原発のない社会をめざして 熊取六人衆

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熊取六人衆

前回の続きです。フリージャーナリストの青木理氏のコラムより転載させていただきます。







私は、数年前に見たドキュメンタリーを思い出す。08年の秋、大阪の毎日放送が取材・放映した「なぜ警告を続けるのか…京大原子炉実験所“異端”の研究者たち」と題した番組と、その後日談だ。

京大は、大阪府熊取町に研究用の原子炉を持つが、ここには一風変わった6人の研究者がいた。原子力を研究しつつ原発に懐疑的な立場を取り、その危険性を訴え続けたのだ。彼らは「熊取六人衆」などと呼ばれ、閉鎖的な「原子力ムラ」の中で異端視され、徹底して排斥された。

6人は、京大や阪大などを卒業したエリート研究者だったが、教授どころか准教授にもなれず、助教(助手)や講師のまま定年を迎えていった。今も残るのは今中哲二氏と小出裕章氏のみ。二人ともやはり、助教のままだ。真夏でもエアコンを使わぬという質素な研究室。取材カメラを前に二人は訥々とこう語る。

「原子力を選ぶか否かは、一人一人がどう生きるか、どんな地球をつくるかの問題で、それぞれに考えていただくしかない。ただ、私は科学者の立場から自分の責任を果たしたい」
「原子力の専門家という立場から原子力に警告を発し続ける、そんな人間が必要なんです」


大勢に抗い、清貧に甘んじ、自らの信念を貫く彼らに、私は真の知識人を見たように思った。その警告を真摯に受け止めていれば、今回の惨事を防ぎ得たのではないか、との悔いも覚える。

その番組は、もちろん反原発色が滲み出ていたが、過剰な演出を控えた秀作ドキュメンタリーだった。ところが地元・関西電力は猛烈に噛み付いた。日曜の深夜、それも大阪ローカルの放送なのに、同局の全番組から広告を引き上げ、「原発がいかに安全か」という講習を局幹部が受けるようねじ込んできたのだ。

馬鹿げた話だが、各地域の電力を独占供給する電力会社は、意に沿わぬ学者やメディアを徹底的に締め上げ、一方で御用学者や御用メディアに甘い汁を吸わせてきた。私が知る記者は電力会社からPR記事への協力を依頼され、そのギャラに仰天したという。まともに記事を書いていれば、稼ぐのに数ヶ月は優にかかる額だったからだ。

信念を曲げてすり寄れば、甘い汁が待っている。いや、実は自らの信念すら持たず、ひたすら利得に群がる恥知らずが、この国には跋扈している。程度の差こそあれ、ひょっとすると私やあなたにも覚えはないか。

福島の事故は私たちが今後何年も、あるいは何十年も苦闘を続けねばならぬ大惨事だが、せめて利得の周辺で蠢く恥知らずの化けの皮だけは、これを機に剥いでおかねばならない。それこそが私たち一人一人に突きつけられた「教訓」だ。

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