原発のない社会をめざして アナログが体感生む 原寸大で福島原発を表現 宮本佳明さん(建築家)

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アナログが体感生む 原寸大で福島原発を表現 宮本佳明さん(建築家)

名古屋市などで十日から開幕される国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2013」に、建築家の宮本佳明(かつひろ)さんという方が、原寸大で福島第一原発を表現して出展しているのだそうです。機会があればぜひ見てみたいと思いました。以下は東京新聞より転載です。









【アナログが体感生む 原寸大で福島原発を表現 宮本佳明さん(建築家)】
東京新聞 2013年8月10日

名古屋市の中心街にある愛知芸術文化センターの床や壁、天井に、黄や赤色のテープを貼った。地下二階から地上十階までの空間を“貫く”。

「最近、名古屋に何をしに行ってるのかと聞かれれば、原発の図面を書きに行っている、と答えている」。兵庫県宝塚市に事務所を構える建築家の宮本佳明(かつひろ)さん(52)は、名古屋市などで十日開幕の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2013」に「福島第一さかえ原発」を出展した。一分の一スケール、つまり原寸大で福島第一原発を表現したのだ。会場の同センターには原子炉建屋が一つすっぽりと入る計算。「ふだんの建築も原寸で設計する。原発を体で感じてもらうには、やはり原寸だと思った」と狙いを話す。

芸術祭のテーマは「揺れる大地」。そこに建築家として臨む。「岩手、宮城は何とか道筋が見えてきたが、福島は建築家個人として何もできない」との思いが出発点。「この場所ならではのことをやろうと。そしてアーティストではなく、建築家でなければやらないことを意識した」

緊張もある。「福島から避難してきた人が見たら、決していい気分ではないだろうし、怒りだす人もいるかもしれない」。それでも出展するのは、被災地から離れた人たちにも原発という存在を体感してもらうためだ。

宮本さんは東日本大震災後、「福島第一原発神社」という提案も模型にして発表した。事故を起こした原発に大型の和風屋根をかぶせて神社に見立てる。そうすることで、原発が近寄り難い、人間に対して荒ぶる存在だと明示する。着想を得たのは、山形県米沢市にある上杉謙信を中心とした上杉家十二代の墓所。横一列に廟(びょう)堂が並ぶ光景の「怖い感じ」が原発に似ていると思ったという。「今でも本気でこの方法しかないのではと思っている。廃炉は簡単にはいかない。技術開発もこれから。廃炉できたとしても放射性廃棄物を引き受ける場所がない」。万年単位で、原発を「見守る」必要があると指摘する。

宮本さんが震災と向き合うのは、これが初めてではない。一九九五年の阪神大震災で被災し「全壊」の判定を受けた築百年の生家を、二年後に「ゼンカイハウス」として修復した。ただ「ずっと震災に取り組み続けたわけじゃない。もう一度あるとは思っていなかったから」。二〇一一年三月の東日本大震災後は、岩手県釜石市や宮城県石巻市などをたびたび訪れた。釜石市では津波に流された旅館「宝来館」の復興を手伝った。

阪神と東日本とでは、受けた印象が違ったという。「阪神は自分が知っている街なので、震災の前と後を比べてしまう。建築物がなくなったのに地形は残っている。その時は地形に対する信頼がすごく増した。地形は強いなあと思った」と当時を振り返る。

一方の東日本は震災前を知らない土地。まず目に入ったのは大地を覆い尽くした、がれきだった。「地震で倒れたものと津波で流されたものでは、がれきのあり方が違った。鉄骨がねじ切れるなんて初めて見た」。がれきが撤去された後に広がったのは更地。「何にもなくなってしまった」というのが率直な思いだった。

せめて建物の基礎を残そうと考えたのは、やはり建築家だからか。基礎を花壇にすることを思い付いた。「家を流された人に、もとあった場所を案内してもらうと、多くの人は『ここが玄関で、ここは居間、ここは台所』と説明してくれた」。残された基礎が、人の記憶とつながっていると感じた。「記憶の問題を扱うときに気を付けなきゃいけないことがある。民宿の上に乗った遊覧船を撤去するかしないかという議論があった。あれは震災の記録。僕が言うのは、震災前の生活の記憶。これはごっちゃにせず別に考えるべきだ。もちろん震災の記憶も重要だが、それより人の生きてきた証しを残したいと思った」

「ゼンカイハウス」からおよそ十五年。「建築というのは、そうとう難しい作業だと、この年になって分かってきた」と語る。「関わる人の種類と、関わる材料の両方が多い。建築は自分ではつくれない。大工さんに内容を説明する。施主さんに納得してもらうよう説得する。ほとんどはコミュニケーション」。トリエンナーレへの出展作も、ボランティアが実際にテープを貼る作業をしていった。「建築って、アナログでしかつくれない」。原寸大、アナログ。そこには建築家としての信条がある。

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