原発のない社会をめざして 大洗の高温ガス炉 再開へ 「原発依存低減」に逆行

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大洗の高温ガス炉 再開へ 「原発依存低減」に逆行


【大洗の高温ガス炉 再開へ 「原発依存低減」に逆行】
東京新聞 2014年9月18日

政府は十八日、東京電力福島第一原発事故の影響で運転を中止している新型原子炉の一つの高温ガス炉「高温工学試験研究炉」(HTTR、茨城県大洗町)について、運営主体の日本原子力研究開発機構(原子力機構)が十一月に、新規制基準に基づく研究再開のための審査を原子力規制委員会に申請する見通しだと明らかにした。世耕弘成官房副長官が十八日午前の記者会見で述べた。安倍政権は原発依存度をできるだけ下げる方針を掲げるが、逆行する動きとなった。


世耕氏は、高温ガス炉について「安全性、経済性に優れているとされ、早期の運転再開が必要だと認識している」と述べた。政府が四月に閣議決定したエネルギー基本計画は「原発への依存度を可能な限り引き下げる」とする一方、高温ガス炉の研究開発を推進するとも明記している。

世耕氏は、HTTRの運転再開や安全性の実証試験のため、文部科学省が来年度政府予算で十六億円を概算要求していると説明した。HTTRは一九九一年に着工し、九八年に核分裂反応が持続して起こる「臨界」を達成した。しかし、二〇一一年三月の震災を受け、運転を停止したままになっている。

エネルギー基本計画に高温ガス炉の研究開発を推進する方針が盛り込まれたことに対しては、自民党内からも「将来の新増設につながり、原発に依存しない経済・社会の実現との公約に反する」などの批判が出ていた。実用化が疑問視されている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が稼働しない中の高温ガス炉の推進については、自民党内に「トラブル続きのもんじゅに代わる予算確保が明らかだ」との指摘もある。

◆ヘリウム利用

高温ガス炉 現在の原発は炉内に水を循環させて燃料を冷やすのに対し、ヘリウムガスを循環させて燃料を冷やし、熱を取り出して発電する原子炉。現在の原発で発生する水蒸気の温度は約300度だが、ヘリウムガスは約1000度の高温になる。このため高い効率でタービンを回して発電できるとされる。原子炉で水素爆発が起こりにくい一方、扱う温度が高いので材料の耐久性など技術的に難しい点も多い。

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