原発のない社会をめざして そもそも福島原発事故は生態系に影響与えていないのか

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そもそも福島原発事故は生態系に影響与えていないのか

今回は、5月30日に放映された「そもそも総研」をご紹介いたします。



モーニングバード!_20130530「そもそも福島第一原... 投稿者 f100001780078629


【そもそも福島原発事故は生態系に影響与えていないのか】
2013年5月30日放送 そもそも総研

琉球大学理学部 大瀧丈二准教授: まずは事故直後、事故は3月11日ですので、その時点では蝶々はまだ幼虫の状態なんですが、冬を越している、冬越し状態ですね。ですけど春になって、5月になって大人になって成虫になって、蝶々となって飛び出してくるんですけど、その時が一番最初に影響を受けたチョウですので、まずはそれを採取に行くと、サンプリングに行く。そのあと、また我々は9月に行っていますけれども、その成虫を採ってきて沖縄の研究室に持ってきて飼育をして、子どもの世代、それから孫の世代にどういう影響があるのかというのを見た訳です。

調査した結果、ヤマトシジミには他には見られない異常が発見されたといいます。

大瀧: 例えば、一番ひどかったのは触角が二股に分かれているとかですね。他にも触角の異常は沢山ありますし、足先が形成不全になるとか、羽の模様の異常もそうですし、複眼の異常も見られますね。あとは、腫瘍みたいなものも見られましたね。

ヤマトシジミは一生が1カ月と大変短いので、5月から4カ月後の9月では4世代群となり、人間で言うとおよそ100年間の影響を調査したのと同じ事になると言います。9月の調査では、つくば市で採取したものの異常率は6.7%でしたが、福島市や本宮市は35%を超える高い異常率となりました。また、放射線量が高くなるにつれて異常固体の発生率が上がる傾向も明らかになったと言います。さらに採取してきた個体同士を交配させて生まれてきた子どもへの影響は無いのかを調べると…。

大瀧: 一言で申しますと、異常率や死亡率が子世代では上昇するという結果になっています。

神戸の個体に比べて、福島周辺の個体では明らかに異常値が高くなっているのが分かります。一方で、これらの結果が放射線の影響だとしても、外部的なものなのか、内部的なものなのかはわかりません。そこで大瀧準教授らは、内部被曝の影響を調べるため、福島など汚染レベルの異なる地域での草(カタバミ)を採集して、沖縄のヤマトシジミに食べさせる実験を行いました。結果を見てみると、汚染の量に伴って、異常率が上がっている事が分かります。山口県宇部市のえさを与えた場合6.2%なのに比べ、飯館村のえさを与えた場合は70%を超えることが明らかになりました。

大瀧: 総合的に考えてやはりこれは原発の影響かなというのが、一番妥当な結論ではないかと思いますね。これは、まあ、ヤマトシジミの場合ですので、人間にどのように当てはまるか、あるいはまったく当てはまらないのか、あるいは昆虫についてだけでもですね、他の昆虫にも当てはまるのか、やはりその辺は研究を続けていかないとわからない。ただ、少なくともヤマトシジミに関しては、それを食べるという事で、かなりの健康被害をもたらすという事が分かったという事ですね。

玉川: なるほど。今後はどういうふうな検証をされていくんですか?

大瀧: 最終的な証明というのは、遺伝子レベルで傷が付いているということを証明する事なんですね。遺伝子レベルで傷が付いていることを証明するという事は、現時点では我々は達成していないので、これからヤマトシジミの遺伝子配列を全て、ゲノムといわれるんですけれども、ゲノムをすべて読んでしまう事で、それと比較して、汚染地域のゲノムには違いが入っているかどうかという、そういう比較を行っていけば、この低線量被ばくで遺伝子に傷が入るという事を、実際に「この傷だ」みたいな感じで特定して証明することができると思います。


秋元信一教授 北海道大学農学研究院: 形態を詳しく調べてみたんですけど、卵から孵化したばかりの(アブラムシの)幼虫は、全体で13%ぐらいの個体が異常を持っていまして、この異常というのは他の地域と比較をしているんですが、非常に高いものです。統計的にも意味がある高い割合で異常が出ているという事が分かりました。

玉川: なるほど。どんな異常が出ていたんですか?

秋元: アブラムシのこの1齢の幼虫なんですけれども、例えばこれは一番典型的な例なんですけれども、お腹が二つに分かれてしまっていると。こういう例が見られました。これはまだ誰も見た事がないくらい、非常に珍しい、まれな変異です。それから、アブラムシの発生の研究をしている日本の研究者、アメリカの研究者に聞いても「こういった異常は見た事が無い」という事なので、「まず起こらないような変化」という事が言えると思います。

福島での異常率は13%という結果が出ましたが、他の地域はおよそ5%と、この差は統計的にも有意な数字だと秋元教授は語ります。さらに異常の度合いが高い個体が、30年間研究してきた1500匹の中でたった1匹しかいなかったものが、福島だけで4個体も見つかったというのです。果たしてこの原因は何なのでしょうか?

秋元: 突然変異を引き起こす原因というのはさまざまなものが知られています。化学物質もそうですし、それから放射性物質ですね。で、福島のこの地域はですね、計画的避難区域になっていまして、農業も2年間行われていませんし、何かそこで化学物質が撒かれたっていう事は非常に考えにくいですね。逆にこの地域は非常に放射線の汚染度は高い地域ですので、そういうふうに考えますと、やはり「放射線、放射性物質の影響で形態異常が生じてしまった」というふうに考えるのが、一番自然だろうというふうに考えています。

玉川: 一般的に、昆虫は放射線の影響を受けにくいと、つまり「放射線に強い生き物であるというふうに言われている」と聞いたんですが、(福島では)それほど強い放射線ではないですよね?

秋元: 福島では、その線量自体はそれほど高くはないんです。私が調べたところでは4マイクロシーベルト/時くらいですから、その線量で何か起こるという事は、ちょっと考えられないと思っていますが、放射線の降下物が土壌の表面ですとか、木の幹ですとかに付着した状態になっていると思います。そういう粒子状のものがですね、ごく近くに昆虫がそこにいると、局所的にその強い線量が当たるんじゃないかと、そんなふうに考えています。ですから全体的に全身の細胞がどうにかなるという事ではなくて、「一部だけの細胞がごく局所的にやられている」というふに私は考えています。

形態異常が表れているアブラムシですが、ヤマトシジミのような「次世代への遺伝性は無い」可能性があると秋元教授は言います

秋元: この個体はですね、非常に奇形度は高いんですけれども、ちゃんとこれは成虫にまで成長して、そしてちゃんと子どもを無事におなかの中で発育させていました。子どもをまだ産む前の段階だったんですけれども、その子どもの形状を見たところですね、これは正常のように見えました。ですから、こういう奇形的な変異が次の世代に伝わるか?っていうと、そうではないようです。ですからこれも、放射性物質が本当にピンポイントでこの個体の発生の時に異常を引き起こしたんですけれども、それは、生殖腺という次の世代の子どもたちの卵巣になる部分で、その細胞は傷つけていなかったという事が言えるだろうと思います。

秋元教授は、遺伝子レベルでも一部の領域で他のものとは大きく違う配列になっているということを突き止めていると言います。

秋元: 実際に福島で非常に形態異常の高かった個体を使って、ミトコンドリアのDNAを調べているんですが、福島ではこれまでに知られていない位、多様な変異が見つかってきていまして、これはまだ決定的ではないんですけれども、その原因が何であるのかという事を、これからもう少し沢山のデータを採って調べていきたいというふうに思っています。

玉川: テレビを見ている方は、「虫に影響があって、人間にももしかして影響があるってことですか?」っていうふうに思われる方が多いと思うんですよね。これに関してはどうですか?

秋元: この虫は、1mm以下の虫なんです。非常に小さい訳です。ですから、ほんの放射線の粒子というか、かけらやチリがそばにあるだけで、影響を受けやすいだろうと思うんです。人間は非常に巨大な生物ですから、ちょっと皮膚についても、それは炎症くらいにはなるかもしれませんけれど、アブラムシみたいな事にはなりません。ただし、同じ放射性物質がチリとして、風が吹けば埃として舞っていると思いますので、それを吸い込むとか、そういうことにはやはり注意が必要だとは思いますけれど、直接形態異常を引き起こすというふうなことは全くないと思います。

玉川: これ、いわゆる低線量被ばくですよね。虫に影響が出ているか出ていないかという事だと思うんですが、こういう研究というのは、どうなんですか?今まで、これから、今現在、行われているんですか?盛んに。

秋元: 肝心の生態学者がそれほど強い関心を示していなくてですね、組織だった調査を生態学者が本当に行うっていうのはまだ無いようです。いま非常に福島の放射線に汚染された地域で、人間はもちろん生態系にどういう影響を与えるかは、多くの方が関心を持ってるとは思うんですが…

玉川: なぜですか?絶対にそれ調べて欲しい事だと思うんですけど。

秋元: そうです。必要だと思います。まだほとんど研究を行うという動きが無いですね。皆さん自己規制をしているのか、こういう問題にあまりかかわりたくないっていう人が多いのではないかと思っています。琉球大学の大瀧先生と私だけなんです。この問題で生態学会で話をしたのは。

■スタジオ

玉川: これを調べようと思った時に、沖縄と北海道に私は取材に行っている訳ですよ。東北大学とか、東京大学とか、「なにやってるんだろう?」って思ったわけですよ。昆虫の生態を研究している人はいっぱい居るんですよ。で、昆虫だけじゃない。私は植物にも形態異常で関心があるんですけど、やっぱり取材では、それが放射線と結び付くのかどうか?ということをやっぱり証明できない訳です。だから研究者の方にやってもらうしかないんですけど、そういうことをやっている人っていうのは、ほぼいない。

で、環境省は、たとえば動植物にどれぐらい放射能が蓄積されているかというデータは取っています。しかし、それでどういう影響が出ているか?っていうふうなところまでは、ま、「門外漢だからできません」っていう事なんですよ。例えば人間への影響が心配だっていうことであれば、世代交代が短い、たとえばネズミみたいなものを採集して、それで、腫瘍とかが出来ているとか出来ていないかみたいなものをね、なんで調べないんだろう?と。これが非常に私は疑問で、もしか、「いやそんなことないよ、私もやってる、私もやってる」っていう方がいたら連絡下さい。そしたら私は取材に行きますので、こういう昆虫以外でも何でも、是非もっと盛んにやってほしい。

じゃないと、だんだん、だんだん放射線も消えてくわけですよね、半減期を過ぎていけば。で、その半減期の短いものなんかはもう、影響が無くなっているかもしれない。それから、「直後を調べる」という事がいかに大事な事の筈なのにと、本当に焦る気持ちなんですよね。

で、今日の結びなんですけど、「昆虫に起きていることは人間には“直ちには”起きないでしょう」と。これは政府が繰り返し使った言葉をあえて使わせていただきますが、しかしもっと盛んに研究がおこなわれないと安心できません。

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ウッドスタインさんへ

ウッドスタインさん、こんにちわ。

>このような研究はテーマがマイナー過ぎるから、よほど教授が興味を持った場合か、何か特別の依頼があった場合でなければ、着手しにくいだろう、とのことでした。

なるほど…。確かにあまり研究者にとって旨みがある話ではなさそうですものね。
「風評被害を煽る気か!」などとバッシングされる可能性もありますし、まあ仕方がないことではありますね。

稲わらからバイオエタノールのニュースは、私もチェックしていました。このコストの安さは素晴らしいですよね。

少し話はずれるかもしれませんが…原発事故の前まで、私は自然農でお米を作っていました。耕さず雑草だけ刈ってそれをマルチにして田植えをして、稲刈りをして脱穀をしたら“わら”は全部田んぼに返します。後は、冬の間に少しだけヌカを蒔くだけで毎年立派にお米がとれました。
今の慣行農法では、除草剤で雑草を生やさず、わらも余計なものとして捨ててしまうから土壌がやせてしまい、化学肥料を大量に導入しないとお米がとれない。なんとも悪循環のように私の目には写ります。
まあ…そんなわけで、本当はわらが邪魔になるような農法を見直す方がいいとは思うのですが、それでも現時点では価値がない“わら”に付加価値がつくのであれば、ウッドスタインさんがおっしゃるように休耕田の復活などにつながるかもしれませんから、これはぜひとも普及してほしいものだと思います。

ありがとうございました。合掌

No title

 放射性物質の動植物の生態に与える影響の研究ですが、生態学者が興味を示さないことについて、彼らが自己規制しているか、関わりになりたくないから実態調査が進まないのではないか、とのことだそうですね。もちろん、そういう側面もあるのかもしれません。ただ、少し違う分野ではありますがバイオ関連の研究をしている友人に、研究者としてこの件はどうなのかを尋ねてみたところ、このような研究はテーマがマイナー過ぎるから、よほど教授が興味を持った場合か、何か特別の依頼があった場合でなければ、着手しにくいだろう、とのことでした。もちろん、これがすべてを代表する意見ではないのですが、そういう見解もあるということです。

 ということで、ここからは別の話題。今回も、またもやバイオエタノールに関する話題です。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130530/biz13053015430031-n1.htm

 何が画期的かって、その製造コストの安さですね。現状は、100~150円(1リットル当たり)くらいですし、しかも硫酸や酵素も使用しなくていいということは、環境への負荷も軽減できるということになります。また、これで稲わらに価値が出てくる、ということになると、休耕田の復活なんてことも可能かもしれません。
 あと、バイオエタノールというと、精製過程でセシウムを除去できるシステムについて、以前紹介しました。今回のこの成果が、そのシステムとつなげられるかどうかはわかりませんが、少し夢の広がる話でもあります。
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