原発のない社会をめざして 原発 良識ある撤退   鎌田 慧

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

原発 良識ある撤退   鎌田 慧

元旦の東京新聞に掲載された…ルポライターの鎌田 慧氏の言葉です。以下は転載です。







【原発 良識ある撤退   鎌田 慧】
東京新聞 2014年1月1日   

明けましておめでとうございます。といいながらも、「めでたさも中くらいなりおらが春」と反芻している。あと百日ほどで、福島原発爆発事故から二周年。いまだ収束のメドたたず、多くのひとびとが苦しみと不安のうちに年を越した。「高濃度放射能放出事件」ともいえる、歴史的な大事故は、目下継続中だが、忘れたがっているひともいる。

「官軍と夷虜の死の事古来幾多なり。毛羽鱗介の屠を受けし過現無量なり」
岩手県平泉にある世界文化遺産・中尊寺の落慶供養に寄せた初代・藤原清衡の「願文」である。

東北を攻めたてた官軍と防衛の蝦夷軍の戦死者は、古来膨大な数だった。そればかりか、鳥獣魚介類の死もまた無数、すべての生きとし生けるものを浄土へ導きたい、とする祈りである。

空を飛ぶ鳥、海を泳ぐ魚、森を走る小動物、川岸で歌う昆虫や田園の作物、その地下に生息するチョウやセミの幼虫、ミミズの果てにいたるまで、わたしたちの世界はいのちの連環でつながっている。そのすべてが、世にもおぞましい放射能に冒されている事実に、思いを馳せることなく、まだ原発をつづけようとするものがいる。神を畏れぬ傲慢、といっていい。

核実験を成功させた瞬間、科学者たちはそのあまりにも強大な破壊力に恐懼し、アラジンのランプから、この世に魔物を引きだしてしまった、と後悔した。

アインシュタインを、原爆開発に動かしたのは、ナチスが先にウラン爆弾を成功させることの恐怖からだった。「原子爆弾の製造にドイツ人が成功しないということを知っていたら、指一本動かすんではなかった」とほぞを噛む思いで語った(ロベルト・ユンク『千の太陽よりも明るく』菊盛英夫訳)。

恐怖の妄想から原爆が生みだされ、広島、長崎市民の頭上に投下された。原発は悪魔的な産物の廃物利用だったのだから、正当性のあるものではない。

「原発で手足ちぎられ酪農家」と牛舎の黒板に書きつけて自殺した農民の悲劇を、わたしたちは忘れている。たくさんの牛や豚や小動物が死んだ。津波で押し流された家族を捜すのを阻んだのは、放射能の壁だった。原発は多くのひとたちを絶望させた。

新政権が原発再稼働を強行したがっている。経営的理由からだ。しかし、事故後の収束作業で、すでに数人の労働者が心筋梗塞などで死亡した。原発は人間の働くところではない。非人間的な労働環境に、むりやり労働者を送り込むのは、非人道的行為である。被曝労働者の犠牲によって維持される「快適な生活」をこのままつづけたくない。

原発労働者の家族が、夫や子どもの死を、「被爆死」として訴えても、この国の裁判官は認めなかった。原発四十年の歴史で、労災認定者はたった十三人だけである。

この地震列島に原発をもちこみ、五十四基も建設させたのは、わたしたちの無知だった。核廃棄物は、十万年後の子孫まで恐怖させる。原発は瞬間的な快楽だった。道徳的な頽廃だった、と気づいたいま、犠牲を子孫にまで先送りするのはやめよう。脱原発は歴史的真実である

人気ブログランキングへ
↑原発を止めたい方 クリックをお願いします↑
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

海空居士

Author:海空居士
当ブログはリンクフリーです。トラックバックや転載等もご自由に。
コメントも大歓迎です。興味深い情報があれば教えてくださるとありがたいです。
ツイッターもやっています。フォローやリツイートもしてくださったら嬉しいです。
心ある人達の連携で、なんとか危険な原発を止めましょう。どうぞよろしくお願いします。

カウンター
カテゴリ
最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
月別アーカイブ
原発関係リンク
お世話になっているサイト
最新トラックバック
ツイッター
RSSリンクの表示
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。