原発のない社会をめざして 米サンオノフレ原発が廃炉を決定―福島の教訓で変わる米原発事情

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米サンオノフレ原発が廃炉を決定―福島の教訓で変わる米原発事情

アメリカのカリフォルニア州にあるサンオノフレ原発の廃炉に関するニュースです。少し長いですが良い記事です。以下はウォールストリートジャーナルより転載です。








【米サンオノフレ原発が廃炉を決定―福島の教訓で変わる米原発事情】
ウォールストリートジャーナル 2013年6月21日


6月7日、カリフォルニア州最大の米電力会社、南カリフォルニア・エジソンは、水漏れ事故で昨年1月末以来稼働を停止していたサンオノフレ原子力発電所を廃炉にすると発表した。

水漏れは、三菱重工業が製造した2基のうち1基(3号機)の蒸気発生器の配管が損耗したことによる。だが、2号機の配管にも破損が見られたため、昨年1月9日から定期点検でストップしていた2号機も運転を見合わせていた。

再稼働をめぐって、米原子力規制委員会(NRC)は、関係者とのミーティングや公聴会を開いてきたが、市民団体や住民などの懸念や反対に応じる形で、調査が長期化。エジソンは、「これ以上不透明な状況が続くと、顧客や投資家などのためにならない」とし、今後、数十年をかけて廃炉にする決定を下した。同州の2つの原発のうち1つが、使命を終えることになる。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』によれば、廃炉のコストは、主に27億ドル(約2600億円)の廃炉信託基金でまかなわれるが、社員も約1100人がリストラされる。廃炉のコストとは別に、原発停止に伴う利益損失も巨額に上る。

一方、昨年6月には、三菱重工のコンピュータ分析のミスが、過度な配管の損耗を引き起こす設計上の不具合につながったという米規制当局の調査結果も出た。エジソンは、廃炉決定のプレスリリースで、三菱側に損害賠償請求の意向を示している。

サンオノフレ原発はサンディエゴとロサンゼルスの中間地点にあるが、ロサンゼルスの地元政治家も、この問題に取り組んできた。同市議会議員ポール・コレッツ氏は、本コラムの取材に対し、「南カリフォルニア・エジソンにとっては、非常に困難な決断だったことだろう」とコメントし、事故後の一連のエジソンやNRC、NRC傘下の原子力安全管理者免許委員会の対応を評価する。

同議員は、昨年12月、法定形式の公聴会など、しかるべき認可修正プロセスを経なければ、NRCは再稼働を認めるべきではないとする決議案を市議会に提出。議会は、決議案を可決していた。2基のうち1基の不具合を直して70%の出力で再稼働したいというエジソンの提案に対し、環境保護団体などが認可修正プロセスの厳格化をNRCに求めていたが、決議案は、それに沿ったものだった(『ロサンゼルス・タイムズ』2012年12月13日付電子版)。

「市議会は、状況を調査し、(議論に)加わることで、有権者に配慮するという任務を果たしてきた。われわれは、多くの要因のなかでも、ことさら住民の安全を案じている。われわれの意見が反映されて有難い」(コレッツ議員)。

サンオノフレ原発は、断層から近いこともあり、以前から小規模な反対運動が見られたが、福島の原発事故が追い風になり、「大勝利」(地元環境保護団体「フレンズ・オブ・ジ・アース」代表)につながった。カリフォルニアは、もともとリベラルで先進的な気風が強い土地柄で知られる。

決定の数日前(4日)には、反対運動の先頭に立ってきたフレンズ・オブ・ジ・アースなどの主催によりサンディエゴでシンポジウムが開かれ、管直人・元首相やグレゴリー・ヤツコNRC前委員長も出席している。筆者もライブストリームで見ていたが、日米報道陣や一般市民を前に、管氏は、福島の教訓をトツトツと語りながら脱原発を唱え、ヤツコ氏は米原発の規制強化を繰り返し訴えた。

ヤツコ前委員長いわく、「住民の避難が二度と必要にならないよう、『確率的な』方法ではなく、『絶対的な』方法で事故を防がねばならない」。同氏によれば、そうした厳しい基準を満たせるような原発の設計法はあるという。「難しいだろうし、コストもかかる。だが、われわれが最終的に作らねばならないのは、そうしたルールだ。」

とはいえ、福島の原発事故を教訓にした米原発安全強化のための改良コストは、スリーマイル島事故を上回ると見積もる専門家もいる一方で、「米原発業界には、『福島の事故は日本に限ったことで、米国には影響が及ばない』と考える向きも多い」(ヤツコ氏)。

コスト重視やNRCと原発業界の慣れあいがサンオノフレ原発の問題につながった、とみる専門家もいる。長年、米原子力業界で働いてきたコネチカット州在住の安全文化管理アドバイザー、デービッド・コリンズ氏も、その一人だ。

エジソンは、09年と10年にわたって、2号機と3号機に三菱重工製の蒸気発生器を設置したが、同氏によれば、細管の数や蒸気による振動設計など、それ以前の蒸気発生器とは大きく異なっており、単なる交換という扱いでは済まないものだった。その場合、NRCは、公聴会をはじめとする全面的な安全再審査を義務づけているが、交換・設置に当たって、そうした徹底的な調査は行われなかった。

5月28日付のAP電によれば、上院環境・公共事業委員長、バーバラ・ボクサー議員(民主、カリフォルニア州)は、04年に当時のエジソン幹部、ドワイト・E・ナン氏が三菱重工に宛てた書簡を入手。ナン氏は、手紙のなかで、新しい蒸気発生器の設計ミスの可能性を懸念し、より大型の蒸気発生器を交換・配置するプロセスに伴うリスクを十二分に把握するよう、三菱側に求めている。

「誤って蒸気発生器の設計に不具合が生じるようなことがあれば、容認しがたい影響を招く。そうなれば、われわれ双方にとって、悲惨な結果となる」

ナン氏は、05年にも三菱重工に対し、大型の蒸気発生器では配管におびただしい損耗が生じやすいなどの懸念を示した書簡を送っていた(同年、退職)。ボクサー議員は、米司法省に対し、エジソンがコスト削減のために全面的な安全審査を回避すべく、新しい蒸気発生器の変更点を最小化することで規制当局の判断を誤らせたとし、刑事捜査を求めている(エジソン側は否定)。

「エジソンがコスト削減で調査を回避したのであれば、住民の安全だけでなく、株主のためにもならない」と、コリンズ氏は指摘する。核燃料は安価でも、原発はO&M(運営・メンテナンス)が高くつく。特にシェール革命で他のエネルギー価格が下がっている今、原発の運営マネージャーには、未曽有のコスト削減圧力がかかっているという。

だからこそ、セーフティーカルチャー(安全文化)の担い手であるべきNRCの存在も、かつてないほど重要になっている。前出のシンポジウムで、デービッド・A・ブラッドフォード元NRC委員は、「日本と程度の差はあれ、業界と規制当局、政府との強い結びつきは米国にもある」と指摘したが、「NRCは、業界の意向に応じて規制の手を緩めることをやめなければならない。もっとしっかり監視すべきだ」(コリンズ氏)。

ひるがえって日本では、再稼働に向けた動きが本格化するなか、「原発事故による死者はいない」という政治家の発言が福島の人々の怒りを買い、発言撤回に追い込まれたと聞く。

折しも米国では、6月16-20日まで、ジョージア州アトランタで米原子力学会(ANS)の年次総会が開かれたが、テーマは「次世代原子力エネルギー――展望と課題」だった。日米の原発業界、規制当局、政府とも、福島の教訓を今一度胸にしっかりと刻むべきだ。

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