原発のない社会をめざして 官僚にノーを言えるプロに

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官僚にノーを言えるプロに

九州大学の副学長で、政府の福島原発事故調査・検証委員会委員もつとめる吉岡斉氏が、朝日新聞の「科学者の責任」という特集記事の中で、次のような意見を述べていました。以下







【官僚にノーを言えるプロに】
朝日新聞2月29日

政府の原発事故調査・検証委員会の委員をやって感じたのは、原子力事業者がよくもこれだけ何もやってこなかったなということです。間違ったことをしたというより、やるべきことをしなかった。不作為が最大の問題です。

■専門家がいない

日本の原子力分野には、プロフェッショナルな技術専門家がほとんどいない。自国で作り上げた技術ではないから、大学の工学者たちも概念的には理解していても、ベントの仕組みなど具体的なことはわからない。電力会社もただの運転者だから、詳しくは知らない。細部を知っていたとすればメーカーの技術者ですが、安全確保も含めた全体がわかる指導的な技術者の顔が見えない。

高速増殖炉「もんじゅ」は国産の技術ですが、見よう見まねえ作っただけでまともに動かない。1995年のナトリウム漏れ事故は温度計が折れるというごく初歩的な設計ミスで起きた。ミスをチェックできる技術者がいなかった。

米国の原子力規制委員会(NRC)には、メーカーの現場で働いていた技術者も数多くいます。日本でも経済産業省傘下の原子力安全基盤機構にはいるようですが、安全規制行政はほとんどやってない。科学者や技術者の責任という以前に、能力がないんです。たとえあっても、発揮する機会がないのでさび付いてしまう。

安全のプロフェッショナルが政府に存在しないというのは、原子力以外の分野でも同じです。宇宙なんかでも、メーカー依存という体質は変わらない。ずっとメーカー性善説でした。現場の技術者がちゃんとしているから大丈夫だ、という前提で動いていた。政府の規制実務が空洞化していた。

欧州や米国では、民間の専門職機関が安全についての基準を作ることが多い。ドイツのテュフ(技術検査協会)が有名です。民間基準が標準になり、中立性も保たれている。日本には安全基準を作れる民間技術者がいないので、政府の規制基準を使ってきたが、米国などの基準の翻訳でしかない。

日本の原子力関係者は、いわばゼネラリストの集団です。機械、電気、化学、物理学を広く薄く学ぶ。全部中途半端で専門性が育たない。研究者も原子炉設計などの中核分野ではなく、核融合や安全解析など周辺的なテーマを選ぶ人が多い。「産」に比べ「学」の存在感が希薄で、実際の技術開発を主導できるような学者がいない。「学」に期待されたのは官僚の補佐的な役割で、審議会などで官僚機構を支えてきた。

■研究費が足かせ

97年に原子力委員会の高速増殖炉懇談会の委員になりましたが、行政が核燃料サイクル推進という枠を最初からはめていた。科学者や技術者は研究費をもらう立場なので国家予算のついたプロジェクトに反対はしない。報告書は事務局主導でまとめられ、もんじゅ開発継続は妥当と結論づけられた。高速増殖炉が核燃料サイクルの本命から「選択肢の一つ」に格下げされたことだけが収穫でした。

3・11後の科学者でひどかったのは、放射線医学関係の人たちです。緊急時の防護基準を作るときも非常に緩い基準にした。まともだったのは、子どもに年間20ミリシーベルトという文部科学省の基準に抗議して、内閣官房参与を辞任した小佐古敏荘さんです。日本の放射線医学は、昔から核に好意的です。米国が原爆の被害を調べるために作った原爆傷害調査委員会(ABCC)の末裔のようなところがあって、基本的に核を悪く言わない。

脱原発するにしても一定の時間はかかる。その間、過酷事故を再び起こさないために、新設される原子力規制庁がきちんと機能しなくてはいけないのですが、その中核が従来の原子力専門家であってはいけない。これまで役人の敷いたレールの上で改善意見を述べるだけだったので、新しい安全基準の原案を書き下ろし、その妥当性をみずから評価した経験がない。

むしろ、原子炉技術者だった後藤政志さんや金属材料学の井野博満さんなど、批判的な科学者・技術者に関わってもらい、チェック機能を果たしてもらうべきです。NRCなど外国の機関に再審査をしてもらうダブルチェック体制にするのも有効でしょう。

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