原発のない社会をめざして 原発訴訟で初めて国側敗訴の判決を出した元裁判官

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原発訴訟で初めて国側敗訴の判決を出した元裁判官

朝日新聞に掲載された「原発訴訟の沈黙を破る」という記事の中で、原発訴訟で初めて国側敗訴の判決を出した元裁判官の川崎和夫氏へのインタビューがありました。非常に興味深い内容なので、その後半部分を転載させていただきます。






【原発訴訟で初めて国側敗訴の判決を出した元裁判官 川崎和夫さん】
朝日新聞 5月22日

国や電力会社側が勝ち続けていた原発訴訟の歴史の中、2003年に初めて国敗訴の判決を出した元裁判官の川崎和夫さんが、長い沈黙を破った。高速増殖炉「もんじゅ」をめぐる訴訟。どういう思考をし、国策とどう向き合ったのか。原発事故を経験したいま、川崎さんの経験から科学技術と司法、国策と司法のあり方を考えたい。

(中略)

■もんじゅ事故で予想外の事実次々、審査は甘いと判断

――判決理由の冒頭で、世界の高速増殖炉の開発の現状について、詳しく説明しています。

「高速増殖炉とはどういうものなのか、まず知ってほしかったからです。消費した燃料以上の燃料を生み出すことから『夢の原子炉』と言われ、日本を含め世界の主要先進国がこぞって研究開発に取り組みました。しかし今は他の先進国は開発を中止か断念しています」。「理由は国によって違いますが、背景には危険性を克服して実用可能な原子炉として完成させるには、あまりにもハードルが高すぎたという事情があると思います」

――どこが危険なのでしょうか。

「最大の原因は冷却材です。原子炉で発生した熱を奪い蒸気発生器に伝える冷却材は、軽水炉では水を使います。しかし、高速増殖炉では液体ナトリウムを使います。ナトリウムは酸素と化合すると高熱を発して燃焼するので、空気中に漏れ出すと火災を引き起こし、水と接触すると水素を発生させて爆発の危険性があります。ナトリウムをどう封じ込めるかが重要な課題なのです」

――もんじゅでは95年にナトリウム漏れ事故が発生しました。それが原子炉の設置許可を無効と判断した理由ですか。

「最大の要因はそれです。住民に『もんじゅでは起きない』と大見えを切っていたのに起こしてしまった。事故自体はそれほど大きなものではありません。ところが、事故後の調査や実験を通じて、国が設置を許可した当時には予想されていなかった様々な事実が明らかになりました。加えて、蒸気発生器で伝熱管が破損する事故の可能性について、国は4本程度と想定していましたが、許可処分後に英国の高速増殖炉で40本近い伝熱管が破損・破断する事故が実際に発生しました」

「無効とした理由はこれだけではありませんが、世界の主要先進国が開発を断念している中、どうしてもわが国が高速増殖炉の開発を続けるというのであれば、最初からもう一度、安全性を審査し直さなければいけないと考え、設置許可処分を無効としました。国は設置許可は有効だと言いますが、控訴審の口頭弁論終結後にナトリウム漏れ対策や蒸気発生器などについての変更を許可しました。これは国も当初の許可処分では不十分だったことを事実上認めたものだと受け止めています」

――安全審査は、どのような姿勢で臨むべきだと考えましたか。

「特別に危険な施設でしかも技術や知見が確立されていないわけですから、審査の際には安全の余裕度を大きめに設定しなければならないと思います」

――具体的には?

「米国で計画された高速増殖原型炉クリンチリバーの審査が一つの例です。炉心崩壊事故時に発生する機械的エネルギーの大きさについて、米原子力規制委員会(NRC)は独自の解析結果に基づき、申請者側が想定したエネルギーの約2倍の数値を使って評価のし直しを要求しました。その後、スリーマイル島事故の影響で審査がより厳しくなった結果、最終的に建設は中止となりました。このことからもNRCの審査の厳しさの一端が見られます」

――日本ではどうでしたか。

「日本の原子力安全委員会は、申請者の動力炉・核燃料開発事業団が解析した結果をそのまま承認しました。国に言わせれば、十分に厳しい条件を設定して解析をしているから、さらに解析をやり直させる必要はないということかもしれません。しかし、ナトリウム漏れ事故後の安全総点検や実験の結果を見ると動燃が同種の事故について申請時に行った解析は甘いものだったことがわかっています。このあたりが原子力安全委員会に不信感をもつ一因となりました」

――国敗訴の判決を書く際に、心理的な重圧は感じられましたか。

「重圧は特にありませんでした。しかし、『変な判決を書いたヤツだと思われるだろうなあ』という思いはありました。それがプレッシャーといえばプレッシャーでした。それまで原発訴訟で国や電力会社側を負かした判決を出した裁判官はいなかったわけですから」

――その後、最高裁は川崎さんが書いた判決を破棄しました。

 「『やっぱりだめか』と思いました。最高裁が、国を負かした判決をそう簡単に維持してくれるとは思っていませんでした。もんじゅは国が推進している核燃料サイクルの柱です。その政策そのものを否定することになりますからね。しかし、ナトリウム漏れ事故の結果、いろいろな問題があることがわかってきたので、『もしかしたら』とわずかな期待もありました」

――川崎さんの判決の意義は?

「国側を敗訴させた珍しい事例の一つとしての意味はあると思います。判決は最高裁に破棄されましたが、判決当時から、高速増殖炉の開発は司法が止めなくてもいずれ断念せざるを得なくなるだろうとは思っていました」

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