原発のない社会をめざして 

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憲法改正誓いの儀式

こういう動画が出回っているのをご存じでしょうか?
アベ総理を始め、自民党の中枢を牛耳るセンセイ達が揃っている式典の様子です。ぜひご覧いただきたいと思います。合掌






内閣総理大臣補佐官 衛藤 晟一
いよいよ、ほんとに憲法を変えられる時がきた。これ以上延ばすことはできない。

【元法務大臣 長勢甚遠】
憲法草案というものが発表されました。正直言って不満があります。一番最初にどう言ってるかというとですね。国民主権。基本的人権。平和主義。これは堅持するって言ってるんですよ。この3つを無くさなければですね。ほんとの自主憲法にはならないんですよ。たとえば人権がどうだとか言われたりすると、平和がどうだとか言われたりするとおじけづくじゃないですか。それは我々が小学校からずっとずっと教えこまれてきたからですよ。

【外務副大臣 城内実】
日本にとって一番大事なのは何かと言うと、私は皇室であり国体であると常々思っております。

【自民党政務調査会長 稲田朋美】
国防軍を創設する、そんな憲法草案を提出致しました。

【元総務大臣 新藤義孝】
いま必要なのは行動すること。実現させることだと思います。皆さん、憲法改正しましょうよ。奪われている領土、取り戻しましょうよ。北方領土、竹島、主張するだけじゃなくて行動しなければいけないと思います。さらには尖閣、使っていきましょうよ。軍事利用しましょう。

※最後の新藤氏の「軍事利用しましょう」という一節は、軍事ではなく有人利用と言っているというご指摘をいただきました。私にもどうもそういう風に聞こえるので、いちおう訂正しておきます。合掌

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改憲勢力3分の2阻止へ 参院選“自民党大苦戦”の18選挙区

【改憲勢力3分の2阻止へ 参院選“自民党大苦戦”の18選挙区】
日刊ゲンダイ 2016年6月23日

参院選が22日公示された。安倍首相が設定した勝敗ラインは「自公で改選議席の過半数(61議席)」だが、「改憲勢力で3分の2(78議席)」が念頭にあるのは間違いない。ただ、ここへきて、内閣支持率は下落傾向だ。「次期国会で改憲を議論したい」という安倍首相の野望も剥き出しになってきただけに、有権者は自公に厳しい視線を向け始めている。

内閣支持率をめぐっては、こんな驚くべき情報がある。永田町のベテラン記者が言う。

「この週末(18、19日)に行われた政党の情勢調査で、東京で内閣支持率と不支持率が逆転したそうです。舛添問題が直撃したのだと思われます」

報道各社の最新の世論調査でも支持率は軒並み下落。参院選の論戦で、これからますます安倍政権のバケの皮が剥がれる。逆転現象が東京以外の地域に広がってもおかしくない。

現段階で自民が苦戦しているのは別表の18選挙区だ。1人区が東北や信越など14選挙区。複数区が候補を2人擁立している北海道、千葉、東京、神奈川の4選挙区で、2人目が当落線上だ。

「もともと1人区は18勝14敗もあり得るという話でした。現状、岩手、宮城、山形、長野、福島、沖縄の6つは苦しい。新潟、山梨、三重、愛媛の4つが危ない。青森、岐阜、滋賀、大分は今のところ若干優勢ですが、最後までどうなるかわかりません。痛いのは、確実に勝てるといわれていた『岐阜』でどんどん差を詰められてきていることです」(自民党関係者)

自公で改選過半数(61議席)を取るためには、公明が13議席前後とすると、自民は48議席前後を取らなければならない。3分の2(78議席)に到達するためには、おおさか維新や新党改革が最大で合計8議席程度取るとすると、自公で70議席前後、つまり自民は単独過半数でもある57議席前後が必要だ。

有権者は、自民の苦戦選挙区と改憲防衛ラインを頭に入れておきたい。

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甲状腺がん多発原因は、被ばくしかない

【甲状腺がん多発原因は、被ばくしかない】
女性自身 2016年04月24日

福島県で多発している小児甲状腺がん。依然、「被ばくによる多発だとは考えにくい」という見解を示している県の検討委員会だが、疫学者の津田敏秀氏は、「甲状腺がん(おもに乳頭がん)の外的要因は、放射線被ばくであることは、国際的にも認められており、他の原因が説明できない現状において、甲状腺がん多発の原因は、被ばくしかない」と断言する。

津田氏が、被ばくの影響を裏付けるデータとして挙げているのが、チェルノブイリ原発事故の影響を受けたベラルーシで、〈被ばくの影響を受けていない14歳以下の子ども4万7203人を対象に行った甲状腺エコー検査〉の結果だ。

「被ばくしていない地域の子どもたちには、一例も甲状腺がんが見つかっていません。チェルノブイリでも、原発事故後、今の日本と同じように10年以上にわたって、甲状腺がんの多発は、『スクリニーング効果だ、過剰診断だ』と論争が続いていました。でも、このデータが、論争に終止符を打ったんです。やっぱり被ばくの影響だ、という確証になりました」(津田氏)

また、「チェルノブイリで甲状腺がんが増えたのは、原発事故後5年目から。福島は早すぎるので被ばくの影響とは考えにくい」とする検討委員会の意見に対しても、「チェルノブイリでは、爆発的に甲状腺がんが増加したのが事故後5年目以降であって、事故の翌年からはっきりとした甲状腺がんの多発が始まっていました」と反論する。

「ぜひ、みなさんには、こうしたデータをしっかりご覧になったうえで検証してほしい」と話す。

また、津田氏は、チェルノブイリ原発事故のあと、小児甲状腺がん以上に、大人の甲状腺がんが増えたことや、その他の疾病も増えたことなどを例にあげ、「今後、どんな疾病が増えていくのか、しっかり症例を把握していく必要がある」と警鐘を鳴らしている。

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「想定外に備え、川内原発は一時稼働停止を」 30キロ圏住民調査を行った広瀬弘忠氏に聞く

【「想定外に備え、川内原発は一時稼働停止を」 30キロ圏住民調査を行った広瀬弘忠氏に聞く】
東洋経済ONLINE 2016年04月26日

「原発事故が起きると安全に避難できない」。川内原発周辺の多くの住民がそう考えていることが、広瀬弘忠氏が代表取締役を務める「安全・安心研究センター」によるアンケート調査で判明している。余震が続くなど、「赤信号が点滅している状態だけに川内原発はすみやかに一時稼働停止を」と訴える。

――熊本地震では、九州電力・川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)をはじめとした西日本各地の原発の安全性が懸念されています。

九電は万一の場合を想定して、いったん川内原発の稼働を停止すべきだ。4月14日午後9時26分に熊本県内を震源域とするマグニチュード6.5、震度7の地震が起き、その28時間後の16日午前1時25分にはさらに大きいマグニチュード7.3、震度7が発生している。さらに19日午後5時52分には川内原発により近い八代市内を震源域にマグニチュード5.5、震度5強を観測している。その後も頻繁に余震が続いている。八代市から川内原発まで約80キロメートル。震源域がさらに近づけば危険性が増してくる。

――原子力規制委員会によれば、最初の地震で観測された川内原発での地震加速度の最大値は8.6ガル。これは原子炉自動停止の設定値である水平加速度160ガル、鉛直加速度80ガルをともに大幅に下回っているとのことです。こうしたことから規制委の田中俊一委員長は「安全上の問題はない」としています。

大規模な地震が相次いでいることから、現在は赤信号が点滅している状態だ。火山の噴火が差し迫っていることが察知できた場合にはいち早く原子炉を止め、使用済み燃料をプールから取り出して安全な場所に移送する手はずになっている。それができるとは思えないが、似た状況が地震によって起きる可能性があるのだから、あえて止めない判断をする理由はない。

今回、気象庁は最初の地震をいったん本震とみなしたものの、後にさらに大きな地震が発生したことからもわかるように、想定外はいつでも起こりうる。ステレオタイプな発想をしていると、想定外の事象に巻き込まれてしまう危険性がある。シナリオが外れた場合のリスクを考えたうえであらかじめ危険を取り除くべきだ。

――東日本大震災が2011年3月に起き、2011年5月に中部電力は当時の菅直人首相の要請を受け入れる形で浜岡原発の稼働を停止しました。その際、住民や株主などさまざまなステークホルダーの利益に配慮したうえで判断したといいます。

今回、株主の利益に照らすと二つの考え方があるだろう。一つは事故が起きた時の影響の大きさを考えて止めるという考え方だ。東京電力・福島第一原発事故をきっかけに東電が事実上経営破綻して国有化されたように、原発事故による被害は計り知れない。

もう一つは運転を一時的に停止した場合にどれだけの損失を被るかということだ。期間にもよるが、許容範囲ではないか。少なくとも電力不足に陥ることはないだろう。万一を考えて止めておくという判断は九電の社会的評価の向上にもつながると思う。

■避難シミュレーションは机上の空論

――広瀬さんが代表取締役を務める「安全・安心研究センター」は、川内原発の再稼働を前にした2014年11月21日から12月14日に、原発が立地する薩摩川内市およびいちき串木野市など原発から30キロ圏内の5市町村で暮らす360人を対象にアンケート調査を実施しました(アンケート調査結果は岩波書店『科学15年3月号』に掲載)。それによれば、「おそらく安全に避難できない」と「安全に避難できない」を合わせた住民が、薩摩川内市で69.5%、それ以外の30キロ圏で61.7%にのぼっています。「安全に避難できる」と「おそらく安全に避難できる」の合計はそれぞれ30.0%、38.4%にとどまりました。

逃げられないと思っている人が実際に多いことがわかった。鹿児島県は川内原発で重大事故が発生した際の避難計画を策定しているが、そのシミュレーション結果には現実味がない。

重大事故が起きた場合に避難指示が出されてまず5キロ圏内の住民が避難を開始し、その9割が30キロメートル圏外に避難できたことを確認してから、5~30キロ圏の住民が避難し始めるという「2段階避難」をシミュレーションの前提としている。

30キロ圏内の住民のうち9割が避難を終えるまでに「国道270号線が通行できない場合」で22時間30分、「南九州西回り自動車道が通行できない場合」で28時間45分と試算されているが、20万人近い住民の避難がこの程度の時間で済むはずがない。

まず第一に、2段階避難という想定が非現実的だ。多くの人は避難指示が出ていなくても、原子力災害対策特別措置法に基づく通報などで原発に異常事態が起きていると認識すれば、われ先にと避難を始めるだろう。そうすると渋滞が起こり、避難に必要な時間はさらに長くなる可能性がある。

また、鹿児島県のシミュレーションでは、南九州自動車道が通行止めになった場合でも、代替避難経路としての国道3号線や270号線、県道42号線などにより避難できると想定されている。しかしそれらの道路が通行可能である保証はない。その意味でも「最悪シナリオ」は想定されていない。

■伊方原発の事故でも避難困難

――緊急時には自動車での避難が前提とされています。支援が必要な高齢者や障害者については、バスによる避難が計画されています。

バスによる避難が現実的に機能するのか疑問がある。高齢者はバスが来る場所までたどり着かなければならない。崖崩れで道が通れなかったり、放射線量が上昇しているときに被ばく覚悟でバスを運行できるのか。自然災害が原発事故と連動すると、避難もできずに孤立無援状態に陥る。

前出の私どものアンケート結果を見ても、住民がそう認識していることがわかる。避難計画を作っても、いざというときには機能しないのが原発災害を伴う複合災害だ。

――四国電力の伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)はどうでしょうか。伊方原発は佐田岬半島の付け根にあります。原発から西側は「予防避難エリア」とされ、そこに住む約4900人の住民は海路による避難が想定されています。

私も佐田岬半島の先端部にある三崎港から対岸の大分県にフェリーで渡ったことがあるが、九州と四国を結ぶ豊予海峡は流れが速い。津波警報が出ていると避難自体が無理だ。港にたどり着くのも容易ではない。伊方町役場は原発から非常に近い距離にあるため、住民の避難誘導は困難だ。

――要するに、原発事故は起きてしまうと対応不能になるということですね。

その通りだ。だからこそ赤信号が点滅している状態では、電力会社は想定外の事象を防ぐためにいったん立ち止まるべきだ。それが原発の一時稼働停止だ。もう一度重大事故が起きたら日本の原子力発電はおしまいになる。目先の利益にとらわれずに判断すべきだ。

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川内原発抗告審 福島の教えはどこへ

【川内原発抗告審 福島の教えはどこへ】
中日新聞 2016年4月7日

司法がまた揺れている。福岡高裁は、巨大噴火のリスク評価や事故時の避難計画に問題があったとしても、九州電力川内原発の稼働には合理性があるという。3・11の教訓無視だ。納得できようか。

争点は大きく三つ。

基準地震動(最大の揺れ)の想定が妥当かどうか。火山による危険性はあるか。そして、事故に備えた避難計画は有効か。

福岡高裁宮崎支部は、これらを踏まえた原子力規制委の審査について「極めて高度の合理性を有する」「九電は説明を尽くした」として、川内原発の停止を求める住民側の訴えを退けた。

新基準に疑問を投げかけ、高浜原発の停止を認めた先月の大津地裁などとは正反対の判断だ。

原審同様、九電側の主張をほぼ受け入れたとも言えるだろう。

川内原発は、桜島周辺の姶良(あいら)カルデラ(陥没)などに囲まれた、巨大噴火のなごりをとどめる“火山銀座”の内側にある。

火山の影響について裁判長は、巨大噴火の予測を前提とする規制委のリスク評価を「不合理」と指摘した。

ところが、原発の運転期間中に破局的噴火が起きる根拠がないとして、川内原発の立地が客観的に見て不合理だとも言えない、と断じている。巨大火山と共生する住民の不安には、まったくこたえていないと言っていい。

専門家から「机上の空論」との批判が強い避難計画についても「問題点を指摘できるとしても、人格権を違法に侵害する恐れがあるとは言えない」という結論だ。

不合理な火山の評価、問題があるやも知れぬ避難計画、住民の安全安心に照らして見れば、どこに、どのような「合理性」が存在すると言うのだろうか。

福島の被災者は、どのように受け止めているのだろう。
想定外のことは起きる。核の制御は本当にできるのか-。


3・11がのこした大きな教訓だ。その教訓の上に立ち、司法の中にもようやく「原発の安全性については、原則、専門家の指針に基づく行政の判断に委ねる」(一九九二年、伊方原発訴訟)という古い最高裁判断よりも、住民の生命と安全を守るという視点から、自らの判断を明らかにするようになったはずではなかったか。

このような安全軽視の「不合理」は、規制委や規制基準への信用を、なおさらおとしめるだけではないのだろうか。

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「忘災」の原発列島 高浜運転差し止め仮処分 「専門家に任せろ」司法がNO

【「忘災」の原発列島 高浜運転差し止め仮処分 「専門家に任せろ」司法がNO】
毎日新聞 2016年3月22日

大津地裁の判断が、東日本大震災後の原発政策を揺るがそうとしている。今月9日、新規制基準で再稼働したばかりの関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の運転差し止めを求める仮処分申し立てを認めたのだ。原発の運転を初めて停止させた司法判断の意味とは−−。

■「避難計画、国の義務」 各地の訴訟に影響も

大津地裁の決定から5日後、住民側の弁護団長を務める井戸謙一弁護士に電話で話を聞いた。その口調にはいまだに興奮が残っていた。「住民の危機感を正面から受け止めた決定です」

仮処分決定後の記者会見で「決定を出すには大きなプレッシャーがあったはずで、裁判官に深い敬意を表したい」と語っていた井戸さんは、裁判官出身。2006年3月、原発事故を危惧した16都府県の住民が、北陸電力志賀原発2号機(石川県)の運転差し止めを求めた訴訟で、金沢地裁の裁判長として運転差し止めを命じる判決を出した。「想定を超えた地震で原発事故が起こり、原告ら(住民)が被ばくする具体的可能性がある」。商業用原発の稼働にレッドカードを出した初の司法判断だった。

この判決前に井戸さんの頭にあったのは、05年の宮城県沖の地震(M7・2)で、東北電力女川原発(宮城県)の全3基が自動停止した事案だった。敷地内で観測された揺れの強さは、耐震設計での想定を超えていた。

その後、想定を超える巨大地震が11年3月に発生。東京電力福島第1原発事故が起きた。一方、井戸さんは震災後に弁護士に転じ、幾つもの原発関連の訴訟に携わっている。

その井戸さんが大津地裁の決定で最も評価するのが、避難計画の策定を「国の信義則上の義務」と位置づけた部分だ。決定では申し立ての相手側は関電であるにもかかわらず、「避難計画をも視野に入れた幅広い規制基準が望まれる。過酷事故(福島原発事故)を経た現時点においては、そのような基準を策定すべき信義則上の義務が国家には発生している」などと国の責任に言及している。

つまり、大津地裁は、原子力規制委員会が策定した新規制基準では、避難計画の策定は安全審査の対象外になっている点を問題視したわけだ。

井戸さんが指摘する。「避難計画の策定を『国の信義則上の義務』と言い切ったのは初めてではないでしょうか。安倍晋三政権や原発推進派の人々は『世界一厳しい新基準だ』と胸を張るが、避難計画を審査せずしてどこが厳しい基準なんだ、という市民の常識に立った決定だと思います」

大津地裁決定の評価について、全国紙の社説は賛否が分かれた。肯定的な見出しは「許されぬ安全神話の復活」(朝日)▽「政府も重く受け止めよ」(毎日)。否定的なのは「常軌を逸した地裁判断だ」(産経)▽「判例を逸脱した不合理な決定」(読売)。

 「否定派」はどう論じたのか。産経は「高度に専門的な科学技術の集合体である原子力発電の理工学体系に対し、司法が理解しきったかのごとく判断するのは、大いに疑問である」と主張。要は「専門家でない裁判官は判断を控えるべきだ」というのだろうか。

読売が提示した「判例」とは、1992年の四国電力伊方原発(愛媛県)訴訟の最高裁判決。この判決では、原発の安全審査は科学的、専門的な知見に基づく行政判断に委ね、裁判所はその審議の過程に不合理な点があるか否かという観点から判断すべきだ−−との見解が示された。原発事故までの訴訟で住民側の訴えを退ける根拠の一つとなり、住民側が勝ったのは表の通りわずか2件だ。

決定を否定する意見に、井戸さんはこう反論する。

まず震災後の原発訴訟の争点について、「原発の安全神話が崩れた今、原発過酷事故のリスクは誰もが否定できなくなった。だから最も重要な争点は、専門家が作った安全規制基準や対策によってもなお残るリスクを、社会が受け入れるか否かなのです」と解説する。

その上で、原発は極めて専門性が高い施設だから「伊方判決」を踏襲すべきだ、などという主張には、こう論陣を張る。「専門家の役割は、住民や社会に『これだけ安全対策をしたのでリスクを許容してください』と説明することであり、リスクを受け入れるべきか否かを決めるのは専門家ではありません。それは、原発の必要性、過酷事故が起こるリスクの程度や被害の深刻さなどを考慮し、社会が決めることなのです」。裁判という場においては「素人」である裁判官が、社会や市民に代わってその判断をするのは当然というのである。

思い出してほしい。「専門家の意見は正しい」という思考が安全神話につながり、福島原発事故の一因となったことを。私たちは歴史から学ばなければならない。

もちろん、当事者である関電は強く反発している。14日には仮処分決定を不服として、取り消しを求める保全異議と運転差し止めの執行停止を申し立てた。併せて5月から予定していた電気料金の値下げを見送る方針も示した。経済界などからは「経済活動に影響する」という懸念が出始めている。

このような見方に対し、「原発を動かさなければ電気代の値下げは困難になるという主張は、消費者にとってはもう『脅し』にはなりません」と語るのは、エネルギー政策に詳しい立命館大の大島堅一教授。その理由として、来月からスタートする電力小売り全面自由化を挙げる。自由化によって大手電力会社と消費者の力関係が変化するからだ。「自由化後、企業や家庭は高い料金体系の電力会社から、安い料金体系の会社へ簡単に移行できます。もし関電が高い料金を設定するならば、消費者は別の安い会社を選べばいいだけですから」

安全対策に多額の費用を投じたとしても司法が再稼働を認めない。原発の維持コストを電気料金に転嫁しようとすれば消費者から受け入れられない。このような原発は、大島さんの目には「リスクの高い事業」にしか映らない。

安倍首相は10日の記者会見で「世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると判断した原発のみ再稼働を進める」「エネルギー供給の安定性確保には原子力は欠かすことができない」と述べた。政権の姿勢はかたくなだ。

原子力資料情報室共同代表の西尾漠さんは、だからこそ司法の判断に希望を見いだしている。「各地で運転差し止めの住民訴訟が起こされており、今後も大津地裁と同様の司法判断が続く可能性があります。そうすれば、政府側も原発推進方針を再考せざるをえなくなるのでは」

安倍政権がすべきことはまず、司法の決定に真摯(しんし)に向き合うことではないか。

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新潟限定の原発CM 避難者ら抗議文提出へ

【新潟限定の原発CM 避難者ら抗議文提出へ】
毎日新聞 2016年3月8日

東京電力が、柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市)の再稼働に向け、防災訓練や安全対策に関する取り組みを紹介する新潟県内限定のテレビCMを流していることに、避難者らが反発を強めている。福島第1原発事故から間もなく5年を迎える中、県内には福島県からの避難者がいまだに3000人以上いる状況で、避難者や新潟市議らは「配慮が足りず、内容も実態とかけ離れている」と指摘。15日には放送中止を求めて東電に抗議する方針で、準備を進めている。

 「どんな状況にも対応できるよう訓練に全力を注ぎます」。東電が制作した最新の30秒CM「緊急時訓練編」では、柏崎刈羽原発内で防災訓練に取り組む様子が紹介され、最後は職員らのメッセージで結ばれている。

東電は福島第1原発事故後、おわびや節電の呼びかけ以外のCMを自粛していた。だが、昨年4月に新潟事務所を新潟本社に格上げし、柏崎刈羽原発6、7号機の安全審査が進む中、再稼働に向けた広報体制を強化。昨年6月から県内限定でCMを再開した。

CMは県内の民放4局が、1局当たり月80本ほど放送している。これまでに緊急時訓練編を含め5種類のCMが流されており、東電新潟本社の木村公一代表は「安全に向けた取り組みを理解してもらい、県民に安心してもらうためだ」と説明。「避難者のことを考えると申し訳ないところはあり、配慮に欠けるというのもしかりだ。ただ、原発立地県の県民を守るという重要性に鑑みて流している」と理解を求めている。

だが、福島から新潟への避難者数は2月末現在で3517人(福島県まとめ)と、福島県内を除く都道府県別で4番目に多く、批判の声は高まっている。避難者や市民団体などはCMの中止を求める抗議文を15日に東電に提出する方針で、フェイスブックなどを通じて賛同者を募っている。

呼びかけ人の一人、中山均新潟市議(無所属)は「汚染水やメルトダウン公表問題など都合の悪い部分を取り上げず、事故の教訓を受けて頑張っていますという内容には疑問がある」と指摘。福島県いわき市から避難している40代女性は「福島県民の心情を察してくれているなら、CMは作らないはずだ。福島の存在を否定され、見捨てられたような気持ちになった」とコメントを出した。

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電力側、評価委員に810万円 川内原発の安全判断に関与

【電力側、評価委員に810万円 川内原発の安全判断に関与】
東京新聞 2016年3月4日

九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)の周辺で巨大噴火を疑う異常が起きた際に、運転停止命令を出すかどうかを議論する原子力規制委員会の評価部会委員に決まった鹿児島大の火山学者ら二人が、過去に九州電力と関西電力の子会社から計八百十万円の「奨学寄付金」を受けていたことが分かった。

鹿児島大が二〇一〇年度以降の情報開示に応じた。二人は小林哲夫名誉教授(火山地質学)と宮町宏樹教授(地震学)で、子会社二社とともに寄付の事実を認めた。規制委事務局は寄付を把握しているが情報公開していない。

規制委は「空振りを恐れずに」安全優先で停止命令を出すとしてきた。法令上の問題はないものの、電力側と資金関係がある委員を選んだことで、判断の公正さに疑問を持たれそうだ。

昨年八月に再稼働した川内原発の近くには、桜島を含む姶良(あいら)カルデラなど過去に巨大噴火した火山が集中。規制委は九電に火山の監視報告を求める一方、監視データの評価部会を原子炉安全専門審査会に設置することを決めた。

委員は鹿児島大の二人と、北海道大と京都大の各一人、議決権を持たない国立機関の研究者二人で計六人。北海道大と京都大の教授は、いずれも電力側の寄付金を受けていなかった。

規制委事務局は取材に「寄付金については聞いているが支障はない」と説明。小林氏は「電力との関係は意識しなかった。(委員としての)判断には影響しない」、宮町氏は「電力に不利なことであっても発言するつもりだ」と話した。

開示資料によると、小林氏は一〇~一四年度、関電系の建設コンサルタント会社「ニュージェック」(大阪市)から計三百十万円の寄付を受けた。宮町氏は一三~一五年度、九電系の建設コンサルタント会社「西日本技術開発」(福岡市)から計五百万円を寄付された。

奨学寄付金は外部資金を受け入れる大学の制度。特定研究者に寄付できて使途に制限はなく、積み立ても可能という。

規制委は委員の申告に基づき、電力側の寄付金の有無を公開しているが、六人は任命手続きが終わっておらず公開されていない。

◆関係は意識しない

<小林哲夫・鹿児島大名誉教授の話> 奨学寄付金は、南西諸島の火山で実施したニュージェック側との共同研究の費用などに充てた。電力との関係は意識していなかった。今回指摘されて「言われてみればそうだな」と思ったぐらい。委員の話は、ほかになり手がいなかったということと、私が長年カルデラ火山を研究してきたということから引き受けた。判断には(寄付金は)影響しない。カルデラの研究もしないで、危険とか絶対安全とか決めつけるのは良くないと考えている。

◆規制委に説明済み

<宮町宏樹・鹿児島大教授の話> 九電子会社からの奨学寄付金などについては、すでに規制委に説明している。寄付金は特殊な機器による海底地震の観測や、学生の教育研究に用いた。委員として川内原発の火山監視について意見を求められることになるが、科学者として事実を曲げることはできない。九電に不利なことであっても発言するつもりだ。仮に寄付金などが規制委のルールに抵触するというのなら、委員への就任は辞退する。

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メルトダウン これで原発回帰とは

【メルトダウン これで原発回帰とは】
中日新聞 2016年3月1日

原発非常事態のマニュアルの存在に、五年もの間誰も気づかなかったとは-。いずれにしても、ずさんとか不注意とかでは済まされない。安全と人命の軽視。原発回帰を考え直させる重大事である。

故意にせよ、不注意にせよ、なぜ“隠し事”が続くのか。

福島原発事故では当初から、核燃料が溶け落ちる、炉心溶融(メルトダウン)の恐れが指摘されていた。

東京電力の「原子力災害対策マニュアル」では、核燃料の損傷の割合が5%を超えれば、炉心溶融と判定することになっていた。

3・11から三日後の十四日には格納容器の中の放射線量を測定する装置が回復し、その日から翌十五日にかけて、1号機から3号機まで、それぞれ55%から30%の損傷が推定される状態だった。

東電は「明確な定義がない」として、五月までメルトダウンを認めなかった。ところが定義はあったのだ。

同じ東電柏崎刈羽原発を有する新潟県に求められ、探したら、見つかったという説明だ。五年は長い。「気づかなかった」で済まされる話ではないだろう。

メルトダウンが進むと、溶け落ちた核燃料が格納容器壁を破り原子炉の外にあふれ出るメルトスルーに至り、重大な核汚染を招く。

すぐに強い警告を発していれば、対策や避難の仕方も変わっていたにちがいない。

原発事故の過小評価は、安全の、生命の過小評価にほかならない。

東京電力だけではない。福島原発事故の前、中部電力浜岡原発や東北電力女川原発でも、定期検査で見つかった損傷の報告を怠ったことがある。

北陸電力志賀原発で一九九九年に発生した臨界事故は、長い間、明るみに出なかった。

高速増殖原型炉もんじゅのナトリウム漏れ事故の際、旧動燃は、現場を撮影したビデオの一部を故意に公開しなかった。

原子力業界は、何を恐れて情報を出し渋るのか。

再稼働直前に水漏れ事故を起こした関西電力高浜原発4号機に、福井県の西川一誠知事は「安全を最優先に情報公開を徹底し…」と注文を付けた。

当然のことをそこで言わねばならないところに、原発問題の根っこの一つはある。

情報公開の徹底なくして、原発再稼働はありえないはずなのだ。

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