原発のない社会をめざして 国の政策で豊かな地下資源を“棄てた”日本

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

国の政策で豊かな地下資源を“棄てた”日本

JB PRESSというサイトに、地熱発電についての良い記事が載っていましたので転載いたします。以下…









【国の政策で豊かな地下資源を“棄てた”日本】
JB PRESS 2013年7月31日

週末版で「地熱発電が日本の総発電量の50%以上を賄える」可能性がある技術について触れた。これは特許が出願されたばかりの新しい技術であり、実現にはしばらく時間がかかる。しかし、日本が本気でエネルギーの海外依存度を下げる(原発も燃料は100%海外依存)つもりならば、技術開発が加速して実現までの期間もコストも大幅に下がる可能性がある。

なぜなら、日本は世界で最も地熱発電に適した地域の1つであるにもかかわらず、ある時を境にして地熱発電への熱を一気に冷やし世界一の技術を放置し続けてきたからだ。その結果、世界のトップを走っていた技術のいくつかで海外勢に追い越されてしまった。

しかし、米国のシェールガス革命によって新しい掘削技術などが次々と開発されている。そうした環境変化の中でこそ日本の高い技術力は生きるわけで、あとは本気で取り組むかどうかである。

2011年3月11日の福島第一原子力発電所の事故をきっかけに、再び地熱発電に対する関心が高まり始めているのは好ましい兆候である。そして規制緩和によって、実際に事業参入する企業も増え始めた。

今回は、前回紹介した延性帯涵養地熱発電の考案者である弘前大学の村岡洋文教授(北日本新エネルギー研究所長)のお話や資料を基に、日本における地熱発電の歴史と海外の状況について簡単に振り返ってみたい。

■地熱発電の失われた15年

日本経済に失われた15年、20年という言葉があるように地熱発電にも「失われた15年があるんですよ」と村岡教授は言う。バブル崩壊からデフレへ経済が向かうのとほぼ軌を一にして日本の地熱発電は停滞を始める。それまで順調に発電量が伸びてきた地熱発電は、1994年に54万キロワットに達すると、全く発電量は増えなくなった。

一方で、地熱発電に関する国の予算は急速にしぼんでいく。1997年には新エネルギー法(新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法)が成立し、太陽光発電や風力発電と肩を並べていた地熱発電は新エネルギーのカテゴリーから外されてしまった。そして2002年、ついに地熱発電に関する研究開発予算はストップされてしまう。

研究開発の大きな拠点の1つだったつくば市にある産業技術総合研究所(産総研)では、地熱発電に関係する研究部門が5つあったのが次々と閉鎖され、最後には研究員が4人の小さな部門だけに集約された。その最後に残った部門の研究リーダーだったのが、現在の村岡洋文・弘前大学教授である。

「当時、地熱の研究部門は潰してしまえという方針だったと思います。とにかく予算をどんどん削られて、何にも研究できなくなってしまった。それでも細々と研究は続けていたのですが、予算がかからない低温の温泉発電に特化するような形でした」「それにしても、福島第一原発の事故が起きた後の今となって考えれば、苦しい中で研究グループをたった1つでも残しておけたのは不幸中の幸いでした」

2度の石油危機を経験してエネルギーの自給率を少しでも上げようと進められたサンシャイン計画とそれに続くニューサンシャイン計画によって、太陽光や風力、波力、地熱発電など自然エネルギーを利用した発電に力を入れ始めた日本だが、2000年にプロジェクトが終わると、日本のエネルギー政策はほぼ原発一本槍に進み始めたわけである。中でも最も割を食わされたのが地熱発電だった。

■世界は地熱発電に大きく舵を切った

一方で、世界に目を転じると全く別の視界が開けてくる。地熱発電にあまり適していない国までが地熱発電の研究に力を入れ始める。日本は世界の趨勢と全く逆の歩みを始めたのだ。

まず米国ではバラク・オバマ大統領が2008年に就任するや否や自然エネルギーに対する研究開発に本腰を入れ始めた。地熱発電に関しての研究開発予算は、2007年に500万ドル、2008年が4300万ドルだったが、2009年には一気に3億3800万ドル(1ドル100円換算で338億円)に増やした。

村岡教授は「今や地熱発電に関しては米国がトップランナーです。日本はサンシャイン計画時のピークですらせいぜい100億円ちょっとの予算でした。予算が全くなくなった現在では比較のしようがないほど圧倒的な差をつけられています」と話す。

日本政府の方針が原発優先ならもちろん電力会社も動かない。それに、国からたっぷりと補助金をもらい、放射性廃棄物についても国任せでほとんど考えてこなかった日本の電力会社にとって、原発以外の発電設備は「金のなる木」には見えなかった。いくら地下に資源があっても地熱発電を真剣に考えなかったのも仕方がないと言えば仕方がないことなのだろう。

東京電力は唯一の地熱発電所を伊豆七島の八丈島に持っている。1999年から運用を始めているが、東京から290キロも離れた離島であり、地下に豊富な水源があるという条件があってのことだ。電力自由化が進んでいる国と全く進んでいない国の差が地熱発電の開発に決定的に表れていると言っていいだろう。

例えば、米国同様に自由化の進んだドイツでは、日本と比べて圧倒的に地熱資源が乏しいにもかかわらず、現在5つの地熱発電所が稼働している。その中で2007年に運転を始めたランキンサイクルとカリーナサイクルの2つの発電所では、それぞれ3.3キロ、3.4キロという非常に深い地層まで掘削しても得られた温水の温度は摂氏150度と120度でしかなかった。

■都市近郊に発電所の整備を進めるドイツ

弘前大学の村岡教授は「火山国である日本の場合だったら1.5キロとか2キロも掘ればその程度の温水は得られます。もしドイツのように3.4キロまで深く掘ったとしたら、500度以上の熱水が出てくる場所もあるでしょう」と言う。日本より圧倒的に不利な条件でも地熱発電を進めているのである。電力の地産地消の考え方も徹底していて、ドイツの地熱発電所はミュンヘンなどの都市郊外に多くが建設されている。

村岡教授によると、環境にも非常に配慮され発電所から出る騒音レベルはわずか32デシベル程度だという。発電所のそばにいても聞こえるのは遠くに走るアウトバーンを自動車が走る騒音ばかりだそうだ。このほか、火山大国のインドネシアもこのところ急速に地熱発電に力を入れ始めている。2005年には地熱発電のロードマップが制定され、今から12年後の2025年には950万キロワットもの発電設備を稼働させる考えだ。

これは7基の原子炉を保有する日本最大の原子力発電所、新潟県にある東京電力柏崎刈羽原子力発電所の総出力(821.2万キロワット)を超える。村岡教授は「急激にエネルギー消費が増え始めたインドネシアも地熱発電には切実なニーズがあって取り組んでいる」と言う。

そして村岡教授が最も関心を寄せるのがアイスランドである。かつて石炭を燃やして暖房にしていたアイスランドはどす黒いスモッグが垂れ込め、国民の多くが健康被害を受けていた。しかし、今や世界一の再生可能エネルギー大国となり、全消費エネルギーに占める再生可能エネルギーの割合は85%にも達する。そのうち66%を地熱エネルギーが担っている。さらに地熱発電で得られた温水を全家庭の90%に供給し、地域暖房も大半を地熱で賄っている。

地熱発電の総発電量は57万5000キロワットに迫り、すでに日本の54万キロワットを超えた。人口わずか32万人の国の発電量が1億2800万人の日本より大きいのである。

アイスランドの人口1人当たり国内総生産(GDP)は日本とほぼ同じで約4万ドル。リーマン・ショックで真っ先に大きな痛手を受けたが、エネルギー自給ができていることは大きな強みだった。地熱がアイスランドに豊かな生活をもたらしていると言っても過言ではない。

アベノミクスによって、失われた15年のデフレ経済から脱却しようとしている今、エネルギーでも失われた15年から脱却すべき時が来たのではないだろうか。次回は地熱発電の技術革新について触れたい。

人気ブログランキングへ
↑原発を止めたい方 クリックをお願いします↑
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

海空居士

Author:海空居士
当ブログはリンクフリーです。トラックバックや転載等もご自由に。
コメントも大歓迎です。興味深い情報があれば教えてくださるとありがたいです。
ツイッターもやっています。フォローやリツイートもしてくださったら嬉しいです。
心ある人達の連携で、なんとか危険な原発を止めましょう。どうぞよろしくお願いします。

カウンター
カテゴリ
最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
月別アーカイブ
原発関係リンク
お世話になっているサイト
最新トラックバック
ツイッター
RSSリンクの表示
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。