原発のない社会をめざして 小泉元首相が原発について語る(動画、全文書き起こし)

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小泉元首相が原発について語る(動画、全文書き起こし)

小泉さんが「脱原発」について語っている良い動画を見つけました。この元政治家を好きか嫌いかは別として、極めて筋の通ったことを言っていると思います。15~16分の動画なので、できれば直接ごらんいただきたいと思いますが、いちおう文字に書き起こしてみました。



私はね、総理大臣の時は原発推進派でした。今それをね、推進論者から批判されているんです。「総理大臣のときに、推進しろと言っていたじゃないか。辞めたらなんでゼロにするなんて言っているんだ」。人間の考えは変わるということを、分かっていないんですよ。『過ちては改むるに憚(はばか)ることなかれ』と論語にあるじゃないですか。

私は、3.11、2年前の大震災の前は、原子力の知識はそんなにありませんでしたから。専門家に意見を聞いても、理解できるような原子力の知識はありませんよ。今でもほとんどの政治家はそうですよ。具体的な、技術的な知識のある政治家なんて、ほんの一握りです。分からないなら、分かっている人に聞いたほうがいいでしょう。だから、「原子力はCO2を出さない、安全でクリーンなんです。地球温暖化阻止に絶対必要なんだ。しかも、他のエネルギーに比べて、一番コストが安いんだ。太陽光、風力、こんなの微々たるものだ」。これを信じていたんですね。

ところがあの事故を見て、「本当なのか」と自分なりに勉強しましたよ。安全だったのか、コストは安いのか、自分なりに調べますよね。ところが、勉強すればするほど、おかしいなと。確かにCO2は出さないけれども。あの事故を見て、当時の民主党総理大臣だった野田さんが「福島の原発事故は収束した」という収束宣言をしたんです。あの当時も、今も、事故の内部の状況がわかっていないんですよ。ロボットも入れない。もちろん人間も入れない。どうしてああいう形で事故が収束したのか。まず疑問に思いましたね。

で、いろんな書物を読んだり、専門家の意見を聞いたり、推進論者からも意見を聞いているうちに、「おかしいんじゃないのか。コストが安いか? あの原発の立地、建設するためにどれだけの税金を投入したのか。住民から了解を得るために、どれだけの税金をその地域の住民に与えていたのか」そういうことを考えているとね、安全でもないし。コストも一番安いなんて言うのは違うんじゃないか。今ではもう、原発は安全でもない。コストは他のエネルギーよりももっとかかるというのが、分かるようになりました。

だからあの事故が起こってから、原発は卒業して、他の自然を資源にしたエネルギー政策を担っていくべきだと、そういう主張を今より2年ぐらい前に、講演を頼まれると話したんです。ところが最近ね、テレビや新聞で報道されるようになった。言っていることは前と同じなんですよ。当時だって私は、講演を頼まれた際には、自分が「記者を入れるな」と、ひとことも言ったこともない。主催者に任せていた。テレビや新聞が入っていても、全然報道しなかったんですよ。

ところが、最近ですね。8月の26日ですか。毎日新聞の記者が、私がフィンランドのオンカロを見た話を短い記事にまとめました。それからですね。マスメディアが注目しだして、私が出ていないのに勝手に映像で放映して出している。「小泉さん、最近良くテレビに出てますね」って、私は一度もでていないんですよ。テレビが映像を流して写しているだけなの。私は総理をやめてからテレビ出演したことは一回もない。そういうもんですよね。

最近私もよくね、私を批判している記事を読むんです。「原発ゼロは無責任だ」と書いてあるんですよ。その、ゼロの発言への批判はいくつかあるんですが、代表的なのが「原発ゼロは、楽観的で無責任だ」というもの。「代替策を示さないで、そんな、ゼロだけ言うのは、元首相をやった人だとは思えない。推進していたじゃないか」。だから、さっき言ったように、『過ちは改むるに憚(はばか)ることなかれ』なんです。

しかもね、大事なのは方針を出すことなんです。政治で。技術的なことは、専門家に任せてもね。「これからも原発を推進するか、ゼロにするか」これは大方針なんです。政治しか決められないんです。決めれば、ゼロにするという専門家・有志はたくさんいますよ。そういう人たちを集めて、何年かかってもゼロにするんですよ。

原発をゼロにするにしても、廃炉にするにしても、40年、50年かかる。技術者も確保していかなければならない。その技術者を養成したり確保したりするには、どういう政策をとったら良いか。原発がなくなったら、その地域の仕事がなくなっちゃう。それをどうするか。新しい代替エネルギーにしても、原発で雇用を失った人達にどういう雇用策が必要か。そういうのは、知見のある人がいっぱいいますから、そういう人達の集まる会議を作って、ゼロにする方策を決めていくのが一番いい。みんな提案持っていますから。それぞれの専門を持っていますから、議論していけば必ずいい案が出る。

そして、様々な、原発に変わる再生可能エネルギー、自然を資源にしたエネルギーに対する知見を、どんなふうに投入していくのが良いのか、電力料金を下げるにはどういう競争政策をとれば良いか。原発に金使うよりも、そっちの方に行ったほうが、原発ゼロでもやっていける。そして、「原発をやめれば、CO2、石炭なり石油を使って、また排出量が増えていく、温暖化の防止には役立たないよ」という人がいますけどね、日本の企業は進んでいますよ。

ちょっと前まで、「太陽光なんて太陽が陰ったらダメだ、風力なんて風が吹かなかったらダメだ」と言われましたけれど、今は蓄電技術が進んできたじゃないですか。日本はかつては「自動車から排気ガスが大量にCO2を出すからダメだ」と、今や石油ショック以来、世界一厳しい排出基準を作って、世界は、「日本の車は環境にいい、故障しない、アフターケアもいい。買うときはちょっと高いけど、燃費もいい」と、それこそ世界で売れているじゃないですか。ピンチをチャンスに変えちゃったんですよ。あの石油ショックがあったから、日本は環境先進国への道を遂げようとし、そして石油の依存度を下げて、厳しい環境先進国になった。

そのCO2を出さない役割を果たしてくれたのは、原子力発電があったんですけれども、今度は原子力発電はCO2よりももっと危険なものを出すかもしれない。放射能。これを両方これから、原発をゼロにしていかなきゃいけない、化石燃料の依存度も下げていかなけりゃいけない。そして、自然界にある資源を、エネルギー源に使っていこうという、壮大な夢に向かって、天が与えたピンチをチャンスにかえなければいけないと思います。

もう一つの私への批判。処分場が見つからない。推進論者も問題の核心は分かっているんですね。問題は、最終処分場の建設のめどが立たないことなんです。ここが問題だと言っているんです。ここまでは私も一緒なんです。それからが違う。処分場建設の目処がつかないということではなくて、これからの問題は、処分場のめどを付けるのが政治の責任だと言っているんです。私は、処分場の建設の目処がつかないからムリだ、ゼロにしろと言っているんですよ。

処分場の目処を付けるのが政治の責任だと、推進論者は言う。しかし、もう、いかに処分場を作るかということは、技術的には決着しているんですよ。10年以上前に。あの福島の原発事故が起こる前に、処分場を作ろうって言っても作れなかったじゃないですか。それは住民の反対ですよ。住民が反対して、手も付けられない。事故る前から住民が理解もしてくれない、OKもしてくれない。事故が起こった後、どうやって集まるんですか。

政治の責任だ?そんなことに莫大なエネルギーと資金を使うんだったら、国民が協力できる、自然を資源にした様々なエネルギー源を開発するために、様々な資金を使ったほうがいいんじゃないかというのが、私の主張なんですよ。一見同じように見えて違いますよ。それは判断の問題なんですよ。

どんなに強い主導者が現れても、住民の反対を無視して、10万年も保管しなきゃならない処分場ができると思いますか。「処分場を作ることができるんだ、それを政治が進めろ」というのはムリ。そんなところにエネルギーとか金とか使うなら、もっと夢がある、世界が日本をモデルにするような、環境にも優しい、無限にある自然にやさしい資源を、エネルギーに変えていこうと、こういう方向に向かうのか、今、大きな岐路ですよ。

私はね、福島の事故前から、処分場の目処をつけようと思うのにつけられない、そういう事実があるのにもかかわらず、この事故があった後も、その目処をつければ原発はやっていけるんだ、やらなきゃダメなんだという、そう考えるほうが、楽観的で無責任じゃないかと思うんです。政治に課題はいつでもある。それに向かって解決を考えていかなきゃいけない。原発ゼロにするというのは、方針の大転換ですから。

ですが、この大転換は、夢のある事業だと思いますよ。「絶対に、この洞窟を開けてはいけない」そういうものを作るよりも、無限にある自然をエネルギーにする、世界に羽ばたく国にしようというほうが、夢があると思いますよね。そっちに向かって、やり直すべきじゃないかと。あんまりね、原発にこだわらない方がいい。固定観念を持たない方がいい。

「原発が必要だ、原発をなくせば、経済成長できなくなる」、そうじゃないんです。競争政策をとれば、日本の企業も協力してくれてね、様々なエネルギーが出てきます。そっちの方に向かって、今、方向のかじを切るべきだというふうに思います。これからそれが実現するかどうか、まだわかりませんけれど、私も今までの考えを変えたって批判されていますけれどもね、いい方向に変えてきたなと、自分なりに思っています。

もうちょっとね、生きていくことができると思いますので、なんとか原発ゼロの、自然を資源にした国家建設に向かって、自分なりにできることで、頑張っていこうかなと思っております。

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MATZ-TSさんへ

MATZ-TSさん、おはようございます。
小泉さんのことを好き嫌いは別として、今回はまったく正論ですよね。
でも、カネという話が間に挟まると、正論が正論として通らない。
本当にこの世の中はどうなってしまっているのでしょうね?

ふと、以前…拙ブログで紹介をした浜田省吾さんの歌を思い出しました。
http://stopatomicenergy.blog59.fc2.com/blog-entry-1197.html

昨日の絵具で 破れたキャンバスに
明日を描く 愚かな人
売れるものなら どんなものでも売る
それを支える 欲望
恐れを知らぬ 自惚れた人は
宇宙の力を 悪魔に変えた

すごい歌詞ですよね!
原発ムラの方達はこういう歌を聴いてどう思うのですかね?
ゼニカネの話をする前に、まず常識的な人間であってほしいものです。

しかし、この小泉発言に対する政府の狼狽ぶりを見ても、
少しは面白い状況になってきたと言えますかね?
このような流れから発展して、さらにいろんな人たちが声を上げてくれるといいですね。

特定機密保持法。確かにこれも非常に怖い流れだと思います。
拙ブログでもこの問題を取り上げて、微力ながら反対の声を上げ続けるつもりです。
いつも的確なコメントをありがとうございます。合掌

No title

MATZ-TSです。こんばんは。 

正論です、全く。 しかし、残念ながら小泉さんの正論より、今の権益が大事と思う人の力が強い。自民党の圧倒的多数は、無力感を覚えさせます。個人的には、共感する議員さんも多いのだと思いますが、議席の確保を考えると、つい当面の利益誘導に走る・・・

しかし、村からでも地方都市からでも、やればできる、というモデルで、実績で示していけば、ひょっとするとベクトルは変わるかも知れない。そして、それを支援してくれる議員も増えていくかも知れない。

特定機密保持法、これは、そのような流れを作ろうとすることを封じ込める危険のある法案。今は、この方が危険、という気がしています。

日本をよい方向に変えようという流れを止めてしまう危険がある。

・・・と思います。

Re: zasikiさんへ

> zasikiさん、コメントをありがとうございます。
>
> >政局的に革新勢力が反原発で伸びないように小泉が反原発を訴えている
>
> はい。そのような見方があることは私も知っています。
> ただ、それなら自民党圧勝で政権運営が極めて盤石な今、
> あえてそのような布石を打つ必要があるのだろうかという疑問もありますね。
>
> また、同時にこのような憶測もあるようです。
> http://stopatomicenergy.blog59.fc2.com/blog-entry-1406.html
> 小泉氏のパトロンである元経団連会長の奥田碩氏はトヨタ系ですから、
> ライバルの日産が、原発再稼働→電気自動車の普及→トヨタの水素自動車の負け
> という構図にならないように圧力をかけているのだと…
>
> さらには、米国からのシェールガスに絡んだ利権を狙っている勢力が、
> 小泉さんを後ろから焚きつけているという説もあるようで、
> こうなると…もうよくわからない世界ですよね(笑)
>
> ただ、この流れは決して「脱原発」に不利ではないと思います。
> 巷の世間話での反応を見ていても…
> 「あの小泉さんが原発なしでも大丈夫って言ってるんだから」
> という声を少しずつ聞くようになってきました。
> 私も、小泉氏の“新自由主義経済”については、まったく評価をしていませんが、
> この「脱原発宣言」についてだけは、十分に利用価値があるものと考えています。
>
> ありがとうございました。合掌

No title

夫は小泉の発言の真意は政局的に革新勢力が反原発で
伸びないように小泉が反原発を訴えていると行っています
ただ原発促進の根本はアメリカの金儲けと結びついているし
小泉政権で経済格差が生まれ若者の貧困など今の日本の
経済が成り立っているので反原発の言葉は信用性がどうかと
思ってしまいます 
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