原発のない社会をめざして シュラウドからの手紙 鈴木比佐雄

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シュラウドからの手紙 鈴木比佐雄

「東京新聞 2012年12月6日 3.11後を生きる」より転載です。






シュラウドからの手紙 鈴木比佐雄

父と母が生まれた福島の海辺に
いまも荒波は押し寄せているだろう
波は少年の私を海底の砂に巻き込み
塩水を呑ませ浜まで打ち上げていった

波はいま原発の温排水を冷まし続けているのか
人を狂気に馴らすものは何がきっかけだろうか
検査データを改ざんした日
その人は胸に痛みを覚えたはずだ
その人は嘘のために胸が張り裂けそうになって
シュラウド(炉心隔壁)のように熱疲労で
眠れなくなったのかも知れない

二〇〇〇年七月
その人はシュラウドのひび割れが
もっと広がり張り裂けるのを恐怖した
東京電力が十年にわたって
ひび割れを改ざんしていたことを内部告発した
二年後の二〇〇一年八月 告発は事実と認められた

私はその人の胸の格闘(ひびわれ)を聞いてみたい
その良心的で英雄的な告発をたたえたい

そのような告発の風土が育たなければ
東北がチェルノブイリのように破壊される日が必ず来る
福島第一原発 六基
福島第二原発 四基
新潟柏崎刈羽原発 三基
十三基の中のひび割れた未修理の五基を
原子力・安全保安院と東京電力はいまだ運転を続けている
残り八基もどう考えてもあやしい

国家と電力会社は決して真実を語らない
組織は技術力のひび割れを隠し続ける
福島と新潟の海辺の民に
シュラウドからの手紙は今度いつ届くのだろうか
次の手紙ではシュラウドのひび割れが
老朽化した原発全体のひび割れになっていることを告げるか

子供のころ遊んだ福島の海辺にはまだ原発はなかった
あと何千年たったらそのころの海辺に戻れるのだろうか
未来の海辺には脱原発の記念碑にその人の名が刻まれ
その周りで子供たちが波とたわむれているだろうか

(脱原発・自然エネルギー218人詩集より)

すずき ひさお
1954年、東京都生まれ。詩集に『日の跡』、詩論集に『詩の降り注ぐ場所』など。
詩誌「コールサック」(石炭袋)編集発行人。両親はいわき市出身。
『脱原発・自然エネルギー218人詩集』の編集発行人。千葉県柏市在住。

一九七〇年の夏休み、福島県いわき市に住む伯父夫婦は「来年、福島に原発ができる」と恐々と語っていた。九九年の東海村臨界事故後にコンビニの深夜の光を見て、私は福島浜通りの危険さに胸が痛み、都市は「光の墓場」であり「二一世紀の時間が朽ち果てる」と詩篇に記した。東電の事故隠しにより「東北がチェルノブイリのように破壊される日が必ず来る」ことを透視し戦慄していた。掲載詩は二〇〇二年に発表した。

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