原発のない社会をめざして 川内(せんだい)原発の再稼働を許してはならない

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川内(せんだい)原発の再稼働を許してはならない

【川内(せんだい)原発の再稼働を許してはならない】
BLOGOS 2014年7月19日

現在、原子力発電所は稼働していません。この「原発ゼロ」の状態を覆し、何とか再稼働しようとする「原子力ムラ」の策動が進行しています。

18日の夜、視察に訪れた福岡市内で安倍首相は九州電力の会長ら九州の財界人と会食し、席上、鹿児島の川内(せんだい)原発の早期再稼働を要請されたそうです。これに対して、首相は「川内はなんとかしますよ」と応じたといいます。

安倍首相が原発再稼働に前のめりなのは、原子力規制委員会が審査してきた九州電力川内原発1、2号機について「適合」と認める審査書案を公表したからです。しかし、規制基準は抜け穴だらけで、事故が起きたときの避難計画さえ対象外とされています。

少なくとも、以下のような問題点を解消する必要があるでしょう。それをあいまいにしたままでの再稼働は断じて許されません。

第1に、原子力規制委員会の新規制基準は、東日本大震災を踏まえて地震や津波などの基準を見直したものですが、福島第1原発事故の原因や教訓をきちんと踏まえたものになっていません。原発の運転再開を前提としており、事故を起こせば取り返しのつかない被害を及ぼす原発事故の恐ろしさに対する真剣な反省はなく、規制委もリスクは「ゼロではない」といい、田中委員長は「基準への適合は審査したが、安全だとは私は言わない」という無責任さです。

第2に、川内原発の場合、近くに阿蘇、霧島、桜島などの火山があり、大噴火した場合の被害が及ぶ可能性があります。それにもかかわらず審査書案は「安全性に影響を及ぼす可能性は十分小さい」などと九電の言い分を丸のみしていますが、噴火の予測もその規模の予測もつかず、噴火の影響評価手法は世界的にも確立していない現状では、全く無責任な願望に過ぎないと言わなければなりません。

第3に、住民の避難などの防災計画は自治体任せになっていることです。避難計画はずさんで、策定されているものでも実行不可能とされ、高齢者などの要支援者の避難計画が施設任せにされているなど、住民の不安は解消されていません。

現に、鹿児島県姶良(あいら)市議会は11日、九州電力川内原発の再稼働に反対し、廃炉を求める決議案を可決しました。九州各県の126の教会や伝道所でつくる日本基督教団九州教区も県庁を訪れ、再稼働に同意しないよう求める伊藤祐一郎知事あての要望書を県に提出しています。

また、川内原発の差し止めを求めた訴訟の原告弁護団も、審査書案に対する抗議声明を発表しました。「基準地震動を過小評価している」「火山学者が指摘する火山リスクを無視している」などと指摘し、「住民の安全を置き去りにして再稼働を目指すことになってしまう」と懸念を示す内容です。

このような問題点があり、反対があるにもかかわらず、安倍内閣をはじめとした「原子力ムラ」の住民たちは再稼働を急いでいます。福島第1原発の事故による教訓を無視して、またもこう言うつもりなのでしょうか。「あとは野となれ、山となれ」と……。

30日間の意見公募のあと、審査書は正式に決定されます。意見公募がどれほど考慮されるかはわかりませんが、せっかくの機会ですから、福島の悲劇を繰り返さないために再稼働反対の意見を殺到させたいものです。 (五十嵐仁)

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