原発のない社会をめざして 特定秘密保護法案で墓穴を掘った安倍首相

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特定秘密保護法案で墓穴を掘った安倍首相

特定秘密保護法案について、元駐レバノン特命全権大使の天木直人氏の意見です。以下はBLOGOSより転載です。







【特定秘密保護法案で墓穴を掘った安倍首相】
BLOGOS 2013年12月05日

まさかこのような展開になるとは安倍首相は夢にも思わなかっただろう。特定秘密保護法案に対する反対の激しさのことである。私自身もここまで特定秘密保護法案の反対が燎原の火のごとく国民の間に広がるとは思わなかった。これまで賛成に回ろうとしていたみんなの党や維新の会なども、その世論の広がりの大きさに圧倒されて反対の声を強めている。

私は今の安倍首相の置かれている状況はかなり深刻だと思っている。何があっても一両日中に強行採決するしかないだろう。少しでも譲歩の姿勢を見せたとたんこの法案は成立が困難になる。すなわち国会会期の延長をして丁寧な審議をしようとすればその審議の中でどんどんと反対の声が強まる。審議をすればするほどこの法案の矛盾がさらに明らかになる。

修正をし始めたらきりが無い。ドンドン修正を重ねれば何も残らなくなる。結局は、法案は廃案にせざるをえなくなるのだ。何よりも、少しでも譲歩の姿勢を示せば、そのとたん安倍首相は指導力のない「弱い首相」の烙印を押される。戦争宣言をしながらそれができなかったオバマ大統領の二の舞だ。それは安倍首相がもっとも嫌うことだ。

だからここまで来たら安倍首相は一日も早く強行採決をするしかない。そして国会で絶対多数を握る今の安倍首相はその気になればそれができる。しかし、もしこのまま強行採決に踏み切れば、安倍首相に対する世論の怨嗟は最高点に達するだろう。あたかも安保条約を強行成立させた祖父岸信介元総理への反発のごとくだ。

しかし、岸首相はその政治生命と同時に安保改定を行なってその後の日本の命運を決めた。よくも悪くも、それは歴史的偉業だ。ところが特定秘密保護法案にはそこまでして成立させる価値など一片もない。米国からの機密情報をよりよく共有できるというのが安倍首相が繰り返して主張する特定秘密保護法案のメリットであるが、安倍首相が本気でそう思っているとしたらおめでたい。

米国が日本にどのような情報を共有するかは、特定秘密保護法案があってもなくても米国が独自に決める。日本には渡さないと思った情報は決して渡さないし、渡していいと思う情報は、それが漏れることを織り込み済みで渡すからだ。強行採決に踏み切れば安倍首相に対する世論の反発はその後の安倍首相の政策に対する反発に倍返しになって襲い掛かってくるだろう。おまけに天下の悪法、欠陥法に政治生命をかけた愚かな首相という烙印が末永く語り継がれることになる。

安倍首相は着任早々、自らの政治アジェンダを後回しにしてアベノミクスの成功に全力を傾けると宣言した。そしてそれは賢明な選択だった。国民の望むところであった。しかしいまやその当初の思いとは逆にどんどんと政治的なアジェンダに向かって突っ走っている。

アベノミクスが軌道に乗っているのならまだ分かる。しかしアベノミクスはこれからが正念場だ。そんな時に国民が望みもしない政治アジェンダにのめりこむことはあまりにも愚かである。安倍首相は特定秘密保護法案の強行採決で墓穴を掘る事になる。

しかしそれは自業自得だ。同情の余地はまったくない。小泉元首相じゃないけれど、かつて無いほどの強大な権力を与えてもらっているのに、なぜ国民の為になる政策を出来ないのか。一旦は政権を投げ出して終った政治家を誰が復権させのだ。腹立たしさが募るばかりである

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