原発のない社会をめざして 記者の目:原子力規制委=高木昭午

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記者の目:原子力規制委=高木昭午

原子力規制庁が、監督対象の日本原子力発電に内部文書を渡していた問題について、毎日新聞の「記者の目」から転載させていただきます。以下…








【記者の目:原子力規制委=高木昭午】
毎日新聞 2013年02月27日

原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁の名雪哲夫・前審議官が、監督対象の日本原子力発電に内部文書を渡していた。それだけでも、ひどい話だが、その後の規制委・庁の対応はもっと問題が多いと感じる。詳細な事実の調査・公表を嫌い、批判が収まらないとみると事実を小出しにし、原子力行政の信頼失墜に拍車をかけたからだ。

規制委・庁や日本原電によると、名雪前審議官は先月22日、庁内で原電の常務ら3人に面会した。その席で、同社敦賀原発(福井県敦賀市)の敷地内断層について同委の有識者会合(座長=島崎邦彦・規制委員長代理)がまとめた報告書の未公表草案を手渡した。

同庁は内規で職員は原則、電力会社などとは2人以上で面談すると定めており、前審議官はこれにも違反していた。島崎委員長代理は6日の委員会で「個人ではなく組織全体として隙(すき)があったのではないか」「敦賀発電所の破砕帯(断層)が問題となっている最中に、当事者の日本原電が(庁内で)たびたび(原電によれば8回)審議官と会っていた。(周囲の職員で)おかしいと思った人はいないんでしょうか」と規制庁に問いかけた。

池田克彦・規制庁長官は「ご指摘のとおり」と答えた。同感だ。個人の問題では済むまい。

前審議官と原電側はいつどこで何度会い、どんな話をしたか。周囲の職員はなぜ止められなかったか。原電の働きかけは前審議官だけか。他の電力会社に類似事例はないか。徹底的に調査し公表すべきだった。

◇「個人の問題」と早期幕引き狙う

しかし、同委・庁の対応は逆だった。事態を公表した1日の記者会見で、規制庁の森本英香次長は「前審議官個人の問題だ」との見解を示した。根拠となる詳しい調査はなく「自発的に渡したか原電に求められたか分からない」「原電と前審議官に(以前に)面識があったか分からない」「原電側に話を聞く必要はない」などと繰り返した。

5日になって、やっと規制庁は原電側から事情を聴いた。だが記者会見で聴取対象を聞かれると「常務以外の2人だと思います」と述べ「(聴取内容を)公開する予定はありません」「(前審議官が原電と何度会ったか)確認しておりません」などと突っぱねた。

さらに島崎委員長代理の問いかけに池田長官が答えた6日の委員会後の会見で、田中俊一規制委員長は「(前審議官の行為は)個人の考え違い」と述べ、島崎、池田両氏の発言を否定した。

8日には前審議官と原電からの聴取結果をネット上に掲載したが、1時間以上の聴取だったのに、掲載されたのは、わずか20行分ずつ。しかも掲載内容の一部を原電は否定した。それでも規制庁の森本次長は「(聴取の)録音はしていない。発表がすべて」としか言えなかった。

国会事故調は、福島第1原発事故以前の原子力行政を「電気事業者の虜(とりこ)」と批判した。その反省に立ち設置された規制庁も、職員の大半は旧原子力安全・保安院などの出身だ。「同じ人が電気事業者に厳しくできるのか」との懸念は当初からあった。だから同委・庁は新ルールを設けた。

▽電気事業者などとの面談は原則、議事要旨を公開
▽原発の安全などを審議する専門家は、事業者などからの利益供与を公開
▽公式会合、記者会見はインターネットで動画を同時公開し数日後に議事録も出す
−−などだ。ルールで、電力会社と一線を画そうという意図は分かる。

だがトップが詳細の調査を嫌い、根拠も示さず「個人の問題」と言い張る態度を変えないのでは、組織に対する信頼が回復しないのは当然だ。

◇賛否超え住民の不信感増す対応

私が取材を担当する柏崎刈羽原発(新潟県)は原子炉直下に断層を抱える。規制委は今後、これが活断層かどうかを判断する。判断結果は原発の安全や地元経済に大きな影響を与える。地元の思いは複雑だ。事故を心配し、都会に出た子に「戻ってくるな」と言う住民がいる。

その一方で雇用などを考え、原発再稼働を望む声も少なくない。今回の文書漏えい問題をきっかけに規制庁幹部たちが示した態度は、どちらの立場の住民に対しても、原発行政に対する不信感を増大させたことは間違いない。

会田洋・柏崎市長は「今までと変わらないではないか、では信頼は得られない」。品田宏夫・刈羽村長は「再稼働にいい影響なんてあるはずがない」と語った。

福島第1原発の事故からまもなく2年。「再出発」を誓ったはずの規制委・庁に対し「ゼロどころかマイナスから信頼を築き直さねばならない」という声を原発の地元から今、再び上げねばならないのは、本当に残念だ。

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