこの試算では、放射性セシウム(セシウム137)の放出量が東電原発事故時の100分の1以下にとどまる。4月2日、FoE Japanなどの市民団体と政府との交渉の場が持たれたが、市民からは政府の対応を疑問視する指摘が相次いだ。

交渉参加者で、放射線医学に詳しい崎山比早子さんは、試算の問題点をこう指摘する。

「試算は放射線源が動かないことを前提としています。けれども放射性ヨウ素はプルームとして風に乗って飛んでいきますので、動かないことはあり得ません。窓などを目張りしても、木造家屋などでは特にヨウ素を始めとする揮発性の放射性物質は屋内に入ってきてしまいますので、屋内にいても被ばくは避けられないでしょう。私は原子力規制庁の担当者に『放射性物質(特にヨウ素)の濃度が、屋内と屋外とで、どのくらいの時間で同じになるか調べたことがあるか』と質問しましたが、彼らは知りませんでした」

■高線量地域に住民を1日以上も放置!?

しかも新たな指針では、5km以遠の地域で、実測モニタリング結果が20マイクロシーベルト時以上を観測してから1日後、再度20マイクロシーベルト時以上を観測してでないと、一時避難の判断が行われないのだ。そしてさらに1週間以内に一時避難するとなっている。すなわち、即時避難の基準は500マイクロシーベルト時以上なので、490マイクロシーベルト時という高線量地域に住民が丸1日以上、最大7日間にわたり放置される事態が起こりうる。また、30km以遠の地域では安定ヨウ素剤の配布は行われないことになった。

政府との交渉を企画した1人で、環境NGO「FoE Japan」の満田夏花さんは、今回の見直しのねらいを次のように推測する。

「まず考えられるのが、被ばくによる被害を軽くみているということ。現状ではたとえ健康被害が生じても、被害者には因果関係を証明できません。次に、実際に避難するとなれば大きな社会的インパクトが生じます。『避難したほうが健康に悪い。よってなるべくさせない』というのが田中俊一・原子力規制委員長の哲学です。

第3に、SPEEDIでは視覚的に放射性物質の拡散が示されるため、その使用は原発が危険だということを世の中に示してしまいます。さらにヨウ素剤配布は、これまた実施が大変で、自治体からの反発や批判の声が上がる可能性がある。いずれにしても、ねらいは被ばくの過小評価と原発再稼動のハードルを引き下げるということだと思います」

SPEEDIを活用して放射性物質の飛来より前に住民を避難させるとなれば、大がかりな対策が必要だ。ところが実際には、高濃度の放射性物質は、避難計画が必要な30km圏よりも外側に到達しうる。それならば、住民を避難させるよりも屋内退避させた方が手っ取り早い――。今回の指針見直しからは、原発の再稼動に前のめりの一方で、住民防護には消極的な国の姿勢が透けて見えるようだ。

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政府の電源構成案に指摘 IEAが「再生エネもっと導入できる」

【政府の電源構成案に指摘 IEAが「再生エネもっと導入できる」】
J-CASTニュース 2015年5月10日

経済産業省が公表した2030年の電源構成(エネルギーミックス)案を否定するとも思える国際機関のリポートが波紋を広げている。

経産省案は原発の占める割合を20〜22%とする一方、再生可能エネルギーは22〜24%と、欧州先進国並みに伸びないとしている。

再生エネの割合をめぐっては、環境省が「24〜35%まで拡大可能だ」とする試算を公表するなど、政府内でも意見が割れたが、ここにきて注目されているのが国際エネルギー機関(IEA)のレポートで、「再生エネを電力システムの費用コストの大きな増加なしで45%までは実現できる」と提言している。

■「『先進国標準』からまったくかけ離れた後ろ向きの目標だ」

経産省案は、原発比率を2010年度実績の26.4%から4〜6ポイント低くする一方、再生エネは2倍以上にした。再生エネの内訳は、水力8.8〜9.2%程度▽太陽光7%程度▽風力1.7%程度▽バイオマス3.7〜4.6%程度▽地熱1〜1.1%程度。原発については、東京電力の福島第1原発事故後、原発の運転年数を40年までとする政府の原則を当てはめると、既存の原発をすべて再稼働し、建設中の原発2基を稼働させても、2030年の原発比率は15%程度に縮小するはずだった。これを上回る今回の数値目標(20〜22%)は、老朽原発の運転延長か、原発の建て替え(リプレース)や新増設を行わなくては達成できない。

環境NGOや民間研究機関の批判は、この点に集中した。
「欧米の先進諸国では原子力政策の如何にかかわらず、2030年には自然エネルギー(再生エネ)によって40%以上の電力を供給する目標が掲げられている。こうした『先進国標準』からまったくかけ離れた後ろ向きの目標だ」(自然エネルギー財団)


■年間発電電力量の45%まで可能

「コスト的にも量的にも最も主流となりえる再生可能エネルギーである風力を2%、太陽光も7%と抑えてしまっており、もはや導入目標ではなく、抑制目標と言わざるを得ない。少なくとも35%以上を目指すことが可能であり、燃料費の削減により経済的にもプラスになると考える」(WWFジャパン)

これまでなら、政府と環境NGOらの見解は、すれ違って終わりだった。ところが今回は新たな「論客」が海外から現れた。OECD加盟34カ国のうち29カ国が加盟するIEAだ。IEAの最新レポート「電力の変革」を、経産省所管の国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」が翻訳し、公表した。

IEAはドイツ、デンマーク、スペインなど欧州諸国やブラジル、インド、日本など15カ国・地域の分析結果をもとに「年間発電電力量の45%までは、長期的には電力システムの費用コストの大きな増加なしで実現できる」と指摘。日本など再生エネの割合が5〜10%と低い場合は「電力システムへの系統連係は大きな技術的課題ではない」との見解を示した。

■エネルギー論争に一石を投じる可能性も

一連のIEAの指摘は「再生エネルギーの接続可能量の上限に達したので、これ以上の新規受け入れはできない」と接続を保留した経産省や電力会社の主張と対立するため、「この分野の海外情報が少なかった日本人にとっては、かなり衝撃的な内容だ」(日本のエネルギー関連の専門家)という。

翻訳に当たったNEDOは「(IEAは)送配電網インフラの増強や需要の能動化といった対策を施し、柔軟性の高い電力ネットワークに変革していくことで、導入率の向上が図れると説いている」という。「欧米などと違って国際連係線を持たないハンデを乗り越え、再生エネをどこまで拡大できるかチャレンジしようという日本において、たいへん有益な文献になる」と主張している。

安倍政権は今回の経産省案をベースに与党協議や国民からの意見募集を経て、5月下旬にも正式な電源構成の目標を決定する。果たしてIEA のレポートがマスコミや環境NGO、野党などを巻き込み、エネルギー論争に一石を投じる可能性もある。

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福島原発:汚染水の廃液容器14%で漏れ ガス排出口から

【福島原発:汚染水の廃液容器14%で漏れ ガス排出口から】
毎日新聞 2015年5月4日

東京電力福島第1原発で、汚染水を処理した際に発生する放射性廃棄物を入れた専用容器について、点検したうち1割超の容器から放射性物質を含む廃液が漏れていたことが分かった。漏れを防ぐ見通しは立っておらず、放射性廃棄物の管理の難しさを改めて示す結果だ。

漏れが見つかった容器には、汚染水から放射性物質を取り除く多核種除去設備「ALPS」(アルプス)の処理後に出る汚泥や廃液を入れる。直径約1.5メートル、高さ約1.9メートルの円筒形で、容量は約3トン。東電が、第1原発構内の容器1354基のうち105基を抜き取り調査したところ、15基(約14%)で漏れやにじみが見つかった。

この容器については、4月上旬に点検中の東電社員が、容器の下の床面やふたに水がたまっているのを発見。容器上部にある内部のガスを抜く穴から廃液が漏れていることが分かった。東電は、水素などのガスが廃液中にたまって容器内の容積が増し、ガス抜き用の穴から漏れたとみている。

漏れた廃液の放射性セシウム濃度は1リットル当たり最大約9000ベクレル、ベータ線を出す放射性物質は同390万ベクレルと、それぞれ高い濃度だった。容器は第1原発敷地内にあるコンクリート製の施設で遮蔽(しゃへい)されており、東電の白井功原子力・立地本部長代理は「廃液が敷地外に漏れることはない」と話す。

容器は使用前に落下試験などを実施しているが、実際の廃液を入れる試験はしていなかった。東電は「ガス抜き用の穴から中身が漏れ出すことは想定外だった」と話す。

今後は、中に入れる廃液の量を現在よりも約10センチ低くするなどして漏れを防ぐ計画だ。一方、アルプスの処理を続ける限り汚泥や廃液が発生するため、今後も容器の数は増え、保管場所の確保や耐用年数(約20年間)を超えた後の劣化の問題も懸念される。

原子力規制庁の担当者は「漏れた水は同原発内の汚染水の中で最も濃い。数も多いので早期の対策が必要」と指摘。容器周辺は放射線量が高くなっているため、確認作業などにあたる作業員の被ばく管理の徹底を東電に求める。

◇多核種除去設備「ALPS」

東京電力福島第1原発事故処理で発生する高濃度の放射性物質を含む汚染水から、放射性物質を除去する設備。放射性セシウムを除いた後の汚染水を、活性炭や樹脂などを入れた吸着塔に通し、汚染水に含まれる63種類の放射性物質のうち、トリチウム以外の62種類の放射性物質を取り除く。現在、3設備が試験運転中で、3設備で1日当たり計約1500トンを処理している。

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村上春樹さんが「それは違う!」巷で大論争に 「原発より交通事故のほうが危険」を考える

【村上春樹さんが「それは違う!」巷で大論争に 「原発より交通事故のほうが危険」を考える】
「週刊現代」2015年5月2日号より

「年間5000人近くの人が亡くなっている交通事故のほうが、原発より危険性でいえばよっぽど大きいと思います」—。

これは、作家の村上春樹氏がインターネット上で読者の質問に答える、期間限定サイト「村上さんのところ」に寄せられたある読者(38歳・男性)からの投稿である。

これに対して村上氏は次のように答えた。

〈福島の原発(核発電所)の事故によって、故郷の地を立ち退かなくてはならなかった人々の数はおおよそ15万人です。桁が違います。もしあなたのご家族が突然の政府の通達で「明日から家を捨ててよそに移ってください」と言われたらどうしますか?そのことを少し考えてみてください。

原発を認めるか認めないかというのは、国家の基幹と人間性の尊厳に関わる包括的な問題なのです。基本的に単発性の交通事故とは少し話が違います。そして福島の悲劇は、核発の再稼働を止めなければ、またどこかで起こりかねない構造的な状況なのです〉(原文より抜粋、以下〈 〉内は同)


この村上氏の見解をめぐり、巷では大論争が起きている。「被災者じゃない人は、原発の危険性を甘くみている」、「いやいや、2時間に一人が交通事故で亡くなっているんだから、確率的には原発より危険でしょ」など、賛否両論なのだ。

この論争は4年前の「3・11」以来続く、日本人が抱えた「永遠のテーマ」とも言うべき問題だ。福島第一原発の事故を見て、それでも「日本には原発は必要だ」と、リスクを承知で原発を使い続けるか。それとも、「二度と悲劇を起こさない」ために原発とは決別するのか。この問題から目を逸らして済む日本人は誰もいない。

まず村上氏に対して異論を唱えるのは、経済学者の池田信夫氏だ。

「村上さんは比較の対象を間違えています。死者の数と避難者の数を比べても仕方がない。1960年以降、交通事故で亡くなった人は累計50万人以上いますが、原発事故による死者は一人も出ていないんですから」

さらに名古屋大学客員教授の水谷研治氏も「原発を廃止するのは現実的ではない」と主張する。

「原発や自動車に限らず、絶対に安全なモノはありません。どんなモノにもプラス面とマイナス面があります。それを少しでもマイナス面があるからといって、経済効率を無視してまで止めるのはおかしいと思うんです」

その一方、村上氏の考えに同意する声も上がっている。

「私は地震の多い日本で原発の再稼働はするべきでないと考えています。外国人の多くはそう思っていますよ。原発による直接の死者はいないと言いますが、汚染水やがんの誘発、避難先での自死など、村上さんのおっしゃるように、原発による影響は非常に大きい」(放送プロデューサーのデーブ・スペクター氏)

「原発も自動車も問題はあるが恩恵も与えている。ある意味では『必要悪』なんです。ただ今後、交通事故死が1000万人になることはなくても、原発事故ではありうる。福島のように一旦、原発事故が現実に起きれば、人間が制御できない事態になってしまう。それを忘れてはいけません」(経済評論家の森永卓郎氏)

■「その後」の世界を想像して

確かに、死亡者数で比べることは表面的には合理的で、大人の意見に思えるかもしれない。しかし、交通事故で家族や親友を失うことも、原発事故により避難を強いられ、ストレスや病気で亡くなることも同じ「悲劇」であることに変わりはない。

それを量的な問題、つまり「死亡者の数」で比較し、どちらが危険かを決めようとすること自体がおかしいと、村上氏は主張する。

〈効率っていったい何でしょう?15万人の人生を踏みつけ、ないがしろにする効率に、どのような意味があるのでしょうか。「年間の交通事故死者5000人に比べれば、福島の事故なんてたいしたことないじゃないか」というのは政府や電力会社の息のかかった「御用学者」あるいは「御用文化人」の愛用する常套句です。比べるべきではないものを比べる数字のトリックであり、論理のすり替えです〉

村上氏の言う、この部分に賛同するのは、東京工業大学原子炉工学研究所助教の澤田哲生氏だ。

「数字では表せない、目には見えないものにこそ本質がある。村上さんは、死亡者の数にとらわれるのではなく、原発事故の先にある未来に対して、想像力を持って行動していますかと、私たちに投げかけているんじゃないでしょうか」

立命館大学名誉教授の安斎育郎氏は「原発の最大の問題は、後世にわたって悪影響を及ぼすことにある」と語る。

「交通事故を起こしたとしても、それが何百年、子々孫々にまで影響を及ぼすことは考えにくいが、原発事故の場合は違います。『負の遺産』を将来世代に負わせることになる。原発を再稼働するか否かの決定には、『時を超えた民主主義』の問題も内包しているのです」

原発事故が起こった後の未来、それは国土が失われ、住む場所を奪われる世界のことである。

原発に関するドキュメンタリー映画を撮ってきた鎌仲ひとみ監督は言う。

「汚染された地域はゴーストタウン化し、300年以上も人が住めなくなってしまう。私は原発事故後の福島やチェルノブイリを歩いてきましたが、実際にその惨状を目にしたとき、交通事故より原発のほうが安全だとは決して思えませんでした。ある日突然、家族がバラバラになり、人生が破壊される。それが原発の恐ろしさなんです」

次の世代のことを、どれだけ考えて行動できるか。いかに想像力を持ってこの問題に取り組めるかが国民に求められている。

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心ある人達の連携で、なんとか危険な原発を止めましょう。どうぞよろしくお願いします。

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