原発のない社会をめざして 「脱原発」を唱える小泉元首相は"愛嬌のある田舎ヤクザ"に見えてくる

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「脱原発」を唱える小泉元首相は"愛嬌のある田舎ヤクザ"に見えてくる

現代ビジネスの、山崎元「ニュースの深層」に、なかなか面白い記事がありましたので転載いたします。以下…








【「脱原発」を唱える小泉元首相は"愛嬌のある田舎ヤクザ"に見えてくる】
現代ビジネス 2013年11月06日

議員を引退してから、政治的には静かにしていた小泉純一郎元首相が、ここのところ「脱原発」を訴えて話題を集めている。

かつて、小泉政権は原発を推進していたはずだが、今、その本人に「人間は、意見が変わることがある」と言われると、かえって「脱原発」に対する説得力が増す。引退後も人気のある小泉氏が、脱原発陣営に加わったことに対して、意外感を持ちながらも歓迎する向きは少なくない。

他方、与党内や原発に好意的な人々の間では、原発を稼働しないことに対して、主に経済的な損失を強調して、大筋では政界を引退したはずの小泉氏が、原発問題に口を出すことを、「無責任だ」と批判する声がある。

■小泉純一郎氏は冴えているのか勘が狂ったのか

脱原発の主張に関して、小泉氏の「真意」や「目的」が奈辺にあるのかは分からない。しかし、小泉氏の子息であり、将来の首相候補とも目される小泉進次郞復興担当政務官にとっての損得はどうなのかという点でも、小泉純一郎氏の「脱原発」の言動は関心を呼ぶ。

今、脱原発の旗を上げることについて、小泉純一郎氏は、冴えているのだろうか、或いは、加齢等によって勘が狂っただけなのだろうか。筆者は、9割方、今回の小泉純一郎氏が「冴えている!」と思っている(残りの1割については、末尾で説明する)。

考えてみると、「脱原発」は、小泉氏が現役政治家時代に長年旗印として掲げた「郵政民営化」によく似ている。先ず、「賛成か・反対か」という問いに対する世論の多数は、当時の「郵政民営化」に対してと同様に「脱原発」が多数派だ。小泉氏に対しては、常に人気取りの「ポピュリスト」だ、という批判があるが、それが有効であれば、同時に力となるのが民主主義の仕組みだ。

一方、与党政治家の多数と行政の当面の主流は「郵政民営化」にも、「脱原発」にも反対だ。この構図も、小泉氏には有利だ。原発推進派の人々の多くは、いわゆる「原発ムラ」と呼ばれる原発に関連するビジネスに関連する人々と共通の利害を持っている。まだ小泉氏自身はそこまでやっていないが、彼らを、汚い既得権者達だと批判することはたやすい。

■原発ムラを「抵抗勢力」とし小泉劇場は再演可能

今、「脱原発」は、政府の本流と対立する「反主流」のポジションにいる。そして、相手側は、与党と既得権の側、つまり、大衆が「あいつらは有利なポジションにいる」と思っているような既得権益層であり、小泉氏は「共感を買いやすい」側に立っている。このポジション取りは、彼の全盛期と同じだ。その気になれば、原発ムラを「抵抗勢力」と仕立てて小泉劇場の再演が可能なのだ。

しかも、今回の小泉氏は、現時点で「単なる、反対!」ではなく、世論の多数の賛成をバックに持っている。これは、実は、攻め続けるとしても、条件を付けて撤退するとしても、有利な条件だ。

加えて、ここが、小泉純一郎氏独特の方法論の一つだが、彼は、「政治家こそが脱原発を方針として提示すべきだ」と「方針」を言うだけで、具体的な年限や条件を法案化して、今決着しようとするのではない。彼は、現在、具体的な法案等を掲げて、原子力ムラと直接対決しているわけではない。

権力を強く掌握していたように見えた小泉政権時代における看板政策であった郵政民営化でさえも、詳細な実行は官僚に委ねて(当時も「丸投げ」という言葉があった)、しかも、完成(日本郵政株の売却)を自分の任期の後に送ることを許した。既得権層と結びついた官僚のしぶとさを知っていれば、「郵政民営化の具体化」が何としても実現すべき至上の目的であれば決して許さないような「緩さ」であったが、これが、良くも悪くも彼の流儀なのだ。

今に至るも日本郵政の株式を売り出すことが出来ず、日本郵政が普通の会社になっていない現状を、郵政民営化の成功とはとても呼べない。率直に言って、政策としての郵政民営化は、実行面に於いては、不出来だった。だが、小泉純一郎氏個人としては、自分がスポットライトを浴びていた時に、郵政民営化を「自分が進めた」形ができれば、それで良かったのだろう(と、筆者は推測する)。

■構造改革に不可欠な人事制度は改変は先送りにしていた

また、小泉純一郎氏の政策の理念は「構造改革」だったが、構造改革を実現するために最も重要なポイントは、公務員の人事制度だった。しかし、小泉氏は、圧倒的な支持率を持っていたにも関わらず、自分の政権時代にはこの問題には正面から取り組まず、後を継いだ第一次安倍政権にこの問題を先送りした。この問題に関する官僚の抵抗のすさまじさが予想できたからだろう。

個人としての小泉純一郎氏の真骨頂は、負ける喧嘩をしない、あるいは、負けてもいい喧嘩しかしない、という「勘」の良さにあったと思う。

彼は、個々に戦うと勝つことができそうな相手である、自民党内の当時の守旧派(国民の人気が離れていた)や、郵政官僚(財務官僚ほど権限と力がない)、郵便局の票田を当てにしている政治家(それ以外には不人気)に対しては強く出たが、強力な官庁である財務省とは戦わなかったし、公務員の人事制度に手を着けて霞ヶ関全体を敵に回すようなことはしなかった。

筆者個人の感想だが、小泉純一郎氏は、あたかも「勘のいい田舎のヤクザ」のように、負けたら困る喧嘩を避けつつも、戦うポーズを取りながら人気取りが出来る愛嬌を持ち合わせた人物なのだ。政治家としての可否はともかく、ビジネスパーソンには手本になり得る処世術だ。

さて、前回の「郵政民営化」は、小泉純一郎氏個人としては、十二分の利用価値があったと思うが、今回の「脱原発」はどうなのだろうか。

■電力が足りていることが「脱原発」を有利にする

今回が、前回よりも有利なのは、今現在、日本の原発が全て稼働していない状態にあって、それでも、電力が足りているという状況にあることだ。今夏の節電要請は厳しいものでは無かったし、これから来る冬の節電についても、今のところ、それほど厳しい条件は要請されていない。日本では、「脱原発」なのか、「原発維持」なのか、「原発推進」なのか、議論は分かれているが、現状で、全ての原発の稼働が停止しているということは、なかなか画期的なことだ。

もちろん、化石燃料の輸入のコストは嵩んでいるし、これが電力料金に反映してもいる。しかし、当面、原発稼働ゼロが達成されているということの説得力は大きい。「脱原発」は、「親原発」よりも高く付くのかも知れないが、端的にいって、少々のお金で買える現実的な選択肢なのだ。

また、「脱原発」という大方針が決まれば、原子力以外の発電技術や、蓄電や所謂スマート・グリッドをはじめとする電力マネジメント技術が発展することも事実だろう。「発電に原子力も混ぜる方が経済的だ」という議論は十分可能なのだろうが、「原発無しでも十分何とかなる」という議論にもリアリティがあり、しかも、後者の議論には「夢」が伴う。「脱原発」は政治的に極めて優れたメッセージだ。

それでは、息子の小泉進次郞氏への影響はどうなのだろうか。

■仕掛けるか否かの主導権は小泉親子の側にある

先ずこの問題は、父親である小泉純一郎氏が、現状の原子力政策の変更に「具体的な」変化を求めない限り、当面、直接的な問題にはならないだろう。原子力ムラは、小泉純一郎氏を相手にしても得にならない。人々の関心が脱原発に向かうだけだ。つまり、仕掛けるか否かの主導権は小泉親子の側にある。

小泉進次郞氏としては、今後、「父の言う通り、原発はゼロがいい」という旗印を立てて親原発の勢力を対立勢力に仕立てることが、オプションとして、いつでも可能だ。この旗印は、国民の人気を取るにあたって悪くないし、政界再編の触媒にも使える。

他方、現在の主流派が進次郞氏を担ぐなら、「当面、原発ゼロは、現実的でないのです」と国民に説得する立場を取って、恩を売ることもできる。これは、同時に「反原発」を売り渡すことでもあるが、小泉進次郞氏にとっては、今後使うことが出来る有力なカードの一つだ。原子力ムラの側から見ても、非常に利用価値が大きい。

息子の進次郞氏に、自民党全体を相手にできる交渉力のあるカードを渡すことができるという点に於いて、父・小泉純一郎氏が今「脱原発」を言い出した政治勘は、相変わらず「冴えている!」と言っていいのではないか。しかし、一点だけ心配がある。それは、米国の意向だ。

■米国の意向さえ読み違えなければ「脱原発」は有効なカード

日本が核燃料の処理を行い、原子力技術を蓄えていることは、米国の国防戦略の一環をなしている。米国といっても「一つ」にまとまっている訳ではないし、今後、核戦略や、日本の位置づけが変化する可能性もあるが、現実的な問題として、日本国民の多数決的意思決定だけで、日本が本当に「脱原発」できるのかどうかには大いに疑問がある。

小泉純一郎氏、あるいは小泉進次郞氏が、「米国の意志」を読み違えて「脱原発」のカードを使った場合には、これが拙い火遊び的な逆効果となる心配はなしとしない。但し、米国の意向に十分配慮して様子を見て使うなら、「脱原発」は、小泉親子にとって、今後何年かに亘って有効に使える政治的カードになり得るということだ。

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