原発のない社会をめざして 官僚に操られる原子力規制委。

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官僚に操られる原子力規制委。

お役所の手口を知り尽くしている元官僚の古賀氏の言葉です。






【官僚に操られる原子力規制委。】
週刊現代 古賀茂明のコラムより

関西電力大飯原子力発電所3、4号機の活断層問題。専門家会合で結論が出ず、最終判断の時期も示されなかった。大飯原発は動き続ける。

今、原子力規制委員会は官僚によって仕切られる組織になりつつある。その兆候は、この夏、委員長候補だった田中俊一氏が国会で所信表明する場面に現れていた。大飯原発再稼働について、田中氏は、「活断層があれば止める」という趣旨の発言をした。一見前向きに見えるが、この言い方では、活断層の存在が証明されなければ動かしてよいということになる。私は、最初から官僚にうまくはめられたな、と思った。

本来は、「活断層がないことがはっきりわからない限り止める」というべきだった。安全のためには「クロ」の場合はもちろん「グレー」の場合も止めるべきだからだ。おそらく、官僚は、「止める」という言葉を入れることによって、田中氏をうまく誘導して上記の発言をさせたのではないか。こうして一度間違った方針を設定してしまったので、これを撤回することは難しくなった。

また、霞が関には、「スケジュールを制するものが勝者」という鉄則がある。今回の調査にもそれが当てはまる。

調査の段取りは事務方の原子力規制庁が仕切る。調査を日帰りとすることで、東京から遠い大飯原発では十分時間がなく、関西電力が掘った溝を1~2時間でざっと見るということにしてしまった。

さらにこの鉄則は、安全基準の抜本見直しについても当てはまる。委員会は、来年3月までに骨格を示し、夏までには最終案をまとめると言わされてしまった。日本の安全基準は世界標準から程遠く、何十年も遅れている。これを新たに作るとなると、大変な作業となるが、放射性物質拡散予測の度重なるミスでもわかる通り、今の事務方には能力がない。7月までの短期間では、彼らは電力会社に教えてもらって作るしかない。結局、委員は自ら対外的にコミットしたスケジュールに縛られ、事務方から「時間がありません」と脅されて、現行安全基準の微修正程度のもので了解するしかなくなる。

他にも問題がある。安全基準が厳しくなった時にそれを既存の原発に適用するバックフィットと呼ばれる規制について、多くの国では猶予期間を設けている。しかし、日本の場合、重要な対策がなされていない原発ばかりだ。そんなものに猶予期間を設けるということはあってはならない。しかし、ある委員は、猶予期間を設けるという話をさせられてしまっている。

これらは全て夏から仕組まれていた事務方のシナリオ通りで、その裏には電力会社や電力族議員がいる。これまでの構造と何ひとつ変わっていない。

では、どうしたらいいのか。まず、委員の人選をやり直す。10名以上の候補を第三者委員会で選び、国会で十分議論をしたうえで5人の委員を決定する手続きにすべきだ。新任委員は今までの委員会の決定には縛られず、真に独立した活動を始めればいい。また、委員が外国人も含めた自前のスタッフを持てるようにする。

さらに、規制庁の人事権を実質的に完全に委員会が持つことにすればよい。併せて、規制庁の職員のノーリターンルールに例外を認めないこととして、今いる職員が経産省などの親元に戻れないことにすべきだ。それで初めて、規制庁の職員は委員会の方を向いて仕事をすることになる。

しかし、その前に、原発推進の自民党が政権についたら…。そう思うと、八方ふさがり。暗鬱たる気分になってくるのである。

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