原発のない社会をめざして 島田雅彦氏 政治家が口にする「国益」は意味が空洞化と指摘

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島田雅彦氏 政治家が口にする「国益」は意味が空洞化と指摘

【島田雅彦氏 政治家が口にする「国益」は意味が空洞化と指摘】
NEWS ポストセブン  2015年10月19日

近年、嫌~な日本語がやたらと使われている。作家で法政大学教授の島田雅彦氏は、そのひとつとして「国益」を挙げる。いったいなぜなのか。

 * * *

最近、政治家がよく口にする「国益」という言葉がどうも気になる。

まず、「国益」とは何かがよくわからない。企業なら「利益率を上げる」「売れる商品を開発する」など極めて具体的な利益追求の手段がある。しかし、これが政治のコンテクストで使われると、極めて曖昧かつ独善的になる。

多くの場合、政治家はこれを殺し文句のように振りかざす。野党の反対を押し切って法案を通す場合など、すべて「国益のため」という説明で、理由や背景を曖昧にするのに使っていると思う。

「国益」を追求する主体も不明だ。往々にして、その政策が国益に利するかどうかは時間が経たないと判断できない。「国益のため」と称したものが後に国益にならなかった場合、決めた政治家たちはもういないので、責任は誰も取ることがない。

国家予算は税収と国債で成り立つから、主権者たる国民が「税金を払ってよかった」と納得するか、国の赤字を減らす政策なら「国益に適っている」と言えるかもしれない。

しかし、いざ「国益」という言葉を戦争に使う場合には、大きな矛盾を招く。歴史が示す通り、いつの時代の戦争も、戦費負担は予想を遥かに超えて膨らむ。財政が圧迫され、国家が破綻するのはお決まりのコースだ。基本、戦争は「国益」に反する。

それでも、しばしば戦争は国家が抱え込んでいる政治的諸矛盾、経済的停滞その他の問題を一気に解決したかに見せたり、忘れさせたりする効果がある。往々にして、ジリ貧に追い込まれた国家が一発逆転を狙って、打つ博打ではある。

昨今は、むしろ市民の側が「国益」に具体的なイメージを持ち始めている。4年半前の東日本大震災以来、「国益のための復興計画」や「国益のための原発再稼働」が、「目先の損得」や「特定の人たちの利益」に過ぎないと多くの人が気付き始めた。為政者のいう「国益」の正体が見えてきたのだ。

「国益」はまるで念仏や水戸黄門の印籠のように使われており、意味が完全に空洞化した用語の一つである。政治はしばしば用語の意味をねじ曲げる。

日本語教育を指導すべき文科省からして、横文字を多用している。特に大学がそうで、「SA」(Study Abroad=留学)や「FD」(Faculty Development=大学教員の資質開発)といった横文字で溢れている。

私は勤務する大学の教授会で「SA」の意味がわからず、「SAは『Sexual Adventure』の略ですか?」と聞いて笑われたことがある。

現在、文科省は将来的に国立大学の文系学部を縮小・廃止する方針を打ち出している。為政者の唱える「国益」同様、教育の場でも短期的な利益が追求され、大学の「職業訓練校化」がますます進む。歴史や文学など人文系の教養は失われる一方だ。

日本語を疎かにする現在の教育にも、「国益」に対する市民デモ並みのプロテスト(抗議)が必要ではないか。

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彼岸花さんへ

彼岸花さん、おはようございます。
すっかりお返事が遅くなってしまってすいません。
この時季は田んぼの稲刈りやら何なら…いろいろと忙しくしてるのです。

本当に、なにもかもがあまりにもひどいですよね!
とにかく目先のカネカネカネだけで、それ以外に何もない。
おおよそ知性とか教養とかとは正反対のあの総理と政府の連中。
そういう人間が「道徳」とか口にするのですから…ただただ苦笑ですよね!

>特にコメントとか書かなくとも、いつだって同じ危機感を持って記事読ませていただいています。

なんともありがたいことです。彼岸花さんをはじめ…よく訪れてくださる方々の存在が、からうじてブログを続けるモチベーションになっていて、本当にありがたいことです。
それでも最近は結構怠りがちなのですが(苦笑)

まあ、停滞はしていても投げてしまわないようにして、最低限の責任は果たしたいと思っております(汗)
これからも引き続きよろしくお願いいたします。合掌

No title

こんばんは。

川内に続いて伊方もやがて。
これはもう、福島第一原発事故を知りつつ、それでも住民が
この選択をした、ということですから、もう何をか言わんや…という
感じですね。もし、何かあったら、自分の町だけでなく、被災地全部のひとに対して責任を取る覚悟があってこの選択をしただろうか。

なにもかもが、あまりにもひどい…

この、島田雅彦さんが取り上げておいでの、文科省の『文系学部の見直し』指示。
反発が大きいもんのですから、いろいろ言い訳していたようですが、要するに人文系の学問の大事さが、今の政府の人々にはわかっていないということなんでしょうね。すぐ研究成果の出るような学問だけしか価値がないと思っている。
国家がこのように低劣なあからさまな学問への介入をする…
人文系の学問の縮小を国家自らが画策するなんて、世界の笑いものですよ。
人文系だけじゃないですね。数学基礎論とか理論物理と言った、すぐには研究成果の出ないような学問もこの国では軽視されて行くのでしょう…

人文系の学問は、この社会や世界を大きく豊かな深い視線で見ることを教えてくれる学問です。今こそむしろこういう学問が必要とされているでしょうに…

言論の自由も日増しに締め付けが厳しくなっていっている気がします。というより、何か空気の流れを読んで、国民自らが自粛していくのですね…それが一番怖い。

こんな国になっていいのでしょうか…
本当に情けなく悲しいです…。

いつもありがとうございます。
特にコメントとか書かなくとも、いつだって同じ危機感を持って記事読ませていただいています。

人間は、どんなにだって素晴らしい社会を作れると思うのに、どうして、よく生きようとしないのでしょうね…





武尊さんへ

武尊さん、こんばんわ。
これは、なかなか面白い記事でした。反応していただいて嬉しいです♪
国益などという言葉をやたらと口にする連中ほど、逆にアメリカに盲従して利権を売り渡していたりして、まったくもって不思議なことですね。
いつもありがとうございます。合掌

No title

国益という言葉を政治家が使う時は何か意図を隠す時。
>ジリ貧に追い込まれた国家が一発逆転を狙って、打つ博打ではある。
まったくもってその通り!太平洋戦争・イラクのフセインによるクェート侵攻や9.11だってそんなもんだわな。
>日本語を疎かにする現在の教育にも、「国益」に対する市民デモ並みのプロテスト(抗議)が必要ではないか。
その前にしなければいけないことがこの国の学生達には沢山有るんでしょう。デモをするべき者は、学生よりも学者達でしょうな。
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